日本カルチャーが大好きな電気自動車企業テスラの会長イーロン・マスク。

彼が2021年1月13日、Twitterでいきなり日本のバンダイナムコゲームスのアイドルマスターのキャラクターである輿水幸子の画像でツイートしました。

Musk Tweets Meme, Lifting Stock of Japan Idol Game Maker 2021年1月13日 16:48 JST
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-01-13/-yeah-you-queen-musk-meme-lifts-stock-of-japan-idol-game-maker

これにともなって、日本のバンダイナムコゲームスの株価は急上昇しました。

電気自動車企業のテスラのイーロン・マスクCEOは2021年現在、アメリカどころか世界一の大富豪です。
特に近年では日本のトヨタを抜いて最先端で世界の金融市場を引っ張っています。

発言一つで世界が揺れ動くほどのインパクトがある人物です。

知らずにミームの画像を使ったのでは?とも憶測されましたが、当日が輿水幸子のキャラクターのデビュー記念日であったため偶然ではなく意図してツイートしたようです。
そもそもイーロン・マスク本人も輿水幸子のキャラクターの声優をフォローし続けています。


なぜか全く報道しない日本の新聞社

しかし不思議なことが起こりました。

本来なら速報を出してもいいほど日本のトップニュースなのです。
世界経済を牽引する最も注目されている世界一の大富豪が、日本のアニメキャラクターを推しているのです。
株価さえも好感して急上昇しているのです。

この時、まったく日本の新聞社では報道されませんでした。

翌日になってもニュースになりませんでした。

これは「しなかった」のではなく、日本の新聞社は「できない」のです。

なぜ日本の新聞社に報道されなかったのか?

なぜアイドルマスター輿水幸子はイーロン・マスクに紹介されても日本の新聞社に報道されなかったのか?

日本のマスコミ構造は、一番上に広告代理店があります。主に電通と博報堂という会社です。

その下に、各新聞社→各テレビ局→各週刊誌という構造になっています。

本来なら日本のニュースですが日本の各新聞社が出さないのは、上の電通様が「ヨシ!」という許可がないと「書けない」のです。

なので海外のニュースのほうが先に出てしまうのです。

海外新聞社が書いたものを跳ね返ったカウンターのような形で引用した日本の記事で知るしかないのです。

この記事の後「海外新聞社が日本の報道していた!」と日本の新聞社が3日後から書き始めました。

本当に遅れているのです。


フェアユースの精神を知ろう

もう一つ重要なのは画像です。

通常、このようにアニメやゲームのキャラクターの画像を使ったら「不許可の著作権侵害だ!」と言われるのではないか?
と懸念しましたが、びっくりするほどその批判をする人がいません。

これにはTwitterの「フェアユースの精神」があるからです。

フェアユースとは芸術を共有し合うという精神のことです。アメリカやイギリスやイスラエルで特に重視されています。

簡単に言えば「悪いように使わなければオリジナル画像を自由に使っていいよ」「無許可でも著作権侵害にならないよ」ということです。

先進国のパロディ条項やフェアユースを知らない日本人

フランスではパロディ条項と言って、表現の自由の範囲でパロディは許されています。
アメリカでもフェアユースと言って、他社のキャラクターを表現上で使うことも許されています。

先進国では表現の問題と考えることは「被害を受けた加害者と被害者の本人同士」が争います。

共産国や旧社会主義国のように「国が規制すること」ではありません。

芸術とは最新の科学研究と同じです。
社会を風刺してギリギリの表現を投げかけていく手法は当然あります。

例えば、ナチスドイツのハーケンクロイツの旗が、ただ置いてあったとして「悲しい」と感じる人もいれば「けしからん」と感じる人もいます。

受け取り方は画一的ではなく、多様にあります。

それを「悪い解釈のみ」で解釈してしまうと国家の罠にハマります。
全体を規制してしまうというのは、戦時中の治安維持法、独裁国と同じ国家権力の横暴です。
日本人を規制するために他の事例においても適応されてしまうということです。

過去記事
あいちトリエンナーレ叩きは下からの全体主義~コミケ等イベント規制で考えると分かりやすい件~

このようにイーロン・マスクのツイートで日本の新聞社の構造と、フェアユースの精神まで知ることができる出来事でした。