機内でドクターコール対応した話

機内で乗客が倒れて「この中に医師か看護師の方は…」なドクターコール場面に出くわして、近くの座席すぎて、まさか自分がやるとは思いませんでした。

医療者は無力であることを思い知る

飛行機内でドクターコール状況あった場合、
患者さんは意識なく、検査もなく原因も確定できないので、同行の家族から処方や既往歴の情報収集して、推定は出来るものの、
機内に使える資源なんてほとんどないすぎるので選択肢が少なすぎます。

80%の人は安静か経過観察しかしない

あとで他の医療者はどんな対応したのだろう?
と体験談を調べてみたら「80%は安静か経過観察しかない」
自分もほとんどそうだったので、納得でした。

医療コラム『航空機内のドクターコールで問われる医師の法的責任は?』 
http://www.iryoukago-bengo.jp/article/15648986.html
機内ドクターコールに応じた医師200人(26%)が実施した処置は,安静を保つが52%,経過観察が33%,内服薬,外用薬使用が17%,注射薬使用が10%

行動の全てに根拠がない

機内でドクターコールがあった場合、医師や看護師が取る行動は経験者のアンケート通り80%は経過観察か安静するしか選択肢はないです。

そもそも機内に使える道具がないのです。あったとしても確信は持てないので行為のエビデンスが担保されないからです。

そもそも機内で仮にバイタルと内服薬から推定できたとしても、確定できないなと、それに対して何が出来るかのリソースがない。選択肢が少なすぎるのです。
頭の中で疾患関連図が何枚かレイヤーで重なってきたが、最も平凡な選択肢しか使えません。

何をやったとしてもクリティカルに「それが正解」にならず、
最も平凡な方法で当たり障りなく対応するが「それだけ?」となり
何かすれば「他の可能性は?」となり、その可能性をやっても「他の可能性は?」で何やっても間違いでキリがないです。
検査がないので「分からない」ので行動の不確定要素が高いです。

「具体的にどう対応したか」を日本では言えない雰囲気

なのでむしろ「緊急時にどんな対応をしたか」を具体的に言うと、
事が終ってから「あれが悪い、ここは悪い」と救助した人の良い動機自体も否定してくる第三者の自称医療警察がやってきて善人の善意をボコボコにして来るので、言わない、書かない方が良い。

「対応した」オワリ。これでいい。

ドヤって言うほどのこともないです。

救急救命の選択肢以前問題

例えば、救急時に「駆血」が先か、「輸血」が先かで、どっちかやってしまって、どっちかが置き去りされるという、あちらがたてばこちらが立たずな問題がたまにあります。

基本は輸液が先ですが、輸液した結果、悪化して、結果的には駆血したほうが良かったこともあります。
しかしその場ではそんなこと分かりません。

救命の場合は、バイタル測定をやった結果の判断ですが、測定検査すらないのならそれ以前の問題です。

これは精神病理にもあり
「上書きするか」「忘却するか」
未来へ新しく更新させるか、
過去の古いものを削除するか、
どちらかなのですが、精神病理では両方をやるほうが隙がないです。
コーチングとカウンセリングの差にも似ています。

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