なぜワクチンは1.8mlという半端な容量な容量なのでしょうか？
なぜ0.3mlずつ吸える「特殊注射器」を使わなければならないのでしょうか？
これらの制限があるせいで迅速な接種が遅れているのです。
通常の注射器ではファイザー製のワクチン1瓶で5回しか接種できない。6回接種できる「ローデッド品」と呼ばれる特殊な注射器を製造するメーカーは、国内ではニプロなどに限られている。
ワクチン6回接種の注射器、ニプロが増産 月数百万本に 2021年2月17日 19:42
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHD17AIU0X10C21A2000000/
結論から言うと
・製薬会社が儲けたいから
です。
本当に迅速に提供したいのであれば既存に広く出回っている注射器に薬品量を合わせて販売すればよかったはずです。
・病院で一般的に使われている低用量の注射器（シリンジ）は1.0mlと2.5mlのものです。
・わざとワクチンを1.8mlという半端な容量の数字で売り出して、0.3mlという半端な注射器を特殊注射器などと称して売りに出しているのです。
「いや！0.3mlの特殊注射器はすごいんだ！先端の隙間に空気が入りにくいように改良してあるんだ！」
と擁護なのか意味不明なことを言う人がたまにいますが、
それだったら最初からワクチンを2.1mlで販売すれば、広く出回っている1.0mlの注射器できっかり0.3ml吸えます。
ワクチンのロスも減ります。注射器の医療廃棄物も減ります。
なぜ不自然に規格外な薬品の容量の方に問題があると思わず、新しい注射器を崇拝するのでしょうか。
元々2.0mlバイアルの中身をわざわざ0.2ml減らして販売しているので、逆に0.1ml増えたところで何の手間もかかりません。
1.8mlで販売したことで注射器という医療廃棄物が増え、特殊注射器が手に入らないので余計にワクチンのロスを増やして迅速な接種を妨げる要因になっています。
浄水器やプリンタのカートリッジみたいな抱き合せの売り方
特殊注射器は浄水器やプリンタのカートリッジみたいな抱き合わせの売り方に似ています。
いや、浄水器やプリンタならメーカーさえ合えば適合することもあるのでそれよりたちが悪いです。
正直、特殊注射器があったとしても、6回きっかりで毎回毎回確実にバイアルから0.3ml吸い出せるのに自信のある医療従事者はいないでしょう。私でもそんな自信はありません。
絶対に余るか足らなくなります。
アンプルではなくバイアルなので一滴余ったり、バイアル内が陽圧になりすぎたりして、吸い出せずに諦めて破棄する場面が絶対に出てきます。
（絶対にこんなマニアックな現場事情はニュースにならないでしょうが）
これは医療従事者の腕が悪いわけではなく、バイアルの構造上、きっかりと薬液を吸い切るのは難しい場合は必ずあります。
ファイザーの他の商品は2.0ml
そもそもワクチンが1.8mlという半端な数字で売り出してるのがおかしいのです。
既存の注射器は1.0mlか2.5mlの注射シリンジ単位で病院で使われています。
バイアルで同じファイザー社製品のプレセデックスは2.0ml。
エスラックス（ロクロニウム）も2.5mlか5ml。
ブリディオンも2.0mlか5mlです。
このように薬品は1.0mlか2.5mlの倍数の単位で売り出されるのが普通の規格です。
明らかに注射器と抱き合わせ商法ために「「1.8mlのワクチン」を「0.3mlの特殊注射器」で」とズラしているのです。
別に抱き合わせ商法が悪いとは言いませんが、「ワクチンを迅速に接種するように」と言いながら、明らかに「遅れるように」「やりにくいように」と製薬会社が先導しています。
ファイザーはかつて租税回避タックスヘイブンで叩かれた
ファイザーは2016年にタックスヘイブンで租税回避しようとしてアメリカ全土で叩かれました。
ファイザーはアイルランドのアラガンを買収して、その後に会社の親子関係を逆転させ、アラガンを親会社として入れ替えることで、9兆円の税未払いを租税回避しようとしたのです。（※１）
そのしわ寄せか、いきなり2018年頃から薬価切り下げ改定でファイザー社製のバイアル2.0mlプレセデックスという薬価引き下げられた（つまり間接的に非推奨される）という出来事がありました。
プレセデックスは鎮静剤として有効に使用されていたのですが、大人の事情でいきなり消されてしまったのです。
ファイザー社はこの2.0mlのバイアルを消された巻き返しでわざわざ違う規格のバイアル製造して動いているフシが強いのです。
（※１）
ファイザーは合併計画断念 米、「抜け穴」規制 毎日新聞 2016/4/6 20:50
https://mainichi.jp/articles/20160407/k00/00m/020/105000c
