ホリエモンとひろゆきの思考法をまとめました。

ホリエモン(堀江貴文)氏は元ライブドア社長の起業家です。
ひろゆき(西村博之)氏は元2ちゃんねる(現5ちゃんねる)やニコニコ動画の創始者です。

私も2000年頃からパソコンを触り始めたので、2ちゃんねるを閲覧しながらライブドア事件も共に見ていました。
この20年以上の間、ホリエモンとひろゆきは仲が悪そうに見えるのに一緒に行動してうまくバランスを取っています。
なぜ意見が違ってもバランスが取れるのか?
そして反対意見の人を煽って炎上することが多いのはなぜか?
と考えてみました。

二人とも基本的な思考法は同じなのですが、お互いに相互補完し合っているのです。

パターンが分かると振り回されなくなります。


ホリエモン(堀江貴文)氏の思考法

①未来は絶対にこうなるという過剰な理想を描く
②その未来に合わせて同意者を求める
③それ以外を叩く

メリット:夢があって勇気をもらうことがある。絶対的結論が先にある数学的思考。

デメリット:その夢が理想すぎて多くがついてこれない。連いて行って巻き込まれる。

ひろゆき(西村博之)氏の思考法

①同意見と反対意見の両方を把握する
②「自分の考えと同意見」の中の「低確率で起こりうる「外れ値」」に自分を置く
③それ以外を叩く

メリット:両方の立場に立てる。すぐ逃げられる。懐疑的で理科的な思考。

デメリット:「低確率で起こりうる外れ値」の立場で逆張りするせいで、同意見なのに一周して反対意見になって矛盾する。どっちなのか分からず仲間が集まりにくい。


ディペート議論の基本「トゥーミン・ロジック」を知っておこう

ディベート議論するときの基本的な思考法は過去記事で書きました。

ディベート議論のトゥーンミンの論理とは?

ディベート議論のトゥーンミンの論理とは?

・主張(クレーム:claim)にするには、
・「根拠・事実」となるデータ(Date)が根底にあります。
・そのデータが利用可能であるとする「理由づけ」ワラント(warrant)があります。

・理由づけの裏付け(バッキング:Backing)は、理由づけ=ワラントを更に裏付けます。
・相対的強度(クオリフィアー:Qualifier)は、「可能、たぶん、おそらく、~%の確率で」等で定量的な表現でクレームを固めます。
・反証・例外(リザベーション:Reservation)は、クレームの例外を主張します。

ホリエモン氏は、データやワラントは乏しいものの、クレームを強く主張します。

ひろゆき氏は、クレームは乏しいものの、データやワラントを固めて、なぜか例外(リザベーション)の立場でいようとします。

ホリエモンとひろゆきの思考法が合わさるとバランスが取れる

例えば、りんごとみかんのどちらが人気か?という議論があったとします。
りんご派とみかん派で分かれたとします。
ホリエモン(堀江貴文)氏がりんご派だとすると
「りんごマジ好きだよ!りんごの売上高の方が高いし!将来はAIがりんごを自動生産して世界中りんごだらけだよ!みかん派はバカだね!」
と言います。

ひろゆき氏もりんご派だとすると
「でもりんごて腐りやすいじゃないですか。近所のスーパーでも食品ロスで捨てられまくってるらしいですよ。りんご派はバカですね。」
仮にみかん派だとしても、
「でもみかんて腐りやすいじゃないですか。近所のスーパーでも食品ロスで捨てられまくってるらしいですよ。みかん派はバカですね。」
と言います。

ひろゆき氏の場合、意見を強化しようとしているつもりであっても、かなり限定的な外れ値で逆張りしすぎて一周して反対意見になっているのです。

ひろゆき氏は、何らかの思考をするときに「低確率で起こりうる少数派事例」の立場に立ちます。
全体を見回してから判断しているので、大きな枠組みは理解しています。
実験している発想そのものです。
しかし実験において「大失敗」という可能性を慎重に回避することはできますが、企画のトップ・リーダー主導の人が「低確率の少数派事例」を想定するとプロジェクト全体が動かなくなります。
なので中心トップではなく「外部のアドバイザー」のポジションのほうが合っています。

トゥーミン・ロジックでいうと、クレームを強く主張するホリエモン氏と、外枠を固めようとするひろゆき氏の思考法が合わさればバランスが取れるのです。


「ではもっと良くなる提案を下さい」が最大の弱点

2人を合わせてトゥーミン・ロジック思考法であってもまだまだ弱いです。

むしろそれでスタート地点なので、ここからディペートの本番になります。

過去に他人を否定ばかりする人は、神経症(不安障害)の傾向があり、
彼・彼女らの最大の弱点は「ではどうしたらもっと良くなりますか?」という提案を求めること。
と書きました。
過去記事
なぜ自己愛は散々他人を否定するのに負けると「私は興味ない」「どうでもいい」と言い出すのか?

ディペートでも同じです。

「ではもっと良くなる提案を下さい」と話を詰めていくのがディペートの攻め方になります。

必要性と有効性を問うこと

ディペートでは基本的に理由づけとなるワラントを崩していきます。

その際に、ケースサイド(必要性)、プランサイド(有効性)があります。

ケースサイド(必要性)とは、「なぜそれをやらなければいけない必要があるのか?」という問いです。

プランサイド(有効性)とは、「解決できるのか?どれぐらい有効な利益があるのか?」という問いです。


必要性を問われたときの反論方法

ケースサイドへの反論には「ハーム」と「インへレンシー」を問うて攻撃していきます。

ハーム(問題性)・・重要度。ハーム(問題)を解決できるかどうか?
インヘレンシー(内因性)・・現状維持(内因)で解決できるから議論そのものいらないのでは?(そう言いながら相手を取り込む)

有効性を問われたときの反論方法

プランサイドへの反論には「ディスアドバンテージ」と「ソルベルシー」を問うて攻撃していきます。

ディスアドバンテージ(不利益)・・不利益がどれくらいあるか?
ソルベルシー(解決性)・・ケースサイド(必要性)に対して解決できるか?インヘルシーと合わせてケースサイド(必要性)として扱える。

このように議論を割って入っていけばいくらでも理論を強化したり、反証したりすることが可能です。