リベラルアーツとバカロレアの違いとは何ですか?
と聞かれたので答えます。
バカロレアは、小学校・中学校・高校の教育プログラムのこと。
リベラルアーツは、大学での学問体系のことです。
バカロレアとは?
国際バカロレアは小学校・中学校・高校の教育プログラムのことです。
スイスで1968年に国際バカロレアを認定する団体が設立されました。
元は1800年頃にフランスでナポレオンが教育の大衆化を目指して行った教育プログラムのバカロレアが元です。
バカロレア認定校で、独自のカリキュラムの授業でバカロレアの試験に合格するとディプロマ(認定証書)がもらえます。
3歳~12歳の教育課程PYP(Primary Years Programme)
11歳~16歳の教育課程のMYP(Middle Years Programme)
16歳~19歳の教育課程のDP(Diploma Programme:ディプロマ)
まであります。
日本でも国際バカロレアが40校弱あります。文部科学省が日本にバカロレアを定着させようと今後も増えていくようです。
バカロレアの主な科目は言語、社会、理科、数学、芸術です。
バカロレアで認定されると海外の大学を受験できる資格にもなるということです。
リベラルアーツとは?
リベラルアーツとは大学での学問体系のことです。
前記事で書きました。
リベラルアーツは自由七科。
リベラルアーツは神学・法学・医学を上級学部として、その準備過程に哲学、下級学科に文法、修辞学、論理学、算術、幾何学、音楽をおくきます。
リベラルアーツの下級であるバカロレア
バカロレアの主な科目は言語、社会、理科、数学、芸術です。
要するにリベラルアーツの下級学科に対応しています。
リベラルアーツはイギリスとアメリカ、バカロレアはフランス
リベラルアーツはイギリス・アメリカが中心です。
神学(数学)、医学、法学を上位とします。
バカロレアはフランスが発祥です。
リベラルアーツの上位学問の準備過程の哲学、下級学科に文法、修辞学、論理学、算術、幾何学、音楽を学びます。
世界的なアイビーリーグでの教育を目指した場合、バカロレアは理に適っています。
ただ日本の今のままの「理数系 vs 文科系」という分け方をやってしまったり、
「理科と数学が対立する学問である」と言うことを共通認識として知らないと、大失敗します。
日本の試験制度とのマッチングが最悪
まず問題なのが、文科省はバカロレアを普及する反面、全国統一模試やセンター試験を続けているのです。
このせいでバカロレアは大失敗します。
文科省の官僚は、国民が税金を納めているからこそ教育を受ける権利がある日本国民全員に、表向き任意といいながら、大学受験のチケット代として、半ば強制的に試験を高額で受けさせて、税金以外のお小遣いを稼いでいます。
もしバカロレアで統一するなら、日本国内での試験は廃止しなければなりません。
実際にバカロレアで英才教育を受けても、全国統一模試で問われる内容と全然違うこと(国語や古典や数学)をします。
なので「日本国内でバカロレア教育やって東京大学へ!MARCHへ!」なんてやると勉強の内容が違うので大失敗してしまいます。
海外の自動車学校の教習所を受講させて、試験だけ日本の自動車学校で受けるようなものです。全く仕組みもルールも違うので対策できません。
バカロレアの秀才が日本のテストを受けさせたら低得点になるでしょう。それが自己肯定感の低下にもなって悪影響しかないです。
バカロレアは最初からアイビーリーグなどのリベラルアーツ校を受験することが大前提なのです。海外での教育が大前提なのです。
もし文科省がバカロレア普及をやるなら全国統一模試を廃止して、義務教育過程をバカロレアに置き換えるのがスタートです。
神学(数学)という矛盾なき論理学がスッと一本あって、矛盾なき論理学の最高峰である法学、人を治す神の奇跡の論理である医学。
それと人間をつなぐ哲学を中心として、下位学問に、学問(=理科=自然科学・社会科学)がそれから流れ出たもの(Science=si 神から流れ出たもの=essenceの語源)として出来ている。
というリベラルアーツの基礎の学問体系のイメージと、論理の整合性が日本にはないから大失敗します。
なぜ理科でも博士になるとPhD(哲学博士)として呼称されるのか?
これが日本の教育では教えられません。
「理数系 vs 文科系」という分け方をやってしまったり、
「理科と数学が対立する学問である」と言うことを共通認識として知らないからです。
前近代的な「目に見えるもの vs 目に見えないもの」という「有 vs 無」という、中国道教的な陰陽思想と、中国共産党的な「目に見えるものこそすべて」の唯物論を教えるうちは、一生分かりません。