祖母が経鼻栄養も末梢点滴も無理で中心静脈点滴TPN(IVH)(首に点滴)でフルカリック1号輸液へ移行しました。
軽度認知症から7年、現在は要介護5で寝たきりで、声をかけても刺激を与えても目も開きません。

嚥下困難、経管栄養、点滴になってからの余命は?人間は何年生きるのか?


なぜ事前に余命を知っておく必要があるのか?

こんなことを書くと不謹慎で薄情と思われるかも知れませんが、実際には
・患者本人も将来どうなるか分かれば対処しやすい。
・家族も未来の見えない不安が長続きするので、心理的・経済的負担が大きい。

このような理由でしっかりと事実を知っておく必要があります。

栄養ケア3年後の生存率(約)

経口摂取可能→80%
困難→50%

普通食→80%
治療食(粥食)→60%
経管栄養→50%
IVH(TPN)→半年後に30%

誤嚥なし→80%
時折→50%
頻繁→30%

十分な経口摂取→85%
中程度→70%
不十分→30%

(参考)
高齢者終末期の医療連携―特に栄養ケアの連携 … – 葛谷雅文 2009
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/46/6/46_6_524/_pdf

つまり、

・食べれるうちは先3年以上は生きる
・頻回に誤嚥していると3年先に70%死ぬ

・食べるのが困難になると3年先に50%死ぬ

・経管栄養になると3年先に50%死ぬ
・中心点滴栄養になると半年後に70%死ぬ

年齢と疾患状態にもよるけど、統計論文的には簡潔にこのような感じです。


転換期となる出来事

際の臨床では、経管栄養しながら末梢点滴したりと組み合わせるので年単位での誤差は生じることはあるが、

入所や入院してから
・誤嚥するようになった
・口から食べるのが無理になった
・経管栄養になった(+末梢点滴)
・中心静脈点滴栄養になった

は生存率の節目として見ることができる。

参考:私の祖母の事例(アルツハイマー病認知症、基礎疾患なし)

2014年→難聴から軽度認知症(日常生活動作ADLが困難になる)。
2015年→医師の勧めでグループホームに入所。
2017年→歩行困難。車椅子。かろうじて家族のことは覚えているが会話不能。
2018年→ほぼ寝たきり全介助。相手のことも誰か分からなくなり会話不能。
2020年→経口摂取困難にて入院施設へ移動。声には反応する程度。
2021年夏→経鼻経管栄養へ。声をかけても刺激を与えても開眼せず。
2021年末→末梢点滴を追加。
2022年→上下肢から血管選択不可。中心静脈TPN(IVH)へ。
追記
2022年夏→死亡(TPNから7ヶ月後)

ここから先は同意書で延命治療を選択していると鎖骨下静脈や大腿静脈血やCVカテーテルや呼吸機管理といった延命に向かいますが、
積極的延命は希望しませんでした。