発達障害の人に向いている職とは何でしょうか?

自分はどうしても物覚えが悪くてミスを連発したり、時間が守れなかったり、自分の行動で角が立ってしまったり・・
それで自暴自棄、自虐的にふさぎ込んでしまってもう疲れた・・

発達障害の人に合っている職業を見つけるパターンがあります。

発達障害自身の方が書いた本に答えが書いてあります。

発達障害サバイバルガイド――「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47

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借金玉:プロフィール
北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。一時は従業員が10人ほどまで拡大し波に乗るも、いろいろなつらいことがあって事業破綻。2000万円の借金を抱える。
飛び降りるためのビルを探すなどの日々を送ったが、1年かけて「うつの底」からはい出し、非正規雇用の不動産営業マンとして働き始める。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。

参考
発達障害の僕が発見した「向いている職種」「破滅する職種」の見分け方 | 発達障害サバイバルガイド | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/244232?page=2

結論から書くと4つのパターンがあるそうです。


「加点・個人」エリアを目指そう

「加点/減点」と「個人/チーム」の軸で職業を考えるのがコツです。

これは私も目からウロコでした。


(1)「成果」評価型業務
 仕事のプロセスよりも成果だけが問われる。評価は主に加点法。
 いわゆる数字で評価される営業職や企画職など。細かいミスを成果で挽回することが可能。たいていの場合は一人単位で評価される。協調性に乏しいが、独力で成果を追うことを好むタイプに向く。ADHD特性の強い人間が多く就労している業態でもある。

(2)「成果物」評価型業務
 たいていの場合は専門技能を生かした、何かをつくる業務。評価は加点法と減点法が入り混じる。
 プログラマーやデザイナーなど。成果物の出来や完成速度などが評価基準となる。評価はチーム単位の場合も個人単位の場合もある。専門技能の高さを生かしてそれ以外の問題をカバーできる場合がある。ASD特性の強い人間が就労していることの多い業態。

(3)「作業」評価型業務
 企業のバックオフィスなど、数字を上げるのではなくシステムの維持管理を主とする業務。当然ながら評価は減点法。逆転の機会は極めて少ない。
 事務職のほぼすべてはこれにあたる。当然ながら評価は減点法。逆転の機会は極めて少ない。たいていの場合はチーム単位で業務を行い、個人単位での成果ではなくチームでの成果が問題になる。個人で大きな成果を上げることがほぼ不可能な業務形態のため、チーム内での協調力が重要になる。いわゆる、「ホワイト事務職」はこの業務形態の場合が多い。

(4)マネジメント型業務
 進捗管理やマネジメントの業務。いわゆる管理職や経営者もこの枠に含まれる。評価は上司と部下両方から受けることになるため、加点法・減点法どちらかで考えるのは難しい。

参考
発達障害の僕が発見した「向いている職種」「破滅する職種」の見分け方 | 発達障害サバイバルガイド | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/244232?page=2

まとめると

加点・減点、個人・チームの四元マトリクス図で「加点・個人」エリアを目指す。

・企画・営業・技術等が伴わないと、挽回して加点される機会もない。個人ならなお良し。
・事務・作業・管理職のチーム職は減点しかなく挽回機会もなくて最悪。

自閉症スペクトラム障害(ADHD/LD)に代表される発達障害とは?

自閉症スペクトラム障害(ADHD/LD)に代表される発達障害は、集団で活動することが苦手です。
一般の方が考える「できるけど苦手」ではなく「無理だから苦手」なのです。

自閉症スペクトラム障害(ADHD/LD)に代表される発達障害の診断基準として以下の3つがあります。

1、コミュニケーションの欠け(言語障害や言語遅滞など)
2、社会性の欠け(独自のこだわり、理由なしに嫌がったりなど)
3、想像力の欠け(表情からの気分の読み取り、場の雰囲気の理解、共感能力の欠如など)

発達障害の場合、脳の物理的な神経構造によるものなので、性格や習慣を変えてどうにかなるものではありません。

なので社会に適応しようとすると苦手以前にそもそも「無理」であり、「無理な職を避ける」のがベストになるのです。

自閉症スペクトラム症(アスペルガー/ADHD)の自分の世界観とは?


職業には「過去」を守る職と「未来」を発見する職がある

法律や歴史は「過去」から掘り出すしかありません。
しかし科学(自然科学や社会科学)は「未来」を発見することができます。

職も「過去を保守し続けて失敗ごとに減点され続ける職」と「未来を発見して加点される職」があります。

「過去を守る職」は減点され続けます。
過去を守る職種なので挽回のチャンスはありません。
挽回とは「未来の話」なので過去を守るために必要ありません。
事務・作業・管理職がそうです。チーム職になると減点しかありません。

「未来を発見する職」は加点されます。
もちろん減点されることもあります。
しかし「過去を守る職」よりは挽回のチャンスはあります。
企画・営業・技術等がそうです。チーム職になると減点もありますが、「挽回の機会」があることが強いです。

このように後者の視点にまたがった職を探すことが、適職を見つけ出す手助けになるのではないでしょうか。

発達障害サバイバルガイド――「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47
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コロナ渦で社会での適応の意味が変わったように、発達障害・自閉症スペクトラムも社会適応の意味が昔と全く異なります。

察して適応しなくても問題ではなくなりました。

今は時代変遷とワンセットで次の心理ステージに向かっている過渡期と感じます。