なぜ京都アニメーションへの支援金は社長の当座預金なのか

政治経済・近代学問

2019年7月18日のガソリンによる京都アニメーション放火殺人事件での支援金が始まっています。私も及ばずながら支援させていただきました。

ご支援の御礼とご案内
http://www.kyotoanimation.co.jp/information/?id=3075

さて少し気になったのが、振込先の口座が

<株式会社京都アニメーション 支援金預かり専用口座>

銀行名 京都信用金庫
銀行コード 1610
支店名 南桃山支店
店番号 048
口座種別 当座預金
口座番号 0002890
口座名義 株式会社京都アニメーション 代表取締役 八田英明
※ 表示名「カ)キヨウトアニメーシヨン」

であることです。

信用金庫でいいのか?

京都アニメーションは非上場の株式会社なので、寄付や献金や義援金と言ってお金は集められないので「支援金」という名目で集めています。

しかしなぜ信用金庫に?

と感じました。

京都アニメーションはジブリと双璧を並べるほど世界的にも有名なアニメ制作会社です。

あまり表立って「京アニ大好き!」という人が少ないのは「感動作品が多いから」です。

自分の本質に迫る作品が多いので、世界観が崩れないように「心の内にそっと秘めておく」「プロ同士多くは語らない」傾向が生まれています。

そんな人気の京アニが、京都の地方の信用金庫にお金を集めてはパンクしてしまうのではないか?
と不安に思いました。

おそらく京アニは京都信用金庫から資金繰りしていたと思われます。

このままでは2019年度以降の自己資本比率が悪化してショートします。

なので社長が債務免除益で赤字通算することで自己資本比率の改善をするつもりなのでしょう。

銀行への心証を慮れば、個人→京アニ贈与を信用金庫にした意味も察するのです。

一般社団法人や財団法人を作ってはどうか?

規模が大きすぎるので、

京アニが寄付向けに一般社団法人や財団法人を設立してはどうか?

とも思いました。

しかし公益社団法人化させるのにも時間がかかるのです。

ちなみに日本では、日本財団のように公益化成りして、管轄する認定NPOに寄付したりされたりして、お金のキャッチボールのやり繰りをするのが経営の究極系です。

株式会社も今はわざわざ上場目指したりはしません。

京都アニメーションも株式会社ですが上場はしていません。

非上場の自社株で公開せずの株式会社か、AppleやAmazonのように合同会社にするか、個人事業主の方が節税できるからです。

2割も手数料を取られるクラウドファンディング

2016年の大ヒットアニメ映画「この世界の片隅に」のように「makuake」でクラウドファンディング寄付をやっても2割弱は手数料がかかってしまいます。

こうなると普通のユニセフや義援金と同じように手数料を取られてしまい、寄付者の本意とは別のところにお金が行ってしまいます。makuakeがあとで炎上してしまいます。

クラウドファンディングは「建設的な企画」であれば良いですが、
今回の京アニのように追悼も含めた支援金、香典のように「追悼のお金を集めると下世話なことになる」のです。

結局、社長(京アニ)への当座預金がシンプル

京アニは世界中からお金を集めるのに信用金庫で良いのかと感じました。

実際、銀行自体ができるだけ出金させないように(国債運用のために)するために手数料を高く設定しているからです。

信用金庫はもっと高いです。

海外からならさらに送金コストがかかります。

ただ「京アニの存続」と考えるとダイレクトに社長(=京アニ)当座預金のほうがシンプルになるのです。

社長も悩んだ末に、もっともシンプルで分かりやすくて、社員を想う決断をしています。

おわりに

仮にここで京アニが海外でSTO(シークレット・トークン・オファーリング)したらディズニー超えると思います。

ただ今は目先の基本的な京都アニメーションを存続させることがファンの方々も想う矢田社長の思いを感じることのできた決断でした。

過去記事
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