「私、それ嫌い!」な自己愛性アスペルガー

心理学・精神医学

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「私それ嫌い!」

カウンセラーの友人が教えてくれた画像。

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元画像を探しても分からなかったので引用元が分かりませんが、

明らかにアスペルガーの行動を漫画化して風刺しています。

共感する人が多いようで、たくさん派生コラージュが作られているようです。

とても優れているので、元ネタや作者を知りたいものです。

「私それ嫌い!」と行ってしまう自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)やADHD

まず最初の4コマ。

いきなり来て「私それ嫌い!」と言っています。

間違いなくアスペルガー的な行動です。

同じ自閉症スペクトラム障害でADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向もあります。

ただ、全くの他人に言いに行ってしまうのはアスペルガーらしい行動です。

いずれにせよ自閉症スペクトラム障害の行動です。

詳しくは過去記事で書きました↓
一瞬で壊れる世界。アスペルガーはムンクの叫び(自閉症スペクトラム障害)
https://libpsy.com/asperger-the-scream-edvard-munch/4796/

自閉症スペクトラム障害とは?

アスペルガー障害とは自閉症スペクトラム障害の一です。

自閉症スペクトラム障害の自閉症状の典型的(定型)として
1、コミュニケーションの欠け(言語障害や言語遅滞など)
2、社会性の欠け(独自のこだわり、理由なしに嫌がったりなど)
3、想像力の欠け(表情からの気分の読み取り、場の雰囲気の理解、共感能力の欠如など)

「知的障害者ではないけど自閉症の人」のうち、
1~3の全てに当てはまらないが、
どれか1つか2つは当てはまる非典型的(非定型)な自閉症を「アスペルガー症候群」と呼びます。

過去記事↓
アスペルガーの診断が消えたと話題に
https://libpsy.com/aspe-dsm5/908/

自己愛性パーソナリティ障害の行動

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ただ2つ目と3つ目の4コマ以降は、アスペルガーに典型的とは言えません。

自分でアイスクリームを買いに行って、他人のせいにしています。

勝ちか負けかにこだわっています。

そして反論したら攻撃しています。

これは

自己愛性人格障害の典型的な行動です。

過去記事↓

自己愛性人格障害とは「過去で時間停止した人」
https://libpsy.com/narcissus-jikoai/4721/

誹謗中傷嘲笑にかけては超一流の自己愛性人格障害
https://libpsy.com/narcissus-hibou-chuusyou-tyousyou/4520/

神経症→人格障害→精神病の認知の変化まとめ
https://libpsy.com/shinkeisyou-fuansyougai-jinkakusyougai-seishinbyou/4794/

「自分の現実こそ、全人類が知るべき唯一の現実」

自己愛性パーソナリティ障害の「自分の現実こそ、全人類が知るべき唯一の現実」になってしまっています。

その現実を全知全能と時間停止します。その現実を保守しようとします。

保守するために他人を攻撃しだすというわけです。

他人に強要するので無茶振りな非現実的欲求になります。

すでに自己愛性人格障害を超えて、双極性障害(躁うつ病)の「躁状態」で、
「反論に対してすぐに怒りだしてしまう」という状態まで症状が進行しているのが4つ目の漫画で見て取れることができます。

発達障害と人格障害は明確に線引きできない

ただ実際に、
自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)あるいはADHDのような発達障害か、
自己愛性パーソナリティ障害のような人格障害か、は
診断で明確に線引きできるものではありません。

片方の場合もありますし、発達障害の基礎の上に人格障害が乗っていることもあります。

どちらも幼少期に原因があるのは同じです。

しかし、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)のような発達障害の場合は、
先天的な脳神経の器質的な原因も少なからずあれば、家庭環境の場合もあります。

自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体

キレる私をやめたい~夫をグーで殴る妻をやめるまで~

確実な線引きはできません。

発達障害ではなく愛着障害の可能性

発達障害とよく見間違えられるものに「愛着障害」があります。

確実に言い切れないのは、

発達障害ではなく、単純に「愛着障害」である場合もあるからです。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

「人格障害」になると、「自我」が発達し始めた思春期以降になります。

人格がまだ未発達の、小児(12才頃まで)の時期で人格障害とは診断されません。

せめて18才以降です。

自我がまだ成長途中の可能性があるからです。

発達障害と人格障害をパーセンテージで考えること

よって、

自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)を基盤に、自己愛性人格障害を併発していることはよくあります。

自閉症スペクトラム障害というスポンジの上に、自己愛性人格障害というホイップクリームをデコレーションするように。

この場合、

発達障害が6割、人格障害が4割

とパーセントの割合で考える必要があります。

発達障害→自己愛性人格障害→躁病

と4コマごとに病状の悪化を示している見事な漫画でした。

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