私が2019年9月の記事で書いた通り、世界同時株安、世界金融危機が起こりました。
世界金融危機にそなえましょう~逆イールドからドイツ銀行CDSとCOL破綻まで~
そしてその後、オリンピック延期、緊急事態宣言と、予言のようにタイミングをすべてぴったりで当てることができました。
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東京五輪オリンピックの1年延期はすでに決まっている件
これから緊急事態宣言ロックダウンが起きる~いつ起きるのか?~
そして次も予想通り、心理的に認知バイアスにひっかかり、信じるものを失った不安症の強い人たちが、
「コロナ幽霊説(ウイルス存在しない説)」や「首相性善説(首相の判断は全て正しい)」
と言った、
根底から否定したり、過去の権威を聖人にして神話化して、神話を信じない者を糾弾したりと、非論理でトンデモな世界に誘われてしまいました。
前記事
危機的な状況の時ほど判断を誤る!認知バイアスに注意せよ!
危機的な状況で他人を見下す人の心理~弱点と対策~
このような状態の時は、科学的で合理的な思考を持つことが大切です。
今後「感染症と世界金融危機の時はひどかったけど、政府の対応は素晴らしかったね。」と
過去の歴史を良いように改ざんして合理化しないように、今までの経緯をしっかりまとめておく必要性を感じました。
そして、「なぜ私がここまで当てることができたのか?」も書きます。
日経平均株価を見ましょう
これは2020年3月中旬~4月上旬までの日経平均株価です。
2020年3月13日、コロナの影響によりアメリカが国家非常事態宣言(国家緊急事態宣言)を出しました。
外出や経済活動の自粛を要請しました。日本感染者数55人。
2020年3月22日、IOC(国際オリンピック委員会)が東京五輪を2021年に延期とアメリカの報道陣の前で発表しました。
この時点で「4週間以内に検討する」という含みもありました。日本感染者数34人。
そして3月25日、日本がオリンピック延期を発表しました。日本感染者数65人。
2020年4月6日、いきなり日本の安倍首相(当時)が「明日、緊急事態宣言を出す」と言いました。
そして2020年4月7日、緊急事態宣言が発令されたのです。日本感染者数378人、248人。
さてこの図を見て気づくことはないでしょうか?
すべて日経平均株価が1万8000円以上の時に日本が動いているのです。
日本の感染者数は増加し続けていますが、全く関係ありません。
なぜ日経平均か?
なぜ日経平均の株価か?は前記事で書きました。
日本政府は日本人の感染者数で見ていません。
「日経平均株価」でいつやるのかを決めています。
具体的には日経平均株価1万8000円前後、それ以上の時です。
2020年現在、日本の大企業群のトップの大株主は日本銀行です。
なので日本銀行=日本企業なので、日経平均株価と日本銀行の損益はリンクします。
日本銀行にとって、日経平均1万9500円が損益分岐点になっています。
それ以上だとプラス、それ以下だとマイナスです。日経平均が1万6500円の時、日銀のETFだけの債務超過が約4兆円です。
元々持っている日銀の純資産が4兆円。つまり1万6000円以下は日銀の純資産以下になるので避けます。
それを下回らない程度を考えると、下げ幅に耐えきれるのが日経平均株価1万8000円前後、それ以上の時なのです。
順を追ってみていきましょう。
2020年3月13日・・アメリカが国家非常事態宣言(国家緊急事態宣言)
ここからアメリカの株価(NYダウ)は売られて暴落していきました。
それに釣られて、日本の日経平均も暴落していきました。
日経平均は16500円台まで下がっています。
これらの状態は通常はリスクオフと言います。
投資家心理が不安になると、為替ではアメリカのドルを売って円を買います。
株ではアメリカの株や日本の株、安定した先進国の株を買います。
しかしあまりの大暴落により追証に追われ、株さえも金さえも円さえも売って売ってドルを現金化させようとしました。
なのでドルが買われすぎて、相対的に円安になりました。
2020年3月22日・・IOC(国際オリンピック委員会)が東京五輪を2021年に延期
22日と23日の前後にアメリカの報道陣の前でIOCが東京五輪の延期を発表しました。
この時点で日経平均は16887円。
この時点でもまだ日本政府はオリンピック延期と明言しませんでした。
「完全な形で実施する。中止はない。」と言い続けました。
首相や都知事までセリフがかぶっていたので、共通の台本があるとすぐ分かりました。
上司であるIOCが延期と言っているのに、日本では報道されませんでした。
それどころか「中止はない。」と言い続けていました。
前記事 3月22日
東京五輪オリンピックの1年延期はすでに決まっている件
2020年3月25日・・日本がオリンピック延期を発表
3月24日にかけて日本株に大きな買いが入りました。
通常はオリンピック延期となれば日本の企業は損になるので売られて下落はずですが、
アメリカに投資できなくなってだぼついたマネーが、日本株の買いに流れ込んできたのです。
2020年3月25、1万8000円に達したところで、唐突に日本がオリンピック延期を発表しました。
しかし日に日に失速、一週間後の4月2日には1万7000円台に戻ってしまいました。
しかし4月3日の時点で、ロシアとサウジアラビアが減産する見込みが決定すると、アメリカのNYダウはポジティブニュースとして高騰しました。
また世界の為替変動を最も大きく左右するアメリカの雇用統計も発表されました。数字は悪く、ひどいものでしたが、原油の減産合意見込みのニュースのほうが、それ以上に好感されて大幅な下落はなく、高騰したのです。
前記事 2020年4月5日
これから緊急事態宣言ロックダウンが起きる~いつ起きるのか?~
2020年4月6日・・日本が緊急事態宣言を発表
4月の時点で日本以外のすべての先進国では緊急事態宣言(非常事態宣言)でロックダウンをしていました。
貧困な新興国でさえ宣言していました。
残るは日本のみでした。
今まで「しない、しない」と言い続けていたのに、土日が開けた月曜日に唐突に「緊急事態宣言」を出しました。
なぜかというと金曜日の終値が1万7820円だっからです。
緊急事態宣言はネガティブニュースなので、通常は売られるはずです。
しかし金融危機の根底であるロシアとサウジアラビアの減産合意が相まって、アメリカの株価が高騰。
それに釣られて日本の日経平均も1万8000円台を回復しました。
このタイミングを狙っていたのです。
なぜ2020年3月30日前後に緊急事態宣言を出さなかったのか?
2020年3月30日前後もNYダウとアメリカの株価が高騰したのに釣られて、1万8000円~1万9000円を推移しています。
このタイミングでも緊急事態宣言を出せたはずです。
なぜ出さなかったかと言うと、
「五輪は延期に決まったのですが、経済損失分は日本国民の税金から増税して補助金として援助しますので…」と、
首相の上にいる古参の族議員や官僚、関連の大手ゼネコン土建屋にペコペコ頭を下げている最中だったからでしょう。
日本郵政株式会社を通じて「布マスク2枚を全世帯に配布する」という意味不明なニュースや、
他の先進国では当たり前である一律給付金を出さずに「お肉商品券」「お魚商品券」を配るといった
全国民が「???」となる見当違いのニュースが出てきた時期と重なります。
要するに内閣の利権団体に対して、謝罪しながら「優先して援助します」と約束してきたのを武勇伝のようにニュースで流していたのです。
これによって緊急事態宣言を出すタイミングを逃していったのです。
今後の世界経済と注目すべき視点
2020年現在、世界経済は、コロナ、原油価格、ドイツ銀行の3つの因子で成り立っています。
元々はドイツ銀行の破綻ニュースが流れた瞬間にリーマンショック級の暴落が起こり、
これを機にとばかりに、ロシアの原油業界が、サウジアラビア(=アメリカ)の原油業界を潰しにかかりました。
どう潰すかと言うと「増産させて原油の価格を下げる」のです。
原油と言えばアラブの石油王を連想するように、原油は中東のサウジアラビアが牛耳っています。
そこに競争相手が現れて、原油を大量生産しだしたらサウジアラビアや関連のアメリカの石油会社は倒産してしまいます。(実際に何社か倒産しました) それを仕掛けたのがロシアの原油業界なのです。
増産させて価格を下げて、一社潰しては減産させて価格を上げ、また増産させて価格を下げてのループを長期的に繰り返します。
おかげで原油価格は暴落し、原油のエネルギー業界がトップを占めるアメリカのNYダウの企業群も暴落したのです。
コロナによるロックダウンにより外出自粛どころか渡航規制までされているので「海外逃亡したくてもできない」というお膳立てがすべて揃ってのことなのです。
通常ならドイツで中央銀行の破綻となればEUで亡命者が出てもおかしくありません。
コロナのニュースはそれを防止するためのカモフラージュとして利用されています。
なので日本が好感されて日経平均が上がっているわけではありません。
日本政府は日本人の感染者数なんてどうでもいいのです。
日本の御上が見ているのは、大手企業の株価である日経平均株価。
それにダイレクトに影響を与える原油価格とNYダウです。
原油価格とNYダウがポジティブニュースで下落した時に、日本ではオリンピック延期や緊急事態宣言のネガティブニュースを出しているだけです。
決して、日本の景気が良くなっているわけではないことを知っておきましょう。