区別すると心が整理される言葉をまとめました。
日本人は同じような意味の言葉を混同して使いがちです。
かつて日本語学者の齋藤孝教授も言っていましたが、言葉を混同しているせいで、心理的な混乱が起こっていることがあります。
私が人生のうちで分けておいたほうが良い言葉をまとめました。
これを意識するだけで、心が整理されて落ち着いた人生を歩めます。
行動と動機
・行動は表面的に見えること。動機は行動の内面的な理由。行動だけで動機を見ないと見間違う。必ず動機に注目すること。
従順と素直
・従順は単に従うこと。本人の意志ではない。素直は本人の内的な動機の意志。
・権威や恫喝で「言うことを聞く」のは「従順」。その場だけのごく短期的。
本人の意志ではないので「素直」ではない。長期的には全く効果がない。
・素直な動機を大切にすること。
後悔と反省
・後悔は過去に囚われている。反省は後悔から学んだことを未来に活かす。反省しても後悔せず。
自虐と謙虚
・自虐は自己嫌悪して自罰するが、謙虚は威張ったり虚勢を張らない。
否定と指摘
・否定は動機に主観的な見下しが伴う。指摘は客観的な事実。
批評と評論
・批評家は否定しかしない。評論家は否定と肯定の両方で悪く言わない。批評家は提案ができない。
執着と愛着
・執着は動機が自己中心的な依存。愛着は関係性の本能。愛着は悪くない。
恋と愛
・恋は感情だけで軽い。愛は理性や合理を含む。一緒にいて楽しいこと。恋の先に愛はない。
同情と共感
・同情は上から目線。共感は同じ目線。
同情と慈悲
・同情は上から与える偽善。慈悲は愛情だけでなく時に突き放すこともある。
自己中と自己愛
・自己中は自己愛が自分にしか向かないもの。自己愛自体は外にも向ければ悪くない。
孤立と孤独
・孤独は一人でいると感じる。孤立はみんなといる時に比較して感じる。孤独は悪くない。孤独は人を賢者にする。
立派と好感
・地位や名誉が立派でも好感もてる人とは限らない。
欲望と探求
・欲望は動機が地位や名誉の外的な動機。探求は好奇心の内的な動機。
まとめ
これらを分けて洞察するようになれれば、かなり分析力が高くなります。
また生きるのが楽になります。
特に最初の「行動」と「動機」は違うということ。つまり「表面的なこと」と「内面的なこと」を分けて、「内面的なこと」に注目していくと騙されにくいですし、自分らしい人生を生きることが出来ます。
例えば、「従順」と「素直」でも「体罰」を例に考えると分かりやすいです。
心理学・社会学・統計学的にも体罰はアウトです。
まず「従順」と「素直」の違いを区別すること。
権威や恫喝で「言うことを聞く」のは「従順」。その場しのぎ、極短期的には効果がありますが、本人の意志ではないので「素直」ではないです。
長期的には全く効果がありません。抑圧を伴うので必ず反動の悪影響しかないです。
「従順」と「素直」の違い。
これに加えて「行動」と「動機」の違いも、分けて考えて見ないといけません。
従順と素直は、相手or自分を脅迫して一時的に抑圧させてるのか、純粋に聞いてるのかを区別するためです。
行動と動機は、その際に上辺の行動でなく、動機に着目しないと本質的な意味が見い出せません。
例えば、授業後に教壇前の先生に質問しに行く子。
「素直」に質問があるのか、先生に質問しなさいと言われて「従順」に質問しにいくのか。
このように「素直な子」と「従順な子」が、同じ質問という「行動」をしても「動機」は全く異なります。
「従順」は常に恐怖と強制と抑圧があり、心理的に不健康です。
「素直」と「従順」、「行動」と「動機」は、常に分けて洞察しないと、友人・知人・家族・恋人・職場仲間、全ての対人関係において、とても生きづらく、必ず「誤解」や「勘違い」を生みます。
それを気に留めないで、そのまま放置しておくと、必ず自分に因果応報で跳ね返ってきます。
合理選択論ではなく、全て感情・精神論で押し込めると自分以外は存在しないので実に頭を使わず自己防衛できます。
しかしそれを他人に向けると悲劇になります。
従順か素直かは相手の解釈と動機によりますが、大半の集団では従順にさせるので凄まじい抑圧が伴います。
よって心理的不健康であり、いずれ悪い結果を生みます。
こうなると最初から「動機」が「素直(自分の意志)」であったか?が問題になります。
「従順(他人の命令)」に「行動」だけ強迫的に合わせていたのなら、「素直な動機=自分の選択」ではないです。
すると「結果」も悪いものになります。
自分や相手を洞察する場合「素直/従順」「動機/行動」は常に分けて考えなければいけません。
真面目でも、好きだから頑張る「素直」と、他人の目を気にしてやる「従順」と動機が違うと、結果が全く違います。
素直さには楽しさと向上心がありますが、従順は他人を見下して攻撃的になります。
ホンモノとニセモノ。
動機を見ると一目瞭然なのです。