原始反射とは外界で生きるために人間に備わっている反射である。発達の目安に使われる。
1、非対称性緊張性頸反射(胎児~6ヶ月頃)
仰向けに寝ている児の顔を横に向けると、顔が向いたほうの手足は伸びて反対側の手足は曲がるという反射。胎児の段階で出現し、生後6ヶ月頃までには消失。児が物を見て触るという動作の基礎。
2、緊張性迷路反射(胎児~3歳頃)
児をうつ伏せにすると手足が曲がり、仰向けにすると手足が伸びて背中が反るという反射。うつ伏せ時の反射は生後3~4ヶ月程度で消失し、仰向け時の反射は3歳くらいまで残る。体を曲げたり伸ばしたりするときのバランスを養うために必要。
3、足踏み反射(新生児期~2ヶ月頃)
生まれて間もない新生児を支えながら両足で立たせるようとすると、足を右左交互に出して歩くような動きをする反射。原始歩行。
4、モロー反射(新生児期~6ヶ月頃)
新生児の周りで急に音を立てると、両腕を伸ばして抱きしめるような動作をする反射。驚いたり不安を感じたりしたときに抱きつこうとする防衛反応。テーブルに物を置いたときのかすかな音にも反応する。
5、把握反射(新生児期~1歳頃)
手や足の指に触れたものを握ろうとギュッと指を折り曲げる反射。手の把握反射は生後4ヶ月頃までに消失するが、足の把握反射は1歳近くまで残る。
6、吸啜反射(新生児期~1歳頃)
口の中に乳首などが入ったときに吸おうとする反射。空腹のときほど出やすく、眠っているときに自分の唇を吸うこともある。この反射があるので新生児は母乳やミルクを飲むことができる。
7、対称性緊張性頸反射(生後6ヶ月~11ヶ月頃)
四つん這いになった赤ちゃんが、頭を上げると腕が伸びて足が曲がり、頭を下げると腕が曲がって足が伸びるという反射。この反射があることで、児はハイハイを覚えます。
8、パラシュート反射(生後8ヶ月~12ヶ月頃)
児をうつ伏せの状態で抱き上げ、頭を下にした状態で下降させると、手を広げて身体を支えようとする反射。大人がよろめいたときに無意識に手が出るのと同じ反射で、一度習得すると消失することはない。