何なんだこの天罰のような頭痛は…?私がなにかしたのか…?

頭痛は唐突に起こることがあります。

そのパターンがわかれば対処できるようになります。

頭痛を区別して対応できるようになれば先の不安も緩和されます。

まず先に①脳出血や②脳梗塞はとても危ないです。

緊急性が高いので先に知っておきましょう。ただ滅多に起こるものではないです。


①脳出血(血管が破裂した系の頭痛)

金属バットで殴られるような痛みの頭痛。

とても危険なので、夜だろうといつだろうと早く病院へ。早く病院へ行くほど回復が見込めます。

②脳梗塞(血管が詰まる系の頭痛)

手足の感覚がしびれたり、麻痺したような感覚。早く病院へ。

この脳梗塞や脳出血系以外の頭痛の種類と対処法を紹介します。


一般的によく起こるのは「偏頭痛」「緊張型頭痛」

・「ズキンズキンと血管が開いて脈打つ感じ」が「周期的」に起こる「偏頭痛」(片頭痛)
・「ギリギリと血管が閉じて締め付けられる感じ」が「短時間」に起こる「緊張型頭痛」

です。

頭痛とは「脳の血管が急激に拡張か収縮して起こる」ことを言います。
なので「ストレス(Stress:圧力、圧迫する)がかかる」と言います。
ストレスと言うと心理学・精神医学で「目に見えない心の痛み」というイメージがあるかもしれませんが、もっと物理的に「脳の血管の急激な拡張や縮小によって炎症が起こること」を「ストレス」と言います。

偏頭痛(片頭痛)

どんな症状?

・多くが頭の片側で起こる
・「ズキンズキン、ドクドクと血管が開いて脈打つ感じ」が「周期的」に起こる
・発作は通常4~72時間続く
・光や音や匂いの刺激を不快に感じ出す。
・食後や風呂上がりや怒りなど「体温が急に上がったとき」になりがち。

緩和法

・暗所安静でリラックス
・お茶やコーヒーなどカフェインをとる
・痛みの箇所を局所的に「冷やす」(血管が開いて脈打つことで炎症しているので)

薬物療法

・比較的軽度の発作では、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)やアセトアミノフェン
・急性期治療にはスマトリプタンを始めとするトリプタン(これを使用しすぎでも逆に悪化して頭痛(薬物乱用頭痛, MOH)になる)・予防薬としては塩酸ロメリジンやバルプロ酸


緊張型頭痛

・多くが頭の両側で起こる
・ギリギリと血管が閉じて締め付けられる感じ。逆にズキズキ、ドクドクする拍動性がない(非拍動性)
・「短時間」に起こる(30分〜長いと一週間)
・頻度は反復性(月に15日未満)あるいは慢性(月に15日以上、3ヶ月を超える)

緩和法

体を温めること(血管が閉まることで締め付けられているので)風呂、ストレッチ、ツボ

薬剤療法

・NSAIDs・筋弛緩作用を合わせ持つ抗不安薬(エチゾラム、ジアゼパムなど)を鎮痛剤と併用するとよいこともあります。
・慢性緊張型頭痛では予防的に抗不安薬や抗うつ剤。・筋弛緩剤(チザニジンなど)の併用が有効な例もあります。

群発性頭痛


・10万人に10人程度のかなり珍しい頭痛
・下垂体腫瘍と同じ症状で間違えられることがある
・20~30才代に多い
・片側の眼周囲~前頭部、側頭部
・激しい頭痛が数週から数ヶ月の期間群発
・夜間、睡眠中に頭痛発作が起こりやすい
・頭痛と同じ側に眼の充血や流涙など
・1回の頭痛発作は15分~180分で片頭痛と比べると短い
・しかし2日に1回~1日に8回(大部分は1日に1~3回)といったように何回も発作が起こ

・3ヶ月以上の間隔やそれ未満の慢性的、時期的に起こる

薬物療法

・頭痛発作時の治療としては酸素吸入(マスクで純酸素7-10L/分、15分間)、スマトリプタンの皮下注射が効果的。
・自己注射キットが非常に便利。
・群発頭痛の発作に通常の鎮痛剤は無効。
・予防療法にはカルシウム拮抗薬であるベラパミルやステロイド(プレドニゾロンなど)


気象病による頭痛

・温度が低くなった日に起こる
・曇や雨や雪の日など
・秋や冬の天気の悪い日に多い
・偏頭痛のように頭が痛くなる

機序

曇や雨や雪の低気圧(代謝低下・酸素量減少=副交感神経の血管拡張による自律神経の崩れ=低血圧→偏頭痛
曇りや雨や雪の日は、無意識にも気が落ち込む傾向はあります。
低気圧で、代謝低下・酸素量減少が起こるから。

具体的には副交感神経の血管拡張による自律神経の崩れ=低血圧が起こるため元気がなくなるのです。

この気象病が「冬」に多いです。それは寒さが関係しています。寒さによる基礎代謝上昇と、それに伴う高血圧(=交感神経の血管収縮)が加わると相乗効果が起こるからです。
基礎代謝とは人間が身体でエネルギーを燃やして体温を上げようとする機能のことで、冬になると寒くなるので基礎代謝は上昇します。それで高血圧(交感神経の血管収縮)になりやすくなります。しかし一方で曇りや雪の日は、代謝が落ちて低血圧になります。

この血管が急激に開いたり閉じたりする「落差」によって、ストレス(炎症)が起こるのです。

緩和法

体を温めること。風呂、ストレッチ、ツボ

冷房による気分不快(冷房病)

・偏頭痛なように頭が痛くなる
・うつのように気落ちしたり、気分が不快になる
・「気象病」を室内で起こすのと同じ。
・室内でクーラーや扇風機で頭を冷やし続ける

機序

クーラーや扇風機によって頭が冷える→血管収縮→間脳視床下部の体温調節機能不全→自律神経失調症→気分不快、倦怠感、うつ

具体的には「クーラーや扇風機で頭を冷やし続けると自律神経失調症からうつ病の症状」が出ます。

寒さによる基礎代謝上昇と、それに伴う高血圧(=交感神経の血管収縮)。

気象病のように全身を寒くさせるだけでなく、首筋や頭の付近を冷やし続けると、間脳の視床下部の体温調節機能が不全して自律神経失調して、気分不快や倦怠感(疲れ)、うつ症状が出るのです

緩和法

体を温めること。風呂、ストレッチ、ツボ


高血圧だと頭痛になりやすいか?

・血圧と頭痛は関係ない
・高血圧な人がみんな頭痛になるとは限らないから
・頭痛により高血圧になることはある
・降圧薬ではなく鎮痛薬を飲んだほうがいい場合がある
・血圧より手足の浮腫(むく)みに注目した方がいい

高血圧性脳症(高血圧が原因で起こる頭痛)

・高血圧が原因で起こる頭痛・血圧210/120mmHg以上(通常は140/90mmHg程度で高血圧だが、収縮期血圧も拡張期血圧も基準値よりはるかに高い)
・長期間この状態

機序

代謝異常→脳浮腫→頭蓋内圧亢進→神経刺激→頭痛(長期間)
吐き気や嘔吐だけではなく、頭蓋内圧の上昇状態が続くとけいれんや意識障害、視力障害を起こすリスク

参考
https://www.neurology-jp.org/public/disease/zutsu_detail.html