最近ディズニー映画を見ています。私はディズニーの映画を幼少期に見ていませんでした。キングダムハーツというゲームをやって育ちました。とても「もったいないことをしたなぁ」と感じる次第です。
本当に素晴らしい作品が多いからです。
脚本・作画・演出・・どれも定型ではありますがとても良くできています。
ただ、いろいろな作品を見ていく中で1990年の「ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え」という作品はとても奇妙に移りました。
ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!
ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え
リトル・マーメイドと美女と野獣の間に作られた作品です。1977年に1作目「ビアンカの大冒険」が作られ、1990年に2作目にあたる「ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え」が作られています。
日本では劇場未公開なので、知らない人も多いような作品です。
ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救えの奇妙さ
何が奇妙かと言うと「アメリカがオーストラリアを助ける」というストーリーで、ディズニー作品には珍しく国の名前や国際事情もはっきり出てくるということです。
ディズニー作品はフランス、メキシコ、中国など「その国を舞台にしてフォーカスする(焦点を当てる)」ことはあっても、「主人公がアメリカで他の国を助けに行く」と露骨に国名まで出して他の国同士を描くことは少ないからです。
実際にディズニーは戦時中にドイツ・日本・イタリアを敵対的に描くプロパガンダ映画を描いていますが、
この「ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え」は明らかに米豪友好のプロパガンダを感じました。
つまり「アメリカとオーストラリア仲良くしましょう」という目的で作られた映画です。
アメリカのリベラルの牙城であるディズニーが、1990年前後の米豪関係を強化させる出来事が何かあったのでしょうか…?
アメリカとオーストラリアの友好プロパガンダ映画
ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!
ディズニーの「ビアンカの大冒険」(1990)という作品。やけにアメリカとオーストラリアの友好強化の意図が強いと思ったら理由が分かりました。
1984年から太平洋事情が冷戦も背景に荒れはじめたため、アメリカのリベラルが率先してプロパガンダのために作ったのでしょう。
1984年にニュージーランドで成立した労働党政権は、選挙時の公約に則り核積載艦船の入港を拒否した。これにアメリカが反発し、太平洋安全保障条約(ANZUS)破棄を示唆したが、
オーストラリアが両国の間に立って、間接的に3国の関係を維持することで危機を乗り切った。ただし、以後ANZUSは事実上、米豪の2国間協定となっている。
当時は1980年代はイラン・イラク戦争が中心に行われていました。1990年から湾岸戦争に突入します。
戦争を支援するアメリカにとって太平洋ルートを確保することが重要でした。
そのためオーストラリアや日本を始めとした太平洋諸国を抑えて関係強化する目的で作られた映画だったと感じます。
一方で劇中に戦士した人のカバンだけが親元に届けられるというシーンも印象深く描かれているため、反戦への思いも込めた作品であったのでしょう。
ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!