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世間一般には神秘現象を全てスピリチュアリズムと括(くく)られるようになってしまったような気がしますが、

厳密に言うと、
スピリチュアル、ニューエイジ、(ユダヤ教)カバラ、(キリスト教)グノーシス、陰陽道(元は道教)・・などいろいろあります。

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副島隆彦氏によれば、キリスト・ムハンマド・仏陀の3大宗教の開祖は、
ユダヤ教のラチオリーズン(強欲と拝金の思想)に対抗しようと「人間を動物のように扱うな」と愛の思想(グレイス、慈悲)の思想で立ち上がった尊敬してやまない素晴らしい人物であるが、
それ以降の、キリスト教のカトリックなどの各宗派、仏教の各宗派(法相宗・陰陽道は除く)は、最低な宗教である。
と言っています。
これも中世の腐敗した教会、魔女狩りや、比叡山の僧兵どもの強欲と支配っぷりを見れば、正しい認識だと思います。

だから『魔女=悪魔』こそが、本当は正しいのです。
つまり、悪魔とは、そのような宗教の腐敗に対して『神秘主義』で対抗した者たちのことを指します。

神秘主義とは、
西洋のカバラ・グノーシス、中国の道教、日本の陰陽道などは、これに含まれます。
要するにタロット・カードなどの「占い」などの未来予測が含まれる思想です。
これらも副島隆彦氏が『大変、素晴らしい思想だ』と絶賛していました。
その理由は、全ての宗教の軸でうごめくユダヤ教のお金儲けとは相対する思想だからです。だから「悪魔」と弾圧された歴史があります。

しかし、スピリチュアリズムに関しては好ましくないようです。
なぜならば、スピリチュアリズムはインドのバラモン教を起源に持つからです。
バラモン教とは、支配差別階層の教えです。

なぜ昨今、国際金融資本家(パワーエリート:例えばロスチャイルドとロックフェラーの仲介役でスピリチュアルとエコ利権が大好きなモーリス・ストロングなど)の周囲で新興宗教団体がウヨウヨとしながら、
世界規模でスピリチュアリズムを定着させようとしている(すでにWHOの「健康の定義」の4項目にスピリチュアルが提案された)のか、それが最近、僕も分かってきました。

これによって『支配階層の固定』ができるからです。

「悪魔の用語辞典」P212~P229 (副島隆彦 著、KKベストセラーズ、2009年)
原岡弘之「スピリチュアリズム(spiritualism)~バラモン教の差別思想~」

(転載始め)
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OED(オックスフォード・イングリツシュ・ディクショナリー)で述べられているとおり、スピリチュアリズムは(spiritualism)、スピリット(spirit)、すなわち「霊魂」という概念に基づいた思想である。霊魂とは霊や魂と言った、手で触れることのできないものだ。一般にこうした肉体(物質:マター)とは別の独立した存在が本当にある(実在する)のだということを信じる思想がスピリチュアリズムである。

その中でも極端なものになると霊魂は肉体とは別々に存在するのではなく、霊魂こそが唯一実在するもの(生命の根源)であり、肉体は単なる容れものに過ぎないという思想もある。これがオウム真理教のポア(殺人)の思想を生み出した。ポアとは現在「悪いこと」をしている人間は殺した方がいい。生まれ変わってゼロから始めるチャンスを与えた方が本人のためになるという思想である。これは殺人を正当化してしまう恐ろしい考えである。

スピリチュアリズムというと西洋の思想のような気がするが、そうではない。
その正体は、古代インドの宗教であるバラモン教である。
バラモン教が現代に復活したものがスピリチュアリズムなのである。

それはでバラモン教(現在のヒンズー教、インド教)はどのような宗教だったのだろうか。
時代は遡(さかのぼ)り、紀元前1500年頃(3500年前)のインドの話である。遊牧民のアーリア人が侵入してきて、インドの先住民を征服した。その後、アーリア人は農耕をはじめ、そのまま住み着いた。そのとき自分たちの民族の純血を保つためにカースト制度という身分制度を作った。先住民はスードラ(奴隷階級)として自分たちと血が交わらないように区別(差別)した。このカースト制度が基盤となって生まれた宗教がバラモン教である。
(中略)
支配階級の人間が最も恐れることは、下の階級の者たちが一致団結することである。いくらバラモンが上で威張っていたとしても下から数の力で来られたら弱い。バラモンの言うことを、おとなしく聞かせて、人々の精神を支配したい。そのためひ作られたのが、カースト制度を基幹とするバラモン教の教義である。
このバラモン教の恐ろしい差別思想を、現代のスピリチュアリズムは受け継いでいる。
バラモン教を見てみると、古代のインドが今の日本とそっくりの社会構造をしていることに気付く。上には既得権益(ヴェステッド・インタレスト)が存在し、下のは絶対的貧困層(一生分棒から抜け出せない人たち)が存在する。国家は「カースト制度」によって階級は固定化され、人々が希望をもちにくい世の中になっていく。
(中略)
バラモン教の教義は、当然、支配層のバラモンにとって都合の良論理である。自分前世(前の人生)の行いが良かったから、自分は今世(この人生)え高い身分に生まれることが出来たのだ、と自らを正当化することができる。
(中略)
そんな教義を下の層が信じるだろうか。普通に考えれば、あり得なさそうである。バラモンの裏返しの論理になるからだ。しかし現実には、奴隷階級や不可触民の人たちもこれを信じている。信じていると言うことは何らかのメリットがあるからだろう。
バラモン教の教義は実に教妙にできている。「霊魂の存在」「カルマ(業、行い)によって魂のレベル(階層)が異なる」「魂の生まれ変わり(輪廻転生)」という考えが三本柱になっている。
貧しい家に生まれた人は、自らの霊魂が前世の行い(カルマ)を積んできたからだとする。たしかにこの人生は苦しいものになるかもしれない。だが、頑張って悪い行いを清算し良い行いを積めば、次の人生では上の層に生まれることができると考える。
すごいのはここからで、頑張れば良くなるということは、頑張らなければ悪くなると言うことだ。つまり「もっと下の層に落ちてしまう可能性もありますよ」と脅している。下の層には落ちたくない。なんとか上の層に上がりたい。こうした思いで、下の層の人たちも、支配層であるバラモンと同じ教義を信じるのである。
(中略)

だからバラモン教の教義を現代に引き継ぐスピリチュアリズムには気をつけなければならない。

(中略)

18世紀の後半にイギリスで産業革命が起こった。

(中略)

スピリチュアリズムは19世紀の中頃、具体的には1848年3月31日が発祥の日とされている。
この日、世界で初めて、アメリカのある村でポルターガイスト現象が確認された。
その後、スピリチュアリズムの思想はアメリカ全土に広がり、イギリスでも研究されるようになった。多少の紆余曲折を経て今日に至る、
ここで注目しなければならないのは、スピリチュアリズムの誕生が産業革命(インダストリアル・レヴォルーション)の後だということである。つまり、人々が工場で働くようになってからだ。義務教育で個性を消され、先生や上司の言うとおりにする人間が評価される社会になった。
このとき、それまで潜伏していたバラモン教が目覚めた。自分の頭で考えることの無くなった人たちは、誰かに思考をゆだねることになる。その誰かとは、仕掛けてくる人たちである。策謀(プロット)をもった人たちである。

人から基準を与えて欲しい(自分の頭で考えたくない)人たちの存在を、新興宗教や電通(日本のメディアを徹底的に操る会社)は見抜いていた。
(中略)
2005年9月11日の”小泉郵政クーデター選挙”では、スピリチュアリズムを信じる層が狙い撃ちにされた。いわゆる「B層」(小泉内閣を支持した層。具体的な政治や経済のことは分からない人たち)である。落としやすいところを落とすというのが、マーケティングの基本である。自分の頭で考えることを放棄した人々を、支配者とその手先は簡単に洗脳でき、利用できる。

このように考えてくると、スピリチュアリズムを批判する人が、なぜ釈迦の思想を持ち出すのかが理解できる。仏教は紀元前500年頃(2500年前)に、当時のインドを席巻していたバラモン教に対抗するために釈迦(ゴータマ・シッタルタ)がつくりあげた宗教である。仏教(ブッディズム:ブッダの教え)はバラモン教とは違い、霊魂の実在を認めない思想である。霊や死後のことを口にするのは釈迦本来の仏教ではない。29歳で出家した釈迦は、厳しい修行の末、35歳で菩提樹の下で瞑想をし、ついには悟りを開いた。自分1人が悟るだけの人なら他にもいただろう。釈迦が今でも尊敬されているのは自らが悟りで得た知恵を人々に教えたからだ。
釈迦は、当時のインド社会を覆っていたカースト制度を打破したかった、人々を差別の恐怖心から解放したかった。そのためにひとりで立ち上がった、仏教は人民救済思想である。今ではインドの貧困層の多くは仏教徒である。このことは今年5月のインドの選挙の時に明らかになった。
バラモン教に対抗するためには、仏教が最高なのである。現代で言えば、スピリチュアリズムに対抗するためには、釈迦の教え(特殊日本人化した仏教ではなく、釈迦本来の仏教)を学ぶことが最も理に叶っている。
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(転載終わり)

・・とは言うものの、
アメリカ人のビジネスマンのストレス値と、インドのビジネスマンのストレス値を比較した調査では、インドのビジネスマンのストレス値は低いという社会心理学の調査があります。
その理由は「前世を信じているから」です。
アメリカ人の場合、何か自分に都合の悪いことが起こると「これは自分の責任だ。これは自分の罪だ。」と考えるのに対して、
インド人の場合「これは前世の自分の行いが悪かったからだ」と考えるからです。
効果が高いのは明らかに後者のインド人の発想です。

更に「頑張れば良くなる、頑張らないと落ちる」というのはスピリチュアリズム・バラモン教に限った話ではなく、学校や企業でも同じような言い回しで利用されていると思います。

確かにB層(テレビの世論操作に何も考えずに何でも乗ってしまう人たち)はテレビで持ち上げられた人物にヒョイヒョイと乗ってしままいますが、”スピリチュアルを信じる=小泉も信じる”という論法はどうでしょうか。
どちらかというと小泉・マスコミ(電通)に狙い撃ちにされたのは、スピリチュアリズムは否定し、唯物的に強欲と拝金の思想(ラチオ・リーズン)を崇拝する若者の神経症者だったと思います。

それはあの拝金主義者で定評があり、小泉も支持していた堀江貴文(ホリエモン、また最近、竹中平蔵とグルになりだしてゲンナリした)のテレビを通じての若者層人気を見ても分かることです。
まして、ホリエモンのような人物を崇拝していたスピリチュアリストも当時いなかったと思います。(今でもいないと思います)

”スピリチュアル=オウムも信じる”も極端です。
まるで犯罪者は全てスピリチュアリストで、現在、刑務所に入っているのも全員スピリチュアリスト(もしくは新興宗教団体)もしくは小泉支持者だとでも言いたいような論調ですが、
はっきり言って、拝金的・破滅的・科学崇拝(唯物論者:キリスト教ユニテリアン)のアノミー三大思想を持つ者が最も危ないです。
中国の毛沢東の科学崇拝で1億人近くも虐殺して死者・重軽傷者を出した天安門事件、
日本のオウム真理教で12人の犠牲となった地下鉄サリン事件、
インパクトがあって印象に残るのは後者のサリン事件ですが、
明らかに歴史的な被害や数から見ても、前者の中国政府思想の持ち主の方がヤヴァイと思います。

現にオウムの信者の大半は高学歴な理科系であり、しかもオウム自体、元々学生運動時代からの赤軍派などに代表される左翼団体が、解体してきて、すがる(依存する)ものがなくなって、アノミーになってやり始めたのがオウム真理教なのです。

だからオウムの元は科学万能主義者(左翼、理科系は最大の牙城)からできた宗教であったからこそ、サリンも作れる科学力がありました。

神に祈っていたらサリンがプレゼントされたわけではありません。

このことは小室直樹氏も「宗教原論」の中で書いています。

副島隆彦氏の著書の中で、副島氏が冒頭で神秘主義を絶賛しながら、原岡弘之氏がこのような偏った文章を、スピリチュアルの項目で書いていたので少し気になりましたが、
とりあえずは、カバラ・グノーシス・陰陽道などの神秘主義をスピリチュアリズムと一緒にして考えてしまうのはマズいということはよく分かりました。