なぜ障害者や高齢者のデイサービスは、看護師を雇っているのに訪問看護事業をしないのだろうか……?
・送迎車も一部福祉用具もあるので、通所でも訪問でも物品そろえば事業転用できそうなのに。
・給料が高くなっても医療報酬のほうが利益率あって福祉の介護点数より払えそうな気がするけど…。
私に認知症高齢者デイのサービス管理者やらないか?(人手がいない)という話が回ってきてふと疑問が起こりました。
デイケアサービスがなぜ訪問看護に事業転用しないのか?
結論からいうと「配置基準の問題」が大きいです。
デイケアでは利用者の日中の通所でのケアを行います。
訪問看護では利用者の家に訪問してケアを行います。
・デイの業務委託契約としてやっても配置基準で訪問看護の人員が吸われてしまう可能性があるから。
・仮にデイと訪問看護両方やると、どちらかが手薄になるのでどちらかしかできない。
この2つの理由が大きいかと思われます。
訪問看護ステーションは、常勤換算で2.5以上の看護師配置が必要。もし常勤換算2.5の訪問看護ステーションと委託契約をした場合、デイサービスでの業務時間中は訪問看護ステーションの看護師配置が、定められている常勤換算2.5を下回ってしまう。そのため、デイサービスでの業務時間中も、常勤換算2.5以上を保つことが可能な訪問看護ステーションと委託契約をしなければならない。
(参考)
https://www.recovery-group.co.jp/nurstetho/day-service-absence-of-nurse-subtraction
なぜ不動産業は訪問看護サービスをしないのか?
同時に福祉のデイサービスやデイケアのようになぜ不動産業者が参入しないのかの疑問解決にもなりました。
配置基準を考えると参入ハードルの低いのはデイの方だからです。
なので福祉に不動産業が入り込むのです。
高齢者施設の厚労省ルートと国交省ルートとの棲み分けと同じ感じです。
なぜ老人ホームには当たり外れがあるのか?~厚労省系と国交省系の区別を知ろう~
いつも経営母体で考える大切さ
私は医療や福祉施設をみるときに経営母体をみます。
今回の
認知症高齢者デイのサービス管理者やらないか?
の誘いは結局、以下の3つの理由で誘いは断りました。
理由1、助けてあげたいけどコロナ禍。
理由2、施設の経営主体がフランチャイズの不動産系の株式会社(=福祉なのに利益出さないと立場を追われる雇用不安、利益出しても親会社に上納するので独立ができない)
理由3、事務仕事が主で医療行為がほぼない。
理由2~3が主です。