ジブリ宮崎駿の恩師・中川李枝子に学ぶ児童文学~「となりのトトロEDさんぽ」「ぐりとぐら」の秘密~

ジブリ宮崎駿の恩師・中川李枝子に学ぶ児童文学~となりのトトロEDさんぽの秘密~

前操作期へのアプローチ

例えば、アスペルガーの人の書く小説を読むと自然描写がない。なぜなら「みんな知ってるでしょ、書く意味ある?」という。自分以外の視点が想像できない(三ツ山問題)から。 ありのままな直情的な表現するのは強いが、空や風や植物に投影して高尚な日本文学のように心象風景描写の「察し」はできない

これは発達過程で前操作段階(7才程度)で止まったからに由来するが、児童文学の「絵本」では発達過程を考慮しなければならない。

前操作段階 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89 自己中心的思考では、もっぱら自分の視点から世界を見ているため、「自己中心的な子どもは、他の人も自分とまったく同じように見たり、聞いたり、感じたりすると想定している」

特に中川李枝子のような優れた児童文学者の生きた時代は、映像的な媒体がまだ少なく、母子相互関係の中で「文体」で想像させて伝えるしかなかった。 その時代にピアジェの前操作段階まで入れ込んで発達障害へも理解を促す絵本を書くのは至難である。

 

全操作期以前(脱自己中心化以前) つまり発達遅滞やアスペルガーへ理解を促すには「~のような」「~な」「~い」(ナ形容、イ形容)の「例え話」や「形容詞を限りなく排す」ことで、スムーズな事実共有が可能になる。 中川李枝子の「ぐりとぐら」「いやいやえん」「トトロのEDさんぽ」

 

 トトロのED「さんぽ」の前操作期

例えば、中川李枝子・作詞のトトロのED「さんぽ」では、児童発達過程が順に進む。
1番では外界の客観的事実
2番では虫という別の生命
3番では哺乳類まで
それを受容的に統合して「楽しいな」
最後で初めて人間の「形容詞」が表現される。
さんぽ (となりのトトロ)

 「ぐりとぐら」の形式的操作期

中川李枝子の「ぐりとぐら」では「卵」から「何ができるか?」と一歩先の未来を自由に創造させる構成になっている。

これは 11歳~:形式的操作期「知識・経験を応用し、結果を予測して行動や発言ができるようになる」を最後に想定している。

 

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