【概要】
切迫早産とは妊娠22週0日から妊娠36週6日までの分娩を早産といい、早産の危険性のある状態を「切迫早産」という。
【原因】
前期破水、妊娠中毒症、前置胎盤、胎盤早期剥離、子宮の過伸展(多胎、羊水過多)子宮の異常(頚管無力症、子宮筋腫、子宮奇形)等が原因としてあげられる。しかし原因不明であることも多い。絨毛膜羊膜炎とも関連している可能性もある。
【症状】
性器出血、下腹痛、下腹部緊満感、破水、帯下の増量、胎児下降感
【検査】
・超音波断層法(頚管長、推定胎児体重)
・内診
・ノンストレステスト
・膣内細菌培養
・血液一般検査
【治療】
1、安静
2、子宮収縮抑制剤の投与(β2受容体刺激剤、硫酸マグネシウム、Ca拮抗剤、プロスタグランジン合成阻害剤)
3、抗生物質の投与
4、子宮頚管縫縮術の実施
【看護】
明らかな子宮収縮を認め、頚管所見の進行を認める場合、入院となる。安静と子宮収縮抑制剤の投与が基本。
腹部緊満や性器出血、帯下の増量から、子宮収縮抑制状態がコントロ-ルされているか観察。
全身状態の把握、子宮収縮抑制剤における副作用の早期発見。
また、妊娠中毒症、前期破水、前置胎盤など早産の原因となる疾患を持っていることも多いので、あわせてアセスメントを行なう。
胎児の発育状態についても把握する。
妊娠継続や生まれてくる児に対しての未熟性に関する不安も大きく、長期入院となる可能性もあり、精神面のフォロ-も大切。
計画として安静の重要性について理解でき、妊娠の継続ができる、ストレスが緩和され、自己を受容できる、役割行動の変容が理解でき、家族と共に対処行動がとれる、子宮収縮抑制剤による副作用に素早く対処し、精神的・身体的苦痛が軽減される