心理学では、自己像(セルフ・イメージ)と自己肯定感(セルフ・エフィカシー)があります。

簡単に言うと
・自己像(セルフ・イメージ):自分に対する自分のイメージ。自己概念。自分が自分を捉えたときのイメージ。
・自己効力感(セルフ・エフィカシー):自信。自分は課題に対して行動を実行してやり遂げることができるという感覚。

です。

心理的に安定するためには
セルフ・イメージ(自己像)が先か?
セルフ・エフィカシー(自己効力感)が先か?
どちらが先に重要でしょうか?


どちらも重要だが・・

答えはどちらも重要です。

両方とも先行させれば良いです。

ただ「自己像(セルフ・イメージ)だけ」を先行するのは、良くないです。

なぜならば「実経験が伴わないから」です。

例えば、自分の自己像(セルフ・イメージ)が「社長のようにすごい人」だったとしましょう。
しかしその人は実際には社長ではなく、社長の経験もありません。
もし自己像(セルフ・イメージ)だけを先行させたらどうなるでしょうか?
「自分は社長のようにすごい人」という自己像(セルフ・イメージ)だけで、実際に社長のように行動できるかどうかの実際の根拠に基づく自己効力感(セルフ・エフィカシー)がありません。

つまりヒーローになりきった子どものようにごっこ遊びのなりきりだけ。現実にはニセモノの自信。
これを仮想的な有能感といいます。
ホンモノの自信の自己効力感がないので自分に自信が持てず、空威張りで他人を見下すだけになります。

自己不一致から精神病理的に自分を攻撃するか、他人を攻撃しやすいのです。

理想像と現実像のイメージが大きいと自信が低下する

理想と現実の自己像(セルフ・イメージ)の開きが大きいほど自信が低下します。

現実と理想との自己像(セルフ・イメージ)が合わないからです。

自信が低下するので、空威張りの自己愛性パーソナリティ障害や、自信低下して理想の妄想世界に生きようとする境界性パーソナリティ障害が乗っかってきてしまうのです。

注目・賞賛欲求を得たい反面、自分の自信のなさから、相対的に他人の評価を下げないと気がすまないので、自慢しながら他者攻撃する行動をします。

自己愛的な傾向が高い場合、他者との比較を通じて自分自身に対する肯定的感覚を得ようとします。

自他を傷つけないように警戒することで、他者から肯定的評価を受けるような関係を維持しつつ、かろうじて自尊感情の低下を防ごうとします。


必ずワンセットで

セルフ・イメージ(自己像)
セルフ・エフィカシー(自己効力感)
は必ずワンセットで向上させることが重要です。

セルフ・イメージ(自己像)ができたら、それに合わせた行動からセルフ・エフィカシー(自己効力感)を。
すでに行動でセルフ・エフィカシー(自己効力感)があるなら、セルフ・イメージ(自己像)を統合していく必要があります。