帝王切開と看護

帝王帝切は、麻酔→消毒→腹壁切開→子宮切開→胎児娩出→胎盤娩出→子宮筋の縫合→腹壁縫合の順で行われる。

1、麻酔

胃のあたりから下の部分を麻酔する脊椎麻酔が行われる。
緊急状態の時は全身麻酔になることもある。
硬膜外麻酔を脊椎麻酔と併用することもある。
硬膜外麻酔の際に留置したカテーテルによって術後の疼痛管理も可能。

2、消毒

術者は消毒を肘上までの行う。
脊椎麻酔で仰臥位になると仰臥位低血圧症候群という急激な血圧低下が高率に発生することたがるため、ベッドを少し傾けたり、タオルを敷いたりして予防する。

3、腹壁切開

腹壁切開(皮膚の切開)は縦と横がある。横切開がボディイメージの変容が少ないので多く行われる。
メスで数ミリの厚さの皮膚を切るとその下には柔らかな皮下組織(脂肪組織ですね)がある。
皮下脂肪の下には腹直筋を包んでいる非常に丈夫な筋膜とよばれる膜がある。
この膜を切ると真っ赤な腹直筋が見える。腹直筋は腹部中心を2本平行して存在している。
2本の腹直筋の間を分けてはいると非常に薄い膜である腹膜が見える。

4、子宮切開

腹膜を切ると子宮の表面が露出する。子宮は子宮下部横切開を行う。

子宮筋層の前に、子宮表面に漿膜(子宮を包んでいる薄い膜)があるのでハサミで横に切る。
漿膜を剥がしてから子宮筋層を切開して行う。子宮の下にある膀胱は下に押し下げてから切る。

筋層(筋層は厚さ5mm~10mmほど)を慎重に切る。
次に卵膜(羊水の入った袋)が見えてくる。
両サイドへ数センチずつ切開創を広げる。

5、胎児の娩出

卵膜をピンセットでつまんで破り(非常に薄い膜です)羊水を流出させる。
子宮の中へ術者の手を入れ、胎児をつかんで子宮外に出し、子宮の底部を押すと胎児が摘出できる。
臍帯を切断する。

6、胎盤の娩出

胎盤を取り出して子宮の収縮を促す。子宮収縮剤で収縮させることが多い。
子宮筋層の切開創から出血が多い際には一時的に止血することもある。

7、子宮筋層の縫合

子宮筋層を縫合する。
抜糸の必要がない、数ヶ月で自然吸収される糸を使って縫っていく。(70cmほどの糸での連続縫合)

子宮切開創から出血の確認、子宮や卵巣や卵管に異常がないか、ガーゼや手術道具の数がちゃんと合っているかどうかを確認。

8、腹壁縫合

腹壁を切った逆の順番で閉じてゆく。
腹膜、筋膜、皮下脂肪、皮膚の4層を縫合。

子宮筋層は2層、子宮表面の膜を縫うと子宮だけで3層の縫合。
皮膚は皮下組織や筋膜があるので全部で3層から4層で縫合。
手術時間を30分とすると赤ちゃんが出るまで3分ほど、その後ほとんどが縫合時間である。

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