医療者サイドから見るデマの落とし穴

医療サイドから見ていると、デマの「落とし穴」があります。

「あっ、その段階でハマってるのね。」「あっ、まだ最新情報に更新されていないのね。」と分かります。

問題は「一つの落とし穴」にハマったまま見動きとれず、他の物事が見れてないことです。

落とし穴にハマりながら「私は世界の真相を知っている!」と虚勢でドヤるので落とし穴に落ちたまま井の中の蛙になっているのをよく見受けます。

認知心理学のスコトマ(盲点)と言います。

例えば、いくつかのデマを見ていきましょう。

コロナは風邪、インフルと同じ

例えば、
・コロナは風邪、インフルと同じ
→2020年春に流行ったデマ。医療無知向けの言葉遊び。風邪とは「症状」(結果)の「一つ」。どんな「疾患」(原因)にもある。
同じ論理なら、インフルでも骨折でもガンでも糖尿病でも交通事故でも「風邪」です。
機序と特徴が全く違います。

「コロナは単なる風邪」論を一発で論破する方法

布マスクは効果ある

・布マスクは効果ある
→2020年春に流行ったデマ。アベノマスク(布マスク)を2枚配布した偉大さを讃えようと日本政府信者が新興宗教のように盛り上げるも、日本医師会やアメリカの保健省からも注意されて一晩で沈没。
その後、高額な補助金目的でペーパーカンパニーの利権団体が東南アジアの布マスクを安価で配布していたこともバレて2度目の沈没。
「マスクは息の出す時の一方通行だけ効果があるので外からの防御には意味がない」とデマを重ねるも、東大のスーパーコンピューターで検証され、吸気呼気ともに防御効果があり、布マスクは6割も効果が見込めなかったと判明して3度目の沈没。

なぜ日本政府の配布はマスク2枚だったのか?

アベノマスク・布マスクの「ウイルス侵入率は100%」という正しい実験結果

なぜスパコン富岳の「布マスクで効果あり」を誤解する人いるのか?

病院はひっ迫していない

・病院はひっ迫していない
→2020年春に流行ったデマ。都市部の3次救急の大病院に患者が集中したので。地方にいる人は地元の2次救急以下の空きすぎた病院やクリニックを見て勘違いした。

「感染症患者なんて存在しなかった」という妄想を論破する~2020年感染症対策~

コロナは弱毒化している

・コロナは弱毒化している
→2020年夏に流行ったデマ。なんの医学根拠もなかった。実際に冬に、インフルが減って、コロナが増えたことでデマが自明となった。

新型コロナが弱毒化しているという根拠はない

新型コロナウイルス「弱毒化」根拠乏しく

終息のシナリオは?弱毒化してる? 識者に聞くコロナの最新情報

マスコミはわざと感染者数を出して危機を煽っている

・マスコミはわざと感染者数を出して危機を煽っている
→一部その通り。大切なのは感染者数の中の陽性者数。その中の重症者数なので。
しかし感染者数は次に重症者数の候補の母集団の指標になる。
検査数が増えたから感染者数が増えて当然なのと、陽性者でも治っていく傾向が多数なので、治療未確立のうちは潜在者をあぶり出したほうが合理的。

コロナ診断で病院が儲けている!

・コロナ診断で病院が儲けている!
→患者を受け入れると診断すると3万円、受け入れると70万円を支給するという補助金から派生したデマ。
1日の手術だけでも一人500万円~2000万円以上(その他の医療得点報酬を加えるともっと)は稼げるのに、コロナ診断してこの流れを止めるのは、どう考えても割に合わない。

70万円と聞くと「ウワーッ!たくさん!」と勘違いするかもしれないが、平時の病院の患者で回したほうが桁が2つも3つも違う。

指定感染症にしたのが問題

・指定感染症にしたのが問題
→これを戻したところで感染のリスクは変わらず、病院の渋滞も緩和されない。
感染者に入院や移動を規制する2類以上の措置を説いて、インフルエンザと同じ5類指定にしたところで、治療法が確立される前にやったところで、感染力が減るわけではないので現場対応も変わらない。
例えるなら、期末テストの問題が難しかったから、次は簡単にしたところで、別に現場の生徒の学力が上がるわけではないのと同じ。

他の感染症にも罹患するリスクの高い+病院が混雑する時期に指定から外すのは確実に悪手。

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