起業・開業から青色確定申告までのやり方5【減価償却とは?確定申告の提出方法】

政治経済・近代学問

前回の記事で、一連の起業・開業から青色確定申告までのやり方を学んできました。

起業・開業から青色確定申告までのやり方1【個人事業主・青色申告承認申請書を提出】

起業・開業から青色確定申告までのやり方2【確定申告・控除とは?】

起業・開業から青色確定申告までのやり方3【やよいの青色申告初期設定】

起業・開業から青色確定申告までのやり方4【弥生の青色申告での収入と支出の入力方法】
の続きです。

最後に「減価償却」を登録しましょう。

減価償却とは?

簡単に言うと
経営に関わるマンションやアパートなどの不動産や自動車、衣装や設備、パソコンなど「10万円以上の大きな値段の買い物」をした場合に、5年や10年単位で経費として計上していくことです。
「実際は一括払いで買ったけど、帳簿上は年単位の分割払いで計上していく」という仕組みです。

例えば、年間500万円の収入があって100万円の買い物をしたとします。その年の経費で100万円丸ごと計上すると一つの経費項目が莫大になって会計バランスが狂ってしまいます。
翌年にも同じように500万円収入があるかどうかも分かりませんし、再投資したいこともあるかもしれません。
そこで年間少しずつ経費として計上すれば、仮に翌年の収入が少なくなっても減価償却として経費分に含まれるので節税対策にもなります。

10万円以上の買い物を一度で経費計上してしまうのは節税的にもったいないのです。

アパートやマンションの不動産を10年単位、中古車のクラシックカーを車両費で5年、大きなトンネルは60年、NHK年末の紅白歌合戦の豪華衣装も年末調整のための減価償却として計上されています。

減価償却資産の登録

やよいの青色申告のパソコンソフトにて左の「決済・申告」の項目をクリックすると、右へスライドします。

すると「減価償却資産の登録」があります。

これを開きます。

例えば、私はこの年にパソコンを約15万円で自作して減価償却しています。

私の自作パソコンのサイトです(毎月更新しています)↓

もしよろしければ皆様も自作パソコンにチャレンジして減価償却しましょう。

パソコン自作の作り方!自作パーツでPC組み立て!
https://amapc.p2pzen.com/

(例)
減価償却資産名称・・パソコン
勘定項目・・機械装置
数量・・1
取得年月日・・購入した日付
取得価格・・パソコンの合計金額
償却方法・・定額法
耐用年数・・5年
本年中の償却期間・・12/12

定額法と定率法とは?

償却方法に、定額法と定率法という言葉が出てきました。

定額法・・毎年一定の金額で減価償却を行う。
定率法・・毎年一定の率で減価償却を行う。

例えば、100万円を5年で償却するとする。
定額法・・1年間で20万円を償却。
定率法・・初年度は40%償却の40万円、2年で24万円、3年目で14.4万円、4・5年目で10.8万円償却。

つまり
今後も安定して利益が出る予定なら・・毎年定額の定額法(定率法より少額償却だが毎年同じ額)
現在、利益が出ているなら(今後下がるのも見越すなら)・・定率法(初年度が大きく償却して徐々に減る)

がお得となります。

本年中の償却期間とは?

12/12と書いてある償却期間について説明します。

これは12ヶ月/12ヶ月という意味です。

どういうことか?

減価償却の12/12とは1年間使ったということです。

1月に買った場合は、毎年これでいいです。

しかし、例えば4月にパソコンを買ったとしたら初年度のみ9/12となります。

1月から3ヶ月が経過している(1~3月まではパソコンは買ってない)ので、12から3ヶ月分引かれて9。
パソコンが1年で存在した期間は9ヶ月/12ヶ月になります。

翌年、パソコンを1年間使い続ければ12/12。
そして耐用年数の最後の年(5年目)は3/12になります。(引いた3ヶ月分がはみ出るので)

このように減価償却資産を登録します。

青色申告決算書で完成!

「青色申告決算書」をクリックすれば自動文書作成されます。

出てきた画面をすべて印刷しましょう。

提出する場所は?

インターネットを通じても確定申告の書類提出は可能です。

しかし慣れないうちは確定申告の提出時期(毎年2月15日~3月15日頃)に最寄りの市町村役場や役場出張所に提出することができるので直接書類を持っていって見てもらうといいでしょう。
税理士あるいは役場の会計課・税務課の人が、無料相談で訂正してくれたり、調節してくれたりします。

いつ提出するのがオススメか?

あまりに混むので、できれば2月15日初日から数日は避けましょう。
ガチの飲食店経営者や土木系の経営者の方が大行列します。
可能であれば平日が好ましいです。

3月に入っても大行列しますが2月ほどではないです。
朝9:00に役場が開くとすると8:30から行列が始まります。15人待ちだと2時間近く待つことになります。

経験上、2月25日~3月5日あたりが空いているポイントかもしれません。
何より早めに行くことが吉です。

また忘れ物をしないようにしましょう。忘れ物をしてまた並び直すのは面倒です。

やよいの青色申告で印刷した6枚の書類(↓)に加えて、自分の健康保険書(あるいは運転免許証)、マイナンバー、ハンコ、通帳を必須で持参。

・決算書(青色申告決算書)の作成
損益計算書 : 1枚
損益計算書の内訳 : 2枚
賃借対照表 : 1枚

・所得税確定申告書Bの作成
第一表 : 1枚
第二表 : 1枚

世帯内で医療控除や障害者控除等もあるのなら
両親など家族全員分の源泉徴収と健康保険書(あるいは運転免許証)、マイナンバー、ハンコ、通帳を持参しましょう。
代理の提出でも同様です。

起業・開業から青色確定申告の手順まとめ

起業・開業から青色確定申告までのやり方1【個人事業主・青色申告承認申請書を提出】

起業・開業から青色確定申告までのやり方2【確定申告・控除とは?】

起業・開業から青色確定申告までのやり方3【やよいの青色申告初期設定】

起業・開業から青色確定申告までのやり方4【弥生の青色申告での収入と支出の入力方法】

起業・開業から青色確定申告までのやり方5【減価償却とは?確定申告の提出方法】

参考文献

フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技

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