いくらかの対人関係を通じて、相手に対して「すごいね」「えらいね」肯定的なストローク(※)を与え続けていくと、自己愛が暴走して「私だけを見て見てー!」といきなり勢いの強い行動化をしてしまうことがあります。

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「良い口コミ」「良いウワサ話」を広める簡単な方法

「私の自己愛が発見された!」
「嬉しい!」

という気持ちは察するのですが、

それを制御することが出来ないので、どうしても自己中心的で独善的になってしまいます。

見方によって「図に乗っている」「調子こいている」「イキっている」「舞い上がっている」
「自己中心的だ」とダイレクトに批判されて落ち込むことも多々あります。

あるいは反発で復讐心で攻撃的になってしまうこともあります。

自己をコントロールできていないので心理的混乱に陥り、誤った判断を多くします。

なぜ自己中心的で独善的になってしまうかというと、「理想」と「共感」という中核自己の2つのうち一つしか満たされていないからです。

「人の抑圧」と「国の規制」は同じ~ルールがあるということは、抑圧したい何かがある~

一方で「今まで否定ばかりされてきて認められることもなかったのだろうな…」と同情的に見ることもできます。

自己愛の「幼児万能な過去のまま時間停止」する能力~自己愛インフレーション~

神経症から人格障害までの典型順序~「~すべき」発想→脳の時間停止→他人見下し→精神病へ~

この仕組みについて書きます。


人の心は「理想」と「共感」のバランス

人の自己愛は

「理想」

「共感」

の2つでバランスを取っています。

これを自己心理学では中核自己と呼びます。

「理想」は自分の夢。いわば自分の未来。

「共感」は自分の存在や言動です。いわば自分の過去。

夢だけに肯定的ストロークを与えると、今度は存在や言動も認めてくれと求めます。

存在や言動に肯定的ストロークを与えると、今度は夢も認めてくれと求めます。

理想だけに固着した人は、勢いはあっても自分や周りの存在や言動に共感が持てず、されずに嫌われて人が離れます。

共感だけに固着した人は、共感する優しさはあっても、過去も認められないので未来の理想も実行に移せず、不安でふさぎ込むので、前向きにならず被害者の自分に酔っているのでは、と人が離れます。

満たされない局を「見下し」によって補おうとする

「理想」と「共感」という中核自己の2つのうち一つしか満たされていないと、片方によってしまいます。

そして満たされない局はどうするかというと、仮想的有能感という「根拠のない自信」で補おうとします。

自分が持っていないのに持ったフリをするには、「自分より相対的に相手の評価を下げる」という行動をします。

要するに「見下し」や「攻撃」、他人を馬鹿にする「他社卑下」、仲間はずれをする「排他」を行動としてやります。


制御する方法

「理想」は自分の夢。いわば自分の未来。
「共感」は自分の存在や言動です。いわば自分の過去。

両者にも肯定的なストロークを与え続けることは大前提です。

しかし、この2つの局を制御する方法として、

「理想」の局に寄っている人には、共感的なアプローチを中心として、更に上の理想像を提示すること。

「共感」の局に寄っている人には、理想的なアプローチを中心として、更に上の共感像を提示すること。

です。

自己愛の発見による暴走で舞い上がって制御できなくなってるときには、伸びている側の局を潰す必要はありません。

伸びている側の局の上位存在をメンターとして提示することで、相手に理性的な判断ができる司令塔を立てて、謙虚にする必要があります。(自虐ではなく、謙虚です。)

芸能人でも、先生でも、神様でも、歴史上の人物でも、大自然でも何でも良いです。
理想と共感の両方を安定させている者であればいいです。


その存在だったらどうするだろうか?

と想像してもらい、相手に内在化することで制御することが出来ます。