相模原障がい者施設殺傷事件にて、国を憂う愛国者を自称して、財政負担軽減させるために重度障害者を殺傷しました。
当時のアメリカ大統領のトランプのメキシコ人排斥にも共感し、日本の安倍首相に対しても共感するような内容で書簡を出していました。
犯人は典型的なネット右翼でした。
障害者の殺傷の動機は、日本の財政負担軽減のため。
かつてナチス・ドイツでヒトラーが、ゲルマン民族が優れているという優勢思想に基づいて、障がい者を集めて大殺傷するというT4作戦(テーフィアさくせん)がありましたがほぼ同じです。
国の借金1000兆円という言葉と相模原障害者殺傷事件ー社会に染みつく財源不足と障害者差別の意識ー(藤田孝典) https://t.co/hUYzU6XqHS 国を想い財政負担軽減のために、重度障害者を殺傷した被告。「国を想う愛国者」は差別を助長し、人々を排斥する役割を果たしてはいけない。
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) March 16, 2020
日本人の借金1000兆円というウソを信じてしまっていた犯人
相模原障害者施設殺傷事件では犯人は「日本人の借金1000兆円」を信じていました。
これは国債の話であって、日本国が日本国民から借りているお金のことです。
例えるなら、家の中で父親が、息子からお金を借りているようなもの。
本来は、父親(日本国)が、息子(日本国民)に返さなければならないお金が、1000兆円あるという意味です。
すなわち、日本の国債で1000兆円以上の借金ということは「日本国民に1000兆円以上もお金を給付できる余裕が日本国・日本政府にある」ということ。
犯人は大雑把にでも展望できればまだ良かったです。
憂うべきことは、これが医療福祉どころか、日本人にさえ配分されず、まだ足らずと増税し、過労させ、官僚の給料と大企業の補填とアメリカ様に献上していることなのです。
税金による増税で自分たちの給料(税金)を上げるために、借金1000兆円とウソを広めた日本の財務省の責任は重いです。
日本人は税金を取られることに慣れすぎた~小さな政府にして大きな福祉の実現を~
医療や福祉は労働生産性がないので排斥・差別してもいいのか?
ポイントとして、犯人自身も福祉職員であったことです。
私自身も医療・福祉職であり勤務経験もあります。
福祉職員は低賃金です。
なぜかというと基本的に医療や福祉には工場のような生産性がありません。よって国の税金(補助金)で経営するので、交付されるお金に限界があるからです。
医療や福祉は生産性がないのに意味があるの?と思うかもしれませんが、あります。「生産性のない人、一時的になくなってしまった人を助けている」のです。
例えば、レーサーのサーキットをイメージしてください。
ピットと呼ばれる車両を整備する場所があります。レース中にそこに入ると、大急ぎでピットクルーが、タイヤ交換したりして車を整備してくれます。
医療や福祉職はそれと同じです。
サーキットのレーサーが一般的に社会で働くサラリーマンなどの一般労働者。
サーキットのピットクルーが医療福祉の従事者です。
もしピットがないままレーサーがサーキットをやったらどうなるでしょうか?
故障やクラッシュをしたらレースに復帰できません。
ナイチンゲールが登場するクリミア戦争の頃、1850年頃までは負傷した人(軍人)はもう放っておかれて死ぬだけだったのですが、直して修理して再度レースに参加したほうが全体の経済効率が良いと証明されました。
医療や福祉職は「本来ある力」を失ってしまった場合に、それを支援・整備して助けています。
同時に、「どこを整備すれば、また走れるようになるだろうか」と発見・発掘することも医療福祉職の役割です。
医療や福祉、障がい者を切り捨てれば生産性が上がるという前時代的な発想
いまだに「障がい者は労働生産性がないので、排斥すべき、差別すべき」というヒトラーと同じ発想で古い時代に生きている人がいます。
この理論はとっくの昔に否定されています。
例えば、イギリスの経済学者デヴィッド・リカードの比較優位論で考えてみましょう。
アインシュタインはパソコンのキーボードを打つタイピングが速いことで有名です。
アインシュタインの秘書よりも速いので、秘書を排斥してクビにすればもっと速くなるか、というと違います。
むしろその仕事を秘書に任せて、自分は他のことをしたほうが生産性が上がるのです。
アインシュタインはタイプにおいて秘書より比較的に優位ですが、アインシュタインにも時間と労働の制限があります。
それを秘書に任せた方が、全体的な生産性が上がるのです。
これは雇用でも、障がい者でも同じことが言えます。
障がい者が比較優位を発揮できるような、仕事を開発して、社内分業して、組織内で分業を進めれば、効率や付加価値が向上するのです。
障害者の経済学
ネガティブになると権威バイアスに洗脳される
自身がネガティブになると、そのネガティブな心に依存先を求めます。
権威バイアスと言います。
新興宗教だったり、日本政府だったり、官僚だったり、有名人だったりします。
それが救いになればいいですが、自身の動機がネガティブであれば、そこに精神病的な二分法思考を持ち込んでしまい、善と悪で、敵を作って攻撃しようと発想してしまいます。
相模原障害者施設殺傷事件の犯人も同じような心境だったでしょう。
すでに日本は北欧の福祉国家以上の重税な国です。
なろうと思えば、増税どころか、減税しながら、福祉国家になることができます。
もし犯人が、冷静に、本当の情報を見極めることができていたら、こんなに痛ましい事件は起きなかったろうと感じます。