児童養護施設にパソコンを寄付してもほとんど使われないであろう問題

医療・社会福祉

元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏が児童養護施設へのパソコン提供するとのこと。とても良いと思います。私も賛成です。見習いたいです。

・お金を寄付しても途中で上が中抜して横取りしてしまう。
・国が多額の予算をかけて15年以上前の今は使えないゴミのような機能のパソコンを子どもに配っている現状(安いパソコンを高く売って差額を大人が中抜きする)
・前澤友作氏はお金は配るけど、児童養護施設は数が少ないから配らない(その後のフォロワーにならない)と言って配らなかった。

以上の理由から、お金ではなく、仕事を覚えるための「道具」であるパソコンを配ろうとしています。

しかも最低でもゲームが出来るレベルのパソコン。

とても良い視点で、生産的です。

ただいくつか問題点があります。

それは寄付の行動ではなく、その「寄付したモノが使われないであろう問題」です。

1、児童養護施設は時間割がギチギチ

児童養護施設でパソコンがあっても、施設内で利用する場合、わずかな自由時間で事前に利用票の提出する必要があります。

・使う時間
・使う目的
・使い終わった時間(最大1時間まで)

等々を職員へ提出する昭和の小中学校のような縛りがあります。

2、指導員が許可しない

もう一つは、指導員が許可しない問題です。

児童養護施設の指導員は、社会福祉士、保育士、心理士等々、最低でも大学レベルの有資格者です。

なぜ有資格者か?

昔は「虐待受けて児童養護施設に来る子どもなんて、親の言うことを聞けなくて甘えてるんだ!」と「親は無条件ですごい」という「父性主義」だったので、児童養護施設内で職員による二度目の虐待や体罰が多くありました。

そのため昭和の根性論の体育会系。木刀を持った刑務所の看守みたいなコワイ人が指導員をやって仕切っていました。

なので虐待を受けた子どもを保護する場所で二度目の体罰や虐待が行われるので問題となり、最低でも資格を持った人が指導員となりました。

しかし、児童養護施設での時間割の日課はほとんど昔から変わっていません。

6:00朝の朝礼、体操、7:00食事、勉学、6:00食事、9:00就寝・・

例えるならば、「自衛隊学校」や「刑務所」と同じく厳格で規則的な時間割と空気の場所なのです。

職員は有資格者であっても、この日課を「守らせよう」とします。

その結果、まだ昭和の根性論の体育会系で木刀を持った刑務所の看守みたいなコワイ人が指導員をやっている場合が大いにあります。

そして彼・彼女らはパソコンの情報知識はほとんどありません。

その根性体育会系な職員がそれを許すかどうかが問題です。

ゲームできるパソコンがあっても、上官の指導員がそれを許可するかどうか。

感謝はされるが、実際には運用されない

よって表向きは寄付者に感謝されます。

しかし現実に利用者は、最大たった1時間程度のパソコン使用許可票を指導員先生に事前申請しても破かれる勢いがあります。

学校や生活共同系の福祉施設において「昔は厳しかったねぇ、今は変わったよぉ」と「思いたい」ですが、毎日の時間割ガチガチの規則日課の中で、わずかな変化でも20年単位でかかっているのです。

覗いてみると現状は言うほど全く変わっていません。

今後の変革の期待を込めてパソコンを寄付することは素晴らしいことです。

ですが児童養護施設の古くから行動伝統を守ろうとする「空気」がそれを許さないのです。

タイトルとURLをコピーしました