感染、病気、仕事ストレス、自粛、引きこもり、コロナ疲れ・・ストレスがたまって嫌になりますね。
仕事や学校はつらいけど、休みになったら友達と会おう、レジャーに出かけよう、カフェに行くことを楽しみにしていた人は多いのではないでしょうか。
人は社会との集団から外されて孤立、他人との関係を断たれると、悩みが増えて自殺へと気持ちが向かってしまいます。
これをアノミー状態と呼びます。
「死にたい…」「つらい」「仕事も辞めたい…」どんどんマイナス思考へ向かいます。
これに対応するにはどうしたら良いでしょうか?
「密です」の三密の濃厚接触を控え、他人と交流するために・・
そんな時はVRをおすすめします。
どのようなVR機器とパソコンを買えばいいか?
は、前記事で紹介しました。
コーピングの方法を知ろう
まずはストレスから立ち直っていく段階を知りましょう。
ストレスを受けた場合、それは危機(クライシス)として段階を踏みます。
衝撃→防衛的退行→承認→適応
という段階です。(フィンクの危機モデル)
1、衝撃:最初のストレスを受ける段階です。
対応:温かい対応と寄り添い、見守り、身体損傷の予防、苦痛緩和
2、防衛的退行:自分を守ろうと逃避・否定・無関心・抑圧したりします。
対応:ありのままを受け入れる。現実に目を向けさせることは禁止。積極的に逃避させること。
3、承認:再度現実を受け入れようとする
対応:上記に加えて現実に向き合う姿勢を支持する。信頼と安全の保障。
4、適応:状況に対応できるようになる
対応:上記に加えて対策を提供する。
個人差はありますが、遅かれ早かれ、おむねこの段階で動きます。
このようにストレスに対処していくことを「ストレス・コーピング」と呼びます。
「他人といること」が重要
上記の危機の段階のモデルを見ても分かるように、必ず誰か他人を介在しています。
ストレスコーピングする際にも「何らかの形で他人とコミュニケーションを取る」ことが第一歩になります。
ではLINEやTwitterやFacebook等のSNSで文字で会話すればいいでしょうか?
しかしこれには限界があります。
「文字での悩みの書き出し」は自身を客観的に整理する手段として有効ではありますが、反応があるかもしれませんし、ないかもしれません。
相手が気分が沈んでいた場合、内容を悪く受け取るので、ネガティブに解釈されてしまいます。
同時に「行間」が読めないので、あらぬ誤解を生む可能性もあります。
もちろん文章を書くことがコーピング活動になっている人はそれでも良いですが、
書いた後やはり誰かからのフィードバック(反応)が欲しいはずです。
Zoomの対面オンライン会議が絶対失敗するワケ
では対面のビデオ電話ならどうでしょうか?
在宅ワーク・テレワークの推進によりZoom等のオンライン会議アプリが人気です。
しかしこれは必ず失敗します。
なぜなら対面構造になっているからです。
人間は対面構造は緊張してしまいます。
対面構造は自然と「相手に反対する」という心理傾向があるので会話も交渉もうまくいきません。
(※1)
これをスティンザー効果と言います。
友達同士でさえZOOMやMessageやLINEのビデオ電話で、長時間も会話の間(ま)が持たない人がほとんどでしょう。
そもそもビデオ電話は、文章を書くよりも抵抗の多い人の方が多いのではないでしょうか。
ではどうすればいいのでしょうか?
VRすれば良いのです。
気分がうつになったらVRをすると良い3つの理由を書きます。
1、VRであれば緊張が緩和される
VR空間であれば3D空間なので完全対面にはなりません。いつでも視線を外すことができます。
また話題もVRワールド空間で楽しめるので話題を切り替えることもできます。
要するに普段、友人と外出して遊んだり、話したりするストレスコーピングと近い効果が得られます。
2、悩みは身体化すると緩和される
心理学でも「身体化」「身体化認知」と呼びます。
例えば、体を温めると心も温まるという現象です。
温かいものを飲んだり触ったりすると心がやすらぎ、寒くなると寂しくなる・・
このような経験はあるのではないでしょうか?
例えば、落ち込んでいる人に温かいコーヒーを差し入れたり、怒っている人にまぁ落ち着いてと冷たい水を差し入れたり。
悩みを身体化して顕在的にすれば、改善のアプローチがしやすくなるのです。
この「身体化」がVRで最も効果が期待されることです。
リアルであればいきなり触ったり、撫でたり、手を握ったりすることはできません。
しかしVRであれば、身体的な表現から、心理的な表現へアプローチしやすいのです。
実際に「悲しいから泣く」のではなく「泣くから悲しい」という外からの刺激での身体的な変化が感情につながるというものです。
古くは末梢起源説(James, 1884)と呼ばれています。
笑顔を作ることで、表情筋の変化が感情に影響し、ポジティブな感情が上昇し、ネガティブ感情が抑制されます。
対して、悲しい顔を作ると、ネガティブ感情が上昇して、ポジティブ感情が抑制されるという結果があります。(※2)
3、アバターと臨場感が大切
VRにおいて重要視されるのがアバターと臨場感です。
臨場感とはその場で体験しているような感覚。
VR世界ではアバターと呼ばれる自分の分身を使います。
現実での顔の対面よりも、アバターでの対面で会話するほうが心理的な負担が少なくて済みます。(※3)
機械音声でも、無言でも、コミュニケーション障害(コミュ障)の人でもハードルが低いので話しやすいのです。
(かくいう私も最初はずっと無言、それから機械音声でした。今では地声です。)
ゲームで公式に用意されたパブリックアバターと、自分で作る自作アバター(セルフアバター)があります。
パブリックアバターでも良いですが、セルフアバターの方がより臨場感が高まります。(※4)
VR感覚が研ぎ澄まされ、身体的な所有感が出てくるからです。(※5)
よりリアルに臨場感を得ることで心理負担軽減に繋がります。
どのようなVR機器とパソコンを買えばいいか?
どのようなVR機器とパソコンを買えばいいか?
は以下の記事で紹介しました。
私は気軽にVRでコミュニケーションが取れるVRゲームであるVRChatをおすすめします。
(※1)
座席配置が気分に及ぼす効果に関する実験的研究 – J-Stage The Japanese Journal of ExperimentalSocial Psychology. 1996, Vol.36, No.2, 219-229 山口創 鈴木晶夫 1996
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp1971/36/2/36_2_219/_pdf
(※2)
バーチャルリアリティと感情 東京大学大学院情報理工学系研究科 助教吉田成朗(よしだ しげお)
https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2019/12/88-13-16.pdf
(※3)
現実/遠隔コミュニケーションにおける実写/VR環境および人物表示の切替 辻ノ翔子
http://www.res.kutc.kansai-u.ac.jp/~yone/research/pdf_graduate_thesis/201903g_TSUJINO_Shoko.pdf
(※4)
ソーシャルVRコンテンツにおける普段使いのアバタによる身体所有感と体験の質の向上 小柳陽光 鳴海拓志 大村廉 TVRSJ Vol.25 No.1 pp.50-59, 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tvrsj/25/1/25_50/_pdf/-char/ja
(※5)
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なぜVR感覚が起こるのか?~VR感覚を開発する方法~