2020年4月10日、国の緊急事態宣言を受けて主要都市であるはずの名古屋のある愛知県が名古屋飛ばしされ、観光地でリスクが高いはずの京都府も対象地域にはなりませんでした。
知県や京都府が「緊急事態宣言」の対象地域に追加するよう求めていることについて、「対象にするかどうかは、政治が恣意的(しいてき)に決められるものでない。感染者の数や拡大のスピード、医療提供体制などに着目して専門家が日々、分析しており、『諮問委員会』の専門家の意見を聴いて、適切に判断していきたい」
「愛知 京都 岐阜『急増の段階にない』という判断」経済再生相 2020年4月10日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200410/k10012380661000.html
なぜ愛知・京都・岐阜を緊急事態宣言の対象地域に追加しなかったのか?
感染防御の基本は水際対策。なので県知事レベルでリスクと判断すれば緊急事態宣言を出して予防するのに越したことはありません。
今回の場合、「そもそも国は感染者数の数やスピードなど見ていない」という話は前記事で書きました。
前記事
簡単に日本政府の行動を先読みする方法~2020年世界金融危機・感染症対応にて~
記事で書いた通り、2020年4月7日に緊急事態宣言を出してから日経平均株価は1万8000円台を推移しています。
出しても問題はないはずです。
自民王国の県の要望が通らないのはおかしい
愛知県は兎も角、京都や岐阜県の「自民王国の要望」を政府が断るのが引っかかりました。
首相よりも先輩で族議員のOBもいる県です。
知事権限とはいえ、首相より上の地方の族議員OBに許可は得て申請したはずです。
日経でも1万9千円台。便乗で出しても問題はないのです。
なぜ愛知・京都・岐阜を緊急事態宣言の対象地域に追加しなかったのか?
なぜ4月10日に愛知県、京都府、岐阜県を全国緊急事態宣言に追加しなかったか理由がこれでしょう。
日銀は10日の東京株式市場で通常のETF(上場投資信託)を1202億円購入した。前回9日と同額
日銀、10日に通常のETFを1202億円購入 J-REITは20億円 2020年4月10日 ロイター
https://jp.reuters.com/article/boj-etf-idJPKCN21S0V8
3月末のオリンピック延期も、4月7日の緊急事態宣言も「なぜネガティブニュースなのに株チャートが上がる」と投資家を困惑させていました。
緊急事態宣言を出してから、株価が下がらないように日本銀行が買い支えていたのです。
そもそもオリンピック延期も緊急事態宣言も「アメリカのポジティブニュースに釣られて日経が上がったタイミング」を狙って出しています。
むしろ元から日本の市場には力がない。イカダが大波のアメリカ市場に釣られて動いているだけなのです。
緊急事態宣言の全国版を出してから、日経が落ちるたびに、必死に日経平均を1200億円出して連日買い支えている。
それとアメリカが一週間後の感染症からのピークの回復期にあるのでネガティブ材料で日本が足を引っ張るわけにはいかなかったのです。
日本の株価が下がれば、アメリカの株価にも影響を与えてしまう可能性があります。
日本政府にとって「日経平均とNYダウは連動している」と錯覚させなければならないのです。
「日本銀行が必死に買い支えているときに、追加の緊急事態宣言で買い支えている株価が下がるのを懸念した」というのが真相です。
こうしてみると本当に日本政府はアメリカファースト。日本のことなんてどうでもいいのです。