よく「聞いてないことを言ったことに、言ってないことを言ったことにされる」ということがあります。
「人のせい」とか「冤罪(えんざい)」をかける人はどういう心理なのでしょうか。
実は「自分は悪くない」という防衛機制が強すぎるゆえに、
自分を守るより先に「相手の悪さを証明すれば自分が良くみせれる」という行動につながり、攻撃ばかり加えるのです。
その攻撃の標的になるのは、本当に悪いことをした人ではありません。
攻撃対象は、
相対的に「自分より弱そうな人」「言っても逆らわなさそうな人」なのです。
「弱そうな人」だけが狙われるホットポテト
これを「ホットポテト」といいます。
「ホットポテト」とはアメリカの遊びです。
熱々なポテトを集団で回していき、音楽が止まった人のところでそれを食べるという子どものゲームです。
日本で言うと「ハンカチ落とし」と同じです。
ハンカチ落としでは「ハンカチを落とされる人」は実は決まっています。
「落としても逆らってこなさそうな人」です。
逆に、
いじめっ子がハンカチ落としに混ざっていたら、いじめられっ子はその人にわざわざ落とさないでしょう。
親会社の上司がハンカチ落としに混ざっていたら、下請け会社の部下はその人にわざわざ落とさないでしょう。
「弱者」を攻撃する人の心理
「逆らってこなさそうな人」には攻撃する。「逆らって来るような人」には攻撃しない。
動機が「防衛」「守り」という一種の「自分の弱さ」なので、「強い人」には向かないのです。
逆に、年下、部下、後輩、貧困者、高齢者、子ども、障がい者、異性など「弱者」「弱い人」に対して、まるで自分の親でも殺されたような憎しみを持っていじめていじめていじめ抜きます。
「自分の弱さ」が動機にあるので、自分より弱い者に自分を投影し、差別・迫害することで心理的安心を得ようとします。
そもそも幼少期からの安全基地(安心できる親)がなく人間不信なのです。
本人はそれだけの犯罪的にいじめ抜く攻撃性を出していても、「私は被害者だ」という被害妄想が「私は悪くない」という発想を作ります。
被害妄想から責任転嫁→非現実的な被害妄想へ
そして「責任転嫁(せきにんてんか:人のせいにすること)」の行動が強化されて、いずれ妄想の域にまで達していきます。
早朝の寝起きが悪いのはあいつのせいだ、
家の前にある石ころはあいつが仕掛けたんだ、
このミスはあいつが事前に私を陥れるために仕掛けていたんだ
私が沖縄で交通事故にあったのは北海道の住民のせいだ
など、
バタフライ効果(※)も甚(はなは)だしいほどのアクロバティックな非論理的な考え方をします。
※バタフライ効果・・一匹の蝶のはばたきのせいで地球の裏側でタイフーンになったなど
当人の被害主張は根拠もなく非論理的。
なのに言い返せば、
「私を誰だと思っているんだ」
「言い返してお前はどうなると思うんだ」
「私を怒らせるとどうなると分かってるのか」
「世間ではそれは通用しないことだ」
「やる気が足らないからそういうことが起こるのだ」
などと全く的を射た答えになっていない返答をされるので
こちらは「???」となるのです。
内容をよく聞くと、「社会的地位」や「周囲」など、
「私がどう思うか」ではなく「それをやって私が周囲にどう思われるか」ということばかり。
だから
「お前のせいだ」
「お前は~しろ」
「私は悪くない」
ということが全面に出ているのです。
思考回路が幼稚すぎて分かりやすいのです。
相手にする側としては、
認知症の痴呆症状なのか、
精神病で非論理的な思考なのか、
どちらにしても何らかの病人としてしか見えません。
自己愛アリ地獄のエサにされる優しい人~「小さな物語」という蟻地獄~
対処法
こういう人には「カウンセラーモード」で対応するしかないからです。
なので対人関係に慣れた人は、このような人たちを許しません。
生活歴を察して共感までできても、支持できないからです。
犯罪的に他人を虐めて貶めているので、行き過ぎたことは社会のルールで社会的な制裁を受けていただきます。
「かわいそうな人だな、許してあげよう」
・・なんて思ってはいけません。
「かわいそうな人だな」と思うところまでは同情として大切なことですが、それで同じように見下しているだけだからです。
言い返されようとも「恐縮ですが伝え聞いておりません。」と
相手の妄想攻撃をそのまま受け入れないことが大切です。
いつだって被害にあって心理的な負担になるのは、
「何を言われたか」ということではなく
「ひどいことを言われたのに反抗できなかった」ということだからです。
逆に一言付け加えるようになれば
「なるほど。あなたが怒るとどういうことが起こるんですか?」と、相手のことを聞こうとする心理的余裕も出てきます。
また
「なるほど。分かっていただけなくて残念です。そういう不躾な物言いをすると周囲からの評価が下がると感じますよ。」
と相手が最も気にしている「周囲からの評価」という言葉を入れてショック療法で気づかせることが大切です。