「ダメだよ」と注意したのにすぐ同じことをやって周りを困らせる人っていますよね?
なぜ彼・彼女らはやってしまうのでしょうか?
多くの場合、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)か、自己愛性パーソナリティ障害が原因でやっていることがあります。
自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)は自分の話として受け取っていない
自閉症スペクトラム症(アスペルガー/ADHD)の自分の世界観とは?
過去記事でも書いた通り、
自閉症スペクトラム障害は外部の世界観で生きています。
なので自分の話をしていると感じていないのです。
①「~君、あなた」と言っても「自分のことではない」と認識しています。
通常、「あなたに言っているのよ」と言われたら、「私に言っている」と受け取ります。
しかしアスペルガーだと「”あなた”という誰かに言っている。私には関係ない。」と受け取ります。
②それ以降「あなたとは、あなた自身のことだ」と他人に言われて「あなた=私」と認識します。
③そして一人称が「私は」ではなく「あなたは」「みんなは」となることがあります。
自分に非のあることでも「あなたが悪い」「みんなが悪い」と言ってトラブルになります。
なのでアスペルガーの人が人に注意する時に「あなたに言っているんですよ!」と怒るときがありますが、目の前の人に言っていない可能性があります。
典型的なのは「普通」とか「常識」という言葉が通じない、本人もわからないというのがここからきます。
他の世界と統合されていないのです。
例えば、「猫をいじめてはいけないよ」と言われても、「ねこ」という名前のものだけに言っていると考えます。
ミケ猫やシャム猫は別なので、関係ないだろうといじめます。
「道路に飛び出ると車にはねられるから危ないよ」と言われても、「くるま」という名前のものだけに言っていると考えます。
軽自動車もワンボックスカーもレクサスも「くるま」という名前ではないので、関係ないだろうと飛び出します。
仮にレクサスが通った時に道路に飛び込んで注意されても「くるま」という名前ではないので、何で注意されたのか分からないのです。
「くるまは通ってないよ!」「約束は守ったよ!」「くるまが悪い!」と奇妙な会話が起こります。
自己愛性人格は「自分が注意されることはありえない=真っ先に逆らおう」とする
人格形成された思春期以降だと自己愛性パーソナリティ障害の可能性があります。
特徴的なのは「自分がやられて嫌だったことを真っ先に他の誰かにやろう」とする行動です。
全知全能たる自分がいるので注意を受けると「自分が注意されることなどありえない、こいつが悪い、こいつが嫌がることを真っ先にやらなければ、逆らわなければ!注意されたことをやろう!」となります。
もちろん発達上で、アスペルガーの上に自己愛性人格が乗っかってくることもよくあります。
「動機」に注目することの大切さ
多くの場合は、アスペルガーや自己愛性パーソナリティのような「コミュニケーションの奇妙さ」は生まれてきません。
注意する方が自己愛の可能性
あるいは注意する方の人が「出来ているのにも関わらず、出来ていないこと」にするために必死に他人の重箱の隅をつつくような粗探しをして他人の評価を下げてやろうとする自己愛性人格障害のパターンもあります。
誹謗・中傷・嘲笑にかけては超一流の自己愛性人格障害
脳卒中や認知症の可能性
右脳で脳出血や脳梗塞で脳卒中になると、全体能力が低下して感情が抑制できなくなり情動で行動し、何度注意されたのに同じ失敗をしてしまうようになります。再学習が難しくなります。
またアルツハイマー型の認知症で脳が萎縮すれば記憶力も低下します。
このような脳の器質的な原因もあります。
うつ病の可能性
同じ用にストレス等の心身疲労から神経衰弱してうつ病になると記憶力の低下も起こります。
これも脳の原因です。
ここで大切なのは「動機」に注目することです。
様々な可能性が考えられるので「なぜそれをするのか?」を考えれば、単純に忘れっぽいのか、病気の可能性なのかを探ることが出来ます。