感染症の治療薬の今後~アビガンからレムデシビルへ~

医学

世界の製薬会社の動向について私の1ヶ月以上前の予想は全て的中しました。

私の予想ですが、

1、日本は初手としてアビガンを利用していく。
2、ギリアド社のレムデシビルが世界的に推奨される。
3、日本ではアビガン非推奨になり、レムデシビル常備薬とシクレソニド吸入の併用が推奨される。
4、アメリカのファイザー社から新たな新薬が出てきたら日本でも加えて推奨される。

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アジアのアビガンと欧米のレムデシビル

2020年4月現在、1と2までは確定しています。

治療薬の有力候補として注目されている「アビガン」(一般名:ファビピラビル)について「正式承認に向け治験プロセスを開始する」と表明した。

新型コロナ治療薬として「アビガン」正式承認へ─安倍首相が「治験プロセス開始」を表明 4月1日 日本医事新報社
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14327

続けてアビガンの有用性も確かめられてきました。

したがってアビガンは,タミフルやゾフルーザなどで見られるように,治療中にアビガン耐性ウイルスに置き換えられるような問題は発生しないと考えられる。このように、アビガンの特性は致死性重症感染症に対する優れた効果だけでなく、耐性ウイルスができない点にもある。

緊急寄稿(3)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含むウイルス感染症と抗ウイルス薬の作用の特徴(白木公康)|Web医事新報|日本医事新報社 No.5006 (2020年04月04日発行) P.34 白木公康 (千里金蘭大学副学長,富山大学名誉教授(医学部))
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14354

その数日後、欧米ではレムデシビルを中心に推奨していくと発表されました。

欧州医薬品庁(EMA)は3日、抗ウイルス薬「レムデシビル」をコンパッショネート使用プログラムを通じて使用することを推奨すると発表した。

欧州当局、米ギリアドの抗ウイルス薬を推奨 新型コロナ治療で 2020年4月4日 ロイター
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-ema-idJPKBN21L2Q4

今後は3、4

3、日本ではアビガン非推奨になり、レムデシビル常備薬とシクレソニド吸入の併用が推奨される。
4、アメリカのファイザー社から新たな新薬が出てきたら日本でも加えて推奨される。

へと数年かけて移っていくでしょう。

なぜアビガンが非推奨になるのか?

ここで注目したいのは「なぜアジアと欧米で別々の薬が推奨されているのか?」という点です。

前記事でも書きましたが、

アビガンは富士フィルムHDの開発ですが、株主の過半数が中国の浙江海正薬業股份有限公司(海正薬業)です。

ライセンスは中国の海正薬業が持っているので、日本や日本企業の富士フィルムHDの得はありません。

例えるならWindows10のソフトがヤマダ電機で売っていても、ライセンスはマイクロソフト社。
別にヤマダ電機に利益が中心に来るわけではありません。

3月時点で日本にはアビガンのストックが大量にあったのですが、アビガンを使うと表明されたのは4月になってから。
日本はアメリカの利益になる薬ならすぐ使うのですが、アビガンは中国の利益になるので出し渋っていました。

しかし中国の海正薬業株の49%はアメリカの大手製薬会社1位のファイザー製薬(PFE)。米中合併企業で海正ファイザーと呼ばれています。
アメリカのファイザー製薬の意見を伺ってから日本でGOサインを出した形だったのでしょう。

中国の海正薬業は買われて、日本の富士フィルムHDは売られる運命

では今後どうなるかと言うと、

中国では政府によって「株の空売りの禁止」がされています。

なので株を「買うこと」しかできません。売ることができません。

では売るためにはどうしているのかと「中国株の関連銘柄を売る」という行動で相殺しているのです。

日本で例えると、日本の建設会社の株を買うことしかできないとしたら、東南アジアの関連企業の銘柄を売るというような状況です。

この構造に中国の海正薬業と日本の富士フィルムHDはぴったり当てはまります。

すると日本ではアビガンが推奨されなくなります。

飲まれなくなるわけではありませんが、薬価を高く設定させて「高額なので選択させないようにする」のです。

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メインになるレムデシビル常備薬とシクレソニド吸入

それでどうなるかというと、
欧米でメインに使われているレムデシビルがメインに使われるようになります。

製薬会社の規模も大きく、アメリカの利益にもなるので日本は選ぶでしょう。

そして日本の大企業の一つである帝人のシクレソニド吸入を併用品して、アメリカの傘の下で小金を稼ぎながら治療していくという方法に落ち着けようとしてくるでしょう。

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オリンピック開始の人質になるレムデシビル

レムデシビルの臨床試験に参加している施設からの情報として、臨床試験でレムデシビルを投与された患者のほとんどで症状が回復し、1週間以内に退院したと報じた。

新型コロナへのレムデシビル、臨床試験で有望な結果か 日経新聞 2020/4/17
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58176710X10C20A4000000/

1年延期となった東京五輪・パラリンピックについて、英BBC放送(電子版)は17日、ワクチンが開発されない限り開催は「現実的ではない」とする保健科学の専門家の話を伝えた。

東京五輪開催「ワクチン次第」BBC電子版で専門家が言及 2020/4/18
https://this.kiji.is/624219779195028577?c=39550187727945729

欧米で推奨されているレムデシビル。

「日本はアメリカのギリアド社のレムデシビルを標準治療にしなさい。さすればオリンピックの開始を許します。」

と、国際機関に急所を握られて、天秤にかけられながら強制的にレムデシビルを普及させられるでしょう。

オリンピック開始を人質に取られて、アビガンからレムデシビルを使うようになるのです。

最終的なコ口ナの立ち位置

ここまで「薬」の話は書いてきましたが、予防接種・ワクチンの話は書いていません。

最終的にコ口ナウィルスは、現時点で結核やインフルエンザと同列に格上げされたので

「毎年あって当たり前だけど、注射や薬を飲めば治るよね。今年はどの型だろう。」

というインフルエンザと同じようなポジションになります。

しかし注意すべきはこの先、5年間で「治った」という薬は信じてはいけないということです。

もし罹患してしまってやむを得ず治療する場合は良いですが、そうでない限りは安易に「これで治る!」とは言わないほうが良いです。

2020年から5年間で「治った」という薬は信じるな!

前記事でも書きましたが、何度も書いております。

2020年から5年間で「治った」という薬を信じてはいけません。

どんな薬や対処法が出てこようとも、EBM(医療の科学的根拠)によるコホート研究やランダム化比較試験という厳密なテストで効果が実証されるまで最低でも5年はかかるからです。

それからメタアナリシスというメタ分析になります。

アビガンか、シクレソニドか、レムデシビルか、カレトラか。どの薬が本当に効果あるかは最低5年先までは分からない、ということです。

一時的に改善しただけで、まだ再発の可能性もありますし、副作用も未知数です。

理論上の症例回復レベル。副作用も考慮なし。比較的マシというだけです。

逆を言えば、このような薬でさえ「治った」というのが難しいのに、2020年から5年以内に「治った」と銘打つ薬や対処法が出てきたら

「100%デマのウソである」と断言できます。

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