ヨードの代替品はあるのでしょうか?
ウイルスの流行によりポピドンヨード(イソジン)の不足が深刻です。(※1)
ポピドンヨード(イソジン)=うがい薬、と思っている人には意外かもしれませんが、ヨードは手術で最も使われます。
(※1)前記事
ポピドンヨード(イソジン)でのうがいは効果があるのか?
ヨードは手術で使われる
実はポピドンヨード(イソジン)は、どの手術でもほぼ必ず使います。
具体的には、手術で切る前の皮膚の部位の消毒。あるいは局所麻酔・腰椎麻酔等です。
最低でも一人のオペにつきボトル一本。最低300ml~500mlは使用されます。
最もポピドンヨードを使う手術は?
最もヨードを使うのは整形外科です。
例えば、整形外科の下肢切断術(アンプタ)、人工股関節置換術(BHP)、人工股関節置換術(THA)、人工膝関節形成術(TKA)、γネイルなどです。
半身以上は消毒するので最もヨードを使います。
手術は常に引っ切り無しに予定が詰まっていますが、整形外科は冬場になると高齢者の転倒骨折の患者が一気に増えます。
その時期にヨード不足をやられたらまずいです。
ヨードの代替品は?
ではヨードの代替品は何があるでしょうか?
ヨードの代替品はクロルヘキシジンです。
ヨードではなくヘキシジン消毒でも良いのか?
実は10%ポビドンヨード液よりクロルヘキシジンアルコールの方が消毒効果があるという最近の研究があります。
EBM(医学的根拠)の最終段階のメタアナリシス解析の研究結果です。
ヨードは3%未満の汚染、ヘキシジンは2%未満の汚染で、ヘキシジン消毒の方が効果があります。
このメタアナリシス解析による研究では10%ポビドンヨード液より2%クロルヘキシジンアルコールの方が血液培養の汚染リスクが減少。
クロルヘキシジン製剤はポビドンヨード製剤より手術部位感染が有意に低下しています。
参考
III 消毒対象物による消毒薬の選択 吉田製薬 Y’s Squareより
http://www.yoshida-pharm.com/2012/text03_01/
米国感染症学会のガイドライン(2009年)
Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Intravascular Catheter-Related Infection: 2009 Update by the Infectious Diseases Society of America
うがい薬や消毒液のヘキシジン
クロルヘキシジンはうがい薬にも汎用的に使用されています。
ウエルテック コンクールF 100ml×2個+お試しコンクールF 7ml×2個 コンクール 洗口液
例えば、速乾性手指消毒剤のヒビスコールSHではクロルヘキシジンを主成分としています。
先の読める病院はポピドンヨード(イソジン)に代替品としてクロルヘキシジンを取り置いても良いのかもしれません。
一般の方でもヘキシジンを使用する場合もポピドンヨード(イソジン)と同じく、お薬を使用されう場合は用法・用量を守って正しくお使いください。