2021年1月3週目の感染症情報と今後についてまとめます。


なぜ公立・公的病院に集中するのか?

野球で例えるとホームベースだからです。
主にそこに専門スタッフや治療設備があります。
打たれた球は最優先でホームベースに送球するのが普通です。

日本の人口当たりの病床数は世界有数の上、感染者数は欧米諸国に比べてはるかに少ないのに、なぜか。専門家は、患者が一部の公立・公的病院に集中している点を理由に挙げる。

国内の病院の七割を民間が占める点を指摘する。厚生労働省によると、昨年十一月時点で、重症患者に対応できる急性期機能を備えた全国約四千二百病院のうち公立は71%、日赤などの公的は83%が「受け入れ可能」としたが、民間病院は21%。民間病院は二百床未満の中小が多く、院内感染や風評被害による経営へのリスクから慎重にならざるを得ない。

→医療逼迫なぜ コロナ治療、公立・公的病院に集中 中日新聞 2021年1月15日 05時00分
https://www.chunichi.co.jp/article/185646

これらのことは前記事でも触れたので割愛します。

(参考)
なぜICUは全国約17000床あるのに重症者600人でひっ迫するのか?指定感染症を外すと解決するのか?

日本のコロナ対策病床「わずか1.8%」、世界トップ級の病床数でも逼迫する理由 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/258111

実際に医療崩壊が起きている

実際にすでに医療崩壊は起きています。

「医療崩壊」という定義のあいまいな言葉を安易に使うことは避けてきました。しかし必要な医療を受けられない人が出る状況が起きつつあるのを肌で感じ「医療崩壊」

コロナ専用病棟の医師が、本当は使いたくない「医療崩壊」を語る理由 感染拡大のいま、何が起きているのか https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6000e41bc5b697df1a042e13

しかしロックダウンのときと同じく定義がないことを良いことに「起こらない」と「言い逃げる」人たちがいます。

ただ今回のケースは医療崩壊していると言ってしまったほうがいいです。

なぜなら言わないと
・コロナ以外の人が医療にかかれないことを知らないまま、無自覚に無症候性で広めてしまう。
・国への危機感の共有にならないので補償がされない。

からです。

(参考)
「医療崩壊は起こらない」という安全デマを見分ける方法


いまだに「コロナは存在しない」と情報更新できない人はどういう人か?

今となっては「コロナは風邪」「コロナ存在しない」「指定感染症はずせ」「検査するな」「集団免疫GoTo」は、
原爆被災者や震災被災者の死体を蹴りに行くようなものです。それくらい頭が悪い上に極悪非道です。
同じ日本人かな?とすら感じます。


この世には自閉症の一部症状のように、最初の第一印象と先入観が固定されて一生変わらない人がいます。
最新情報の更新や上書きアップデートがされないのです。

周りから見ると「原理主義で一貫性があってスゴイ」と勘違いして信者がつくことがありますが、更新されないせいで大ハズレの大失敗して巻き込まれるのです。

なぜ弱者を見下して攻撃する人は確実に痛い目を見るのか?

一年前から脳がアップデートされなかった人々

今回のコロナも一年前の当初の「分からない」「存在しないかも」の不明確だった頃の情報を、まだ聖書として信仰している人もいます。

この一年何を学んで来たのだろうかと。

「コロナとインフルエンザが同じだから大したことない」と一年前の情報不足の頃の情報を絶対普遍の聖書にして、
次に「だから指定感染症を外しても大丈夫なんだ」と宗教的な教理にしている変な新興宗教団体には注意が必要です。

未だに今年インフルエンザが減ってコロナが増えた統計的にも明確な違いが認識されていないのです。

一年前、医療者や学者を名乗る人がウイルスの原理を説明しただけで「そ、そうか全てのウイルスは同じ原理!つまりインフルエンザもコロナも同じ!」と
「ボール使うゲームだから、野球もサッカーも同じルール」みたいなことになっていました。

当初は「コロナもインフルエンザも同じとか、そんな詭弁に騙される奴おらんやろ」と正直思いましたが、結構いたのが残念でした。

なぜか総じて年配者に多くいたのは、単に昔の情報から最新情報に上書きアップデート更新されないという、脳みそ化石になる現象だったのかもしれません。(言い方が悪いですが)

問題はその古い意見に一貫性があると勘違いして、原理主義者のように信仰してしまった信者が多々いたことです。

2020年のコロナで予測を「大ハズレ」「空振り」し続けた人々がひどかった

「GoToは感染しない」という謎の新興宗教団体

必死に国が下々(しもじも)の対立に責任転嫁しようとしている

必死に国が下々の対立構造に責任転嫁して持ち込もうとしています。

医師会こと民間病院も割腹を迫られているので、3ndバトルは「国 vs 国民」の正当な民主主義の構図のバトルにしてほしいですね。

厚労省(保健所) vs 病院→公立病院 vs 民間病院へ


民間病院に無理矢理にねじ込んで「臭いものにフタ」をされる

国は特措法改正で民間病院へ行政介入したいのが主目的なので、そこに設備や専門人員がいてコロナ対応可能かどうかなんて考えていません。

民間病院への行政介入で受け皿が増えるのは良いです。

しかし受け入れによる設備投資と減収に対する補填、押し出されるコロナ以外の患者支援がないと無理やりねじ込んで「臭いものにはフタ」で終わります。

これを防ぐためには

①病院の機能に応じた役割分担と相互連携の総合調整
②実費弁償だけでなく減収補填までカバーする財政支援

今の改正案では医療崩壊を防げない〜欠けている2つの視点
https://ameblo.jp/tamakiyuichiro/entry-12650596888.html

の2つが提案として必要です。

予測しておくと良い3ルート

個人的にいつも3つのルートを考えています。

1、「国は〇〇目的でシナリオ描いてるから権益のために日本人の国益にならない〇〇してくるだろうなぁ」で想定できる卑劣な外道ルート。
2、「でも現実はこうなっていくだろうなぁ」というリアルルート。
3、「こうなるといいなぁ」という希望ルート。

これらが乖離するほどおかしさに気付けます。


危惧されるPTSD

状況がPTSDが流行った1995年の阪神淡路大震災の時と同じです。

それまで多くの人が大震災を経験したことなかったので、知らない人は「苦痛を我慢するんだ」「大したことない」「弱音を吐くな」「私は関係ない」「不安を煽るな」と状況を理解されなかったです。

今後の危惧と必要性は
・コロナ患者及び医療従事者と一般認識における病識乖離の統合
・帰省による家族感染症罹患に伴う抑うつに対する心理的介入

です。

患者と医療者と一般認識との病識の違いとコロナPTSDの懸念について