日本でヒカキン(HIKAKIN)の次くらいに有名なYouTuberといえばはじめしゃちょー(静岡県在住)ですが、2018年12月1日に歯科クリニックでインプラント手術を受けたようです。
私も毎日、手術に携わる身として気になったので書きます。
歯科インプラント手術とは?
歯科インプラント手術は口の骨の中に直接に人工の歯を埋め込む手術。
高齢になってから歯が傷んで抜歯の後に埋め込んだり、芸能人の人が歯並びを気にして抜歯したあとに埋め込んだりします。
歯科インプラント手術は実費
歯科インプラントの場合は、保険適用外となり、歯一本で25万円〜30万円ほどになります。
しかし個人クリニックだと宣伝目的で有名人をタダで施術します。
美容整形クリニックのプチ整形なども同じ宣伝方法を取ります。
なぜはじめしゃちょーはインプラント手術したのか?
さて、はじめしゃちょーの歯科インプラント手術。
20代のはじめしゃちょーはまだインプラント手術には早い年齢。
極稀に若い人でも手術をされる人がいますが、酒やヤバコやヤクをやっていて歯がボロボロになった人です。
そんな人はわざわざインプラントを入れたりするお金はありません。
おそらく下の歯の永久歯がうまく生えて来ずに、隣の歯と緩衝して痛みを伴ったため、歯を抜歯の後に人工の歯を埋め込んだのだと思われます。
動画を見る限りBLT(スクリューと人工歯のセット)とNeoBlack(インプラントを埋め込むドリルの機械)のセットが背後に見えます。
どうも気になる血管と麻酔
正中皮静脈からプロポフォールで静脈鎮静しています。
そして歯科用のキシロカインで局所麻酔してNeoBLACKで骨に穴を開け、BLTを入れています。
ここで気になるのは、
①正中皮静脈から点滴が入れられている
②プロポフォールが使用されている
ということです。
①正中皮静脈から点滴が入れられている
通常、点滴でのIV(静脈ルート)の血管選択は、最初に橈骨皮静脈を最初に選択することが多いです。
次に正中皮静脈を選択します。
なぜか看護師は最初から正中皮静脈に翼状針を注射しています。
はじめしゃちょーは痩せ型で色白なので橈骨の血管が見えにくかったのでしょうか・・?
②プロポフォールが使用されている
お腹の上に白い液体の入ったシリンジがみえます。
これはプロポフォールという麻酔です。麻酔が入れば30秒程度で意識が遠のきます。
なぜプロポフォールを使ったのか・・?
ただこれは全身麻酔向けの薬で、あまり静脈鎮静には使用されません。
静脈鎮静にはドルミカム(ミダゾラム)かプレセデックスです。
これらは最近は胃カメラ検査などでも使用されます。
しかし鎮静が中途半端なため、手術中に無意識に暴れだす(大きく動き出す)ことがあります。
精神疾患のある人や、寝相が悪い人なら特に顕著です。
なぜプロポフォールを使用したかと考えると、保険点数で鎮静鎮静がコスト取れるのはプロポフォールのみだからでしょう。
全身麻酔向けですが、最近は静脈鎮静で使われることが増えてきました。
全身麻酔でのプロポフォールは単体で流しても大量に必要になります。
しかしフェンタニルと合わせると爆発的に効果が増すのでコスパ的にフェンタニル+プロポフォールが全身麻酔の定番になっています。
しかしプロポフォールは依存性があります。
疲れて布団でぐっすり寝る直前のような恍惚感が得られるので、プロポフォールを求めて検査依存になっている人もいるほどです。
またプロポフォールは牛乳などの乳製品でのアレルギーがある人は使えません。
はじめしゃちょーはエビアレルギー(甲殻類アレルギー)なのでおそらく大丈夫でしょう。
まとめ
ところどころ疑惑の多い施術ではありましたが、無事終わったようで何よりでした。
歯科インプラント手術を行う際は、要相談のうえで慣れた歯科口腔外科医のところで行うことをおすすめします。
頬骨形成術を歯科口腔外科でやる裏ワザ
美容整形で頬骨形成術という頬骨を削る手術がありますが、これを歯科口腔外科でやる裏技(荒業?)があります。
美容整形だと現金150万円かかるが、歯科手術なら病院で3割負担で済むからです。
しかし輪郭形成にノウハウのある歯科医かどうかは保障できません。