「早く独立しなさい!」「早く家から出なさい!」と言われて育っていませんか?

日本ではなぜか実家ぐらしを責められます。

昭和以前はむしろ実家から出ていったら「親を見捨てている!」「親不孝者!」と言われたのに、
昭和中期頃から「早く自立しろ!」「家を出て独立!」「子供部屋おじさん野郎!」と言われるようになりました。

なぜこんな真逆のことになったのでしょうか?

それはあなたが悪いのではなく、社会の価値観が変わったからです。

悪いのは社会と、その価値観の変化に気づかずにいまだに「自立」「独立」と洗脳している親です。


サザエさん型の家族からクレヨンしんちゃん型の家族に

サザエさん型の家族から、クレヨンしんちゃん型の家族になったためです。

サザエさん型の家族は、マスオさんと波平さんだけが働いて、それにサザエ、船、カツオ、ワカメ、タマまで、2人の労働者に5人も寄生(パラサイト)しています。

もともと高度経済成長頃の日本の働き方はこうでした。
また東南アジアでもこのような働き方です。(よく東南アジアで嫁をもらうと東南アジアの親戚の分まで働いて面倒見る羽目になるというのはこれがためです。)

それから昭和後期からはクレヨンしんちゃん型になりました。

クレヨンしんちゃん型は、祖父母とは別居で、父のヒロシが働いて、母のミサエがパート。そこにしんのすけとひまわりとシロがいます。

この形になったのは不動産屋と家電屋の結託したマーケティングがありました。

高度経済成長期以降、不動産と家電屋は「もっと家や家電が売れるにはどうしたらいいか?」を考えました。

不動産は「家族が離散して、家を分解してしまえば家が買われて売れる!」と考えました。

家電屋は「家族が離散して一人暮らししてくれれば、冷蔵庫も洗濯機も一人ずつになって売れる!」と考えました。

広告代理店もテレビも新聞もスポンサーとして日本人にそう考えて行動するように洗脳しました。

家族に対して、家一つ、冷蔵庫・洗濯機一つと売るのではなく、個人にも売り込もうとしました。

そのため「独立して一人で暮らすのはかっこいい!」という洗脳をしたのです。

日本だと不動産屋と家電屋が高度経済成長時代からバブルにかけて、サザエさん的な家庭を崩壊させていきました。

家族全員が独立一人暮らしすれば不動産屋の売上は二倍、家電も買い揃えれば二倍になるので。

もともと古来より日本人に自立の思想や伝統なんて微塵もありません。

サザエさん型の家族に戻っていく日本

実家ぐらしを責められるのが嫌でも「一度だけ離れて戻ってくる」と責められない謎

一度は一人暮らしを経験して実家に戻ってきたり、海外で一人暮らしして実家に戻ってきたのはなぜか責められません。

「一人暮らしを経験したんだねぇ」と言われるだけです。

不思議なものです。

なぜ二度目は責められないかと言うと、「実家ぐらしはいけない」という多数派である高齢者層が「私達の苦しみを知れー」という不幸の押しつけでしかないためです。

一人暮らしすることに伝統なんてないので「体験すればOK」で終わりです。

その証拠に「実家で一人暮らしの独居老人は責められません。それどころか同情される。」のです。
この矛盾したおかしさ。

もし一人暮らしの素晴らしさを説くなら
「一人で孤立する老人も自立してえらい!」
「みんな独居老人を真似しよう!」でしょう。
問題視するどころか孤独死も礼賛して崇拝されるべきです。

なぜ高齢者には一人暮らしが推奨されず、若者には一人暮らしが推奨されるのでしょうか。

この矛盾が、元は高齢者の傲慢と、その傲慢を正当化するための若者への洗脳であることが分かります。

ずっと実家暮らしは責められます。

しかし一人暮らしして貯金がたまらないこともなぜか責められるのです。

なので、一人暮らしを責められ、子供部屋おじさんと呼ばれるのが嫌なら、数週間でも数ヶ月だけでも、どこかに住み込んだり、旅行に出れば良いのです。

それで実家に戻ってきて「前は一人暮らししていました」という体(てい)だけとって言えるようにしておけば、世間体だけはとりつくろえます。


月収10万円台で家賃8万円近く払って都会で暮らそうとするコスパの悪さ

現在の20~40代の月収は手取り10万円台がほとんどです。
今は終身雇用も年功序列もないので、年間の昇給幅も2000~3000円程度。
責任と労働時間が増すだけで、給料も上がらずに割に合いません。

よく日本人の平均年収は800万円!とか発表されますが、それは60代以上の上の層が極端に多いので、平均値にした時に上がってしまうだけです。
「うわっ自分少ないな・・」と思って騙されてはいけません。

また所得税や住民税や介護保険税も引かれていません。4割以上は税金で国の官僚様の豪遊費として献上しているので、実際の手取りはもっと少ないです。

それで「若者は都会で自立だ!」「目指せ!夢のマイホーム!」という老人の言葉に惑わされて、劣等感をかきたてられて家賃8万円近く払って都会で暮らそうとするのが恐ろしくコストパフォーマンスが悪いです。

今はインターネットの時代で、都会に行かなくても物は手に入ります。

娯楽もイベントもインターネットのほうが盛り上がります。たまにイベントに都会に行く程度でいいのです。

都会に暮らしていては貯金が貯まるわけもありません。

アメリカでも実家ぐらしに戻っている

2008年リーマンショック以降、欧米でも「ブーメラン世代」という実家ぐらしが主流になりました。

「自立!独立!」という時代ではなくなりました。

思い出してみてください。

世界で一番、自立を至高とするリバータリアンでさえ、象徴作である「大草原の小さな家」で「家族」で行動しています。

別にアメリカの独立思想と、一人暮らしする独立は、全く関係ないのです。

精神的に人間として独立していれば良いのです。

「自立/独立」という名の宗教


10人に1人は引きこもりである

対象年齢に占める「ひきこもり」比率は8.74%、男性が女性の約2倍で、40歳以上が半数ちかくにのぼることも明らかになりました。

内閣府が40~64歳までのひきこもりを約61万人と発表し、40歳未満の約54万人と合わせて全国で100万人以上になったことに驚きが広がりました。

日本の世帯数は5042万5000世帯(2017年)です。
引きこもりが500万人います。

つまり500万世帯の引きこもりがいることになります。

日本人の10人に1人は引きこもりなのです。

彼・彼女らは真面目な人が多く、社会や職場で不遇な仕打ちを受け、社会への恐怖から距離を取ろうとしている人がほとんどです。

大手銀行でさえ40代で人件費削減のために早期退職を勧められる時代。

やむを得ず離職して働く場所がない人もいれば、死ぬ直前まで追い詰められる過労のパワハラで耐えられなかった人、親の状態が悪くなって介護離職する人がほとんどです。

引きこもりの実態を知ると、マスコミやメディアの悪いイメージに乗せられて「自己責任だ」「何か悪いことやったんだ」「やる気が足らなかったんだ」「不真面目なんだ」と叩く人の持つイメージと、事実は真逆であることが分かります。

また引きこもりにならざるを得なかった人にとっても、マスコミ等で引きこもりを叩いている人が持つ引きこもりへのイメージが「まるで当たっていない」ので「トンチンカンなこと言っているなぁ」とそよ風が通り過ぎるように聞き流していればいいです。

【ひきこもり】長期的な社会的孤立に追いやる社会環境こそが諸悪の根源

川崎市・児童20人無差別殺傷事件と練馬区・官僚息子殺人事件は表裏一体の関係

また実家で家族型に戻っている

リーマンショック以降は会社が終身雇用年功序列という家族的に養ってくれる雇用の神話も崩れたので、現在はむしろサザエさん型の家族に戻ろうとしている最中です。

サザエさん型家族を否定して自立一人暮らしを史上とした高齢者世代には認めがたい現実でしょう。

ただ昔と違うのはITによる情報の普及です。

昔のように物理的で近接的なコネクションがなくてもいいです。ネット送金できるからです。

昔は同じ場所で固まっていないと、お金ももらえないし、食べ物も共有できませんでした。

しかし今はネットでどこでも送金できてしまいます。

なので家族のカタチが血縁でなくてもいいのです。

シェアハウスでも、ネット家族になって困っている人がいたら助け合う形になります。
なので物理的な場所はどこでもいいのです。

よく「東南アジアの奥さんをめとると大変」と言われるのは、奥さんの後ろに現地の家族と親戚がどわっとセットでやってくるからです。

何十人もの東南アジアの家族を1人で養うことになります。

今は日本人も海外での一獲千金玉の輿専業主婦を目指して、東南アジア型になろうとしています。