2020年2月、新型コ口ナウィルスへのダイヤモンド・プリンセス号での厚労省の感染への無知な対応について、岩田医師の実名の告発動画が出なかったら全て秘匿のままでした。

官僚・公務員は「事なかれ主義」なので、最初から「何も問題はありませんでした」と最終結論を決めています。

つまり何か問題が起こっても隠蔽するのです。

告発がなければ厚労省の感染対応のずさんさもニュースにならず、もっと被害拡大してたでしょう。

岩田医師が告発動画出した時に「厚労省の官僚が頑張って封じ込めてるのに目立って余計なことするな、国の厚労省の意見の方が学歴が上だから正しい。」と、権威にすがってマウント取っていた人たちは、それ以降の散々な厚労省の対応が露呈して、まるで息をしなくなりました。

その後、高山義浩医師と岩田健太郎医師でやっと匿名性が解かれて安心しました。
本来、意見を言い合うなら最初からこうでないといけません。

自ら率先して実名で告発して秘匿性を解いた岩田医師の功績は大きいです。

ただ結果的に岩田医師が今後の混乱を懸念して動画削除したことで、やはり岩田医師が間違っていた!となったり、学歴マウントで権威的な正当性を信じる人が出てきたりするのを懸念しました。
本来そういうのは無視して良いのです。

「どちらが正しいか」ではなく、フェアな立場で情報開示して意見を出し合うことの方が重要だからです。


ずさんすぎた日本国の感染対策

かくいう私も岩田医師の告発動画があるまで、クルーズ船も感染専門医や感染管理看護師のインフェクションコントロールドクタークラスが厚労省経由で対応しているものと思っていました。

しかしそうではなかったのが残念でなりません。

スタンダードプリコーションだけで他の予防対策なしにやっていました。

その時、私は以下のようなツイートをしました。

この悪い予感が見事に的中しました。

厚労省が素人と分かっていてもなおも信じるという現象(正確には危険時に権威に服従する認知バイアスと言います)と同時に、あらゆる感染専門家から厚労省の対応のおかしさが暴露されていきました。

東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「船内で業務した職員に感染が確認されているので、職員の検査の在り方を見直す必要が。また下船後一定期間は在宅勤務にするなど職員と職場を守る仕組みも必要だ」

クルーズ船で業務 厚労省職員 多くがウイルス検査せず職場復帰
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200222/k10012296751000.html

いかに厚労省が素人集団かお分かりいただけたと思います。

官僚たちは脳が古すぎるので昭和のスポ根精神で動く

私のような病院職員なら感染検査なしに現場復帰させるとかありえなさすぎる話なのです。

同じ感染環境にいたはずの厚労省職員はなぜに合理性もなく昭和のスポ根精神で乗り切ろうと思えるのか。
二次感染になるだけです。

私も過去に経験したことですが「身分の下のスタッフは感染予防手袋を使うな」とかあったが「仮免許の分際でシートベルトつけるな」という謎の昭和のスポ根精神なのです。

精神が甘えているとかそういう問題ではなくて、科学合理的に必要だから予防しているのに、それが分からない人たちによって二次災害が起こります。

「厳しい」と「理不尽」は違う

文科省から学校へ、厚労省から病院へ落ちてきて、現場を混乱させる、匿名官僚が勝手に取り決めたあの謎文章たちは、ここが苗床になっている。

虐待に対応する児童相談所も、心理や教育に無知な素人公務員が上司にいて、
「保育や心理の専門職を昭和の体育会系精神でぶっ壊す」という組織構造で職員が参っています。

対応も散々になるはずです。


厚労省の謎の匿名たちの取り決めで混乱させられる医療現場

私自身、病院を見てきて実感として分かります。

内閣府でも外務省や財務省の官僚から匿名の謎文章が届きます。

学校だと文科省、病院でも厚労省の匿名の官僚で取り決められたルールの謎文章が落ちてきて、現場が憤慨したり、混乱してクレームになります。

なので厚労省の通達であっても発信者が匿名であればセンシティブに疑うことは当たり前です。

公的な場ほど情報開示しないといけません。

新型コ口ナウィルスに対して国の厚労省の官僚たちは「専門家」と自称して威張っていただけで匿名でやっていたのです。

今まで「うわーっ!厚労省の官僚様だ!きっと専門家の知識の叡智に違いない!」と信じていた人たちが、実は専門的な知識もなかったことを知って落胆した人は多くいました。

私が医学部の公衆衛生疫学を履修していた時も、
教授が

「ルールを作る厚労省の官僚は、国家公務員であって大卒で論文を書いた経験もない人。それが権威だけで専門家を排除してルールを作っているのでおかしくなる」

と言っていたが本当にそうだと感じました。

かつて「るろうに剣心」の作者が書類送検された時も、るろ剣作者だけ実名で、同罪で送検されたはずの警察関係者や官僚は全員匿名という不思議な文章が話題になりました。

こうやって自分たち公務員官僚だけは偉さを盾に隠れて、責任逃れするのです。

欧米ではどうなっているの?

アメリカやヨーロッパの欧米では国会議員は立法能力のある大前提で法律を作って本人が責任持ってサインします。

しかし立法能力がない日本ではナンバー2の官僚事務次官たちに好きなように自分たちの給料、つまり税金による増税の法律を作られて、本来上司であるはずの議員は国会でその文を音読するだけという現状なのです。

だから議員が何の責任も持たずに、権威だけで責任も持たない官僚の文章を読むだけという形になっています。


官僚の結論は最初から「何も問題ありませんでした」という事なかれ主義

クルーズ船の感染が起こって最初にやったことは感染患者の対応ではなくて、
結果論で「事なかれ主義」でおさめるために、
厚労省の官僚の誰の責任にして、成功したらどの官僚の成果にするか、という官僚同士の足の引っ張り合いだったでしょう。

厚労省の利権で意味なく終わったメタボ健診

医学研究者の中で厚労省が利権のために場を混乱させた有名な話で「メタボ健診」があります。

かつて厚労省がメタボ基準を意図して引き下げた値にして、多くの人をメタボと診断させて医療利権にひっかけて検診で儲かるぜヒャッハー!とやりました。

専門家や病院関係者の中でも批難も多く、しかも内容は無意味だったのです。

メタボ検診、結局のところ意味があったのか
https://business.nikkei.com/atcl/report/16/091200163/090400040/?n_cid=nbponb_twbn


国の言葉を信じず、否定リーダーを崇拝しないこと!専門家の提案を聞こう!

人間は危機に陥ると、認知バイアスで既存の権威にすがろうとします。

都合のいい情報だけ持ってきて「国はよくやっている」「官僚はすごい」と言います。
不安の強い人間ほどこの行動を取ります。

そして国家的な権威を盾に高らかに否定してくれるリーダーが現れたら、その人を専門家でもないのに崇拝してしまうのです。

そこで犠牲となってしまうのは本物の専門家です。
本物の専門家があら捜しや揚げ足取りさせて、攻撃されてしまいます。

専門家の意見の粗探しや揚げ足取りするのは自由だから別にいいです。

しかし問題は、

専門外なのにその「否定だけで他に何の知恵もない否定リーダー」を教祖にして信じて群れる小集団は何なのか

と感じます。

その集団の方が共食い始める地獄です。

少なくても大学等で過去に論文を実証研究的に書いたことある人なら、その時点で、その経験すらない各省庁の国家公務員の官僚よりも科学リテラシーが上です。

権威に頼らずに自分の判断に自信もって良いはずなのです。