マックス・ウェーバーが「資本主義の精神が資本主義を作った」と誤解している人は多いです。
そうではなく、資本主義の登場に際して、最も基本となったのが資本主義の精神という主原因と言っているだけです。

中世の禁欲すぎるカトリック支配への嫌気が、人々を理性(ratio・reason:ラチオリーズン=強欲と拝金の思想)へと駆り立てて、戒律を緩やかにしてルターのキリスト教プロテスタント(その結果的にユダヤ教と似通ってきた)運動が起こりました。

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俗に言うフリーメイソン・イルミナティもユダヤ教の金儲け(マモニズム)の過激派から興起させたものです。

技術の進歩、資本の蓄積、商業の発展、数多の間接原因がありますが、
それは【縁】です。

図示するとこうなります↓(小室直樹「宗教原論」P.274より模写)
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【因果律】とは無数の因と縁によって結果が出ます。
そして法は互いに相依って成立しています。
これを諸方の法と言います。
つまり、因果関係はAが因、Bが果と限られているわけではなく、ある時にはBが因、Aが果にもなり得ます。

しかも【空】とは、普通の存在論とは異なり、刹那(色即是空・空即是色)で変わります。

この空のモデルとして分かりやすいのが、スパイラルです。

デフレ・スパイラルでは、賃金を安くするとデフレは進行して、物価は下がります。
物価がますます下がるとデフレが進行して、賃金が下がらざるをえなくなります。
このスパイラルは、原因→結果の単純因果ではなく、相互依存関係です。
つまり【空】です。

経済学のケインズのモデルもこれです、。
消費Cと、国民生産(国民所得)Yとの関係は、CはYを決め(有効需要の原理)、YはCを決めます。(消費関数)
両者の相互依存関係を図示するとこうなります。
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単純に原因→結果なら、この連鎖をどこかで止められるはずです。

しかし、デフレ・スパイラルは、いったん始動すると、互いに原因と結果となって、どこまでも波及するので止めるに止められません。

この構図は、唯識における阿頼耶識(あらやしき)の種子(しゅうじ)の薫習(くんじゅう)にも見て取れます、

刹那に変化する阿頼耶識は新たに種子を得て、互いに相依って、その依存関係は新たな変化を生み、変化は変化を生み、果てしなく広がります。

その過程で原因は結果となり、結果が原因となります。

このモデルはまさにスパイラル(螺旋)構造としてイメージされます。

絶対の真理の存在を前提に考えていた西洋のアリストテレスの論理(形式論理)に対し、
すべてを仮のものとする東洋のナーガールジュナの論理(超論理)は、空の発想です。

小乗仏教は原因→結果の単純因果律しか思い付きませんでした。

ギリシャ哲学も、イスラム世界もこのことすら気付きませんでした。

この点では、相互依存因果律を考え出した(今も日本に伝わる)大乗仏教は優れています。

2000年近く前の仏教哲学は、すでに近代科学の大前提を解き明かしており、
つい最近になって、17世紀頃に現れてきた科学が、
2世紀頃の仏教の論理に”結果的に、やっと追い着いて、似通ってきた”という事実は、驚愕すべきことです。