教会とさくらんぼのハイパーコレクション(過剰修正)

政治経済・近代学問

ドイツ語の
Kirche:教会
Kirsche:さくらんぼ(チェリー)

単語も発音も似ています。語源が同じなのでしょうか?

英語ではchurch, cherryで少しだけ似ています。しかし発音は違います。

単語が似ていて発音が違う、逆に発音が似ていて単語が違う。

なぜ教会とさくらんぼがほとんど一緒になったのか分からない…

気になったので調べてみました。

教会とさくらんぼのハイパーコレクション(過剰修正)

ch語源では古来のkの発音の名残りがドイツ語に残ったようです。

ch | Etymology of ch by etymonline
"tsh" sound. In some French dialects, including that of Paris (but not that of Picardy),… See origin and meaning of ch.

日本語でも英語でも解説してあるページなかったのでドイツ語で調べたら面白かったです。

これをハイパーコレクション(過剰修正)hypercorrectionと言うようです。

Kirche statt Kirsche, Gechichte statt Geschichte , technich statt technisch (bei Helmut Kohls Zitat des „Mantels der Geschichte“)
Hyperkorrektur https://de.wikipedia.org/wiki/Hyperkorrektur

ドイツ語のWikipediaには「歴史」と「技術」の例も書いてあります。

Kirche ケイルッシャァ(さくらんぼ)とKirche ケイヒャァ(教会)のKir。

特に関連性はないはずが、発音を合わせようとした時にそれっぽくした結果、一緒になってしまったようです。

日本語で例えると・・

日本語で例えると、
・デスクトップ (desktop) →ディスクトップ
・ディスコ(disco)→デスコ

のようなものです。

2つの単語に関連性はありません。
そのままカタカナで筆記すると「デ」と同じ文字を書きます。
発音が「デ」でも「ディ」でも本来の同じような音。

要するに「まぁ同じ音やろ」的に、なーなーな感じで同じように使われて定着したハイパーコレクション(過剰修正)。別に語源関連なかったりするようです。

例えば、日本語の同音異義語。
これは元から固有名詞なのでハイパーコレクションのように発音からの変遷の歴史はありませんが、
「hashi」で「橋」と「箸」のように同じ文字列で同じ音だけど由来に関連性はありません。
「hashi」同じ音で「同形異義語」ではあるけど名詞の由来に関連性はないのです。

多くの英語は接頭辞や接尾辞が同じであれば、共通の語源があります。

しかしドイツ語語源でそれがない単語もあることに驚きました。

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