医療従事者への中傷や不当な扱いのニュースをみていて気付いたことがあります。

病院には非難の電話などが寄せられたことから、実態を把握をするため医療スタッフや職員にアンケート調査を行ったところ、回答があった146人のうち、およそ6割にあたる84人が深刻な中傷や不当な扱いを受けていたことが分かりました。

新型コロナ院内感染で深刻な中傷や不当な扱い 京都市の病院 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200626/k10012484491000.html

病院に誹謗中傷する人は、

病院の「院内感染」と巷のクラスタの「集団感染」の区別がついていないのではないでしょうか。


巷での「集団感染」と病院での「院内感染」の違い

巷での「集団感染」は自然的に起こっていくものです。

自覚があったにせよ、なかったにせよ、能動的であれ、受動的であれ、起こることです。
小規模な患者を集団(クラスター)と呼び、次の感染源を生んでいきます。

一方、

病院での「院内感染」は医療機関内において感染した感染症のことです。

医療従事者が「患者を治そうとする目的」の結果という、病院内という環境がなければ発生し得ない感染症です。

少なくても「流行らせよう」とは思っていません。「感染拡大させてはいけない」という行動の結果に起こったことです。

最終的に「集団感染」に成り得るかもしれませんが、動機が全く異なります。

「気をつけていなくて起こってしまった」も含まれる巷での集団感染。
感染患者からの感染を避けようと「気をつけていたけど起こってしまった」という院内感染。

動機と目的が全く違う

「院内感染」と「集団感染」を例えるなら、

手術と動物虐待、自動車修理と不正改造、薬物療法と薬物依存、キャンプファイヤーと放火、不慮の事故と飲酒運転の事故の違いようなものです。

動機と目的が全く違うのです。

病院へ誹謗中傷する人は、手術して治療する人に対して「動物虐待だ」と言っているようなものです。
キャンプファイアーや花火する人に「放火だ」と言っているようなものなのです。

動機と目的が全く違うのです。