医療現場が人手不足になり、看護系大学の院生や教員への医療現場派遣が要望されています。
しかしこれを行うのはかなり難しい+学徒動員とは異なります。
新型コロナウイルスによる医療体制のひっ迫を受け、厚生労働省は全国の看護系の大学に対し、看護師の免許を持つ大学院生や教員を医療現場に派遣するよう要望しています。
厚労省 看護系大学に大学院生や教員の医療現場への派遣を要望 2021年1月5日 6時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210105/amp/k10012796941000.html
看護系大学教員は多忙を極める
医学部医学科だけでなく看護学科にも要請。
しかし大学教員はかなり多忙なので相当に無理筋です。
なぜ多忙かというと実習指導と記録添削。
また教員同様に文科省への規定の書類提出の雑務で忙しいのです。
医学部教員は平時でも病院の医療従事者より忙しいです。
文科省と厚労省の書類整理と研究、仕事実習を二股でやっているからです。
私は教育学部系から医学部系に移ったのでよく分かりますが
例えば教員は学校に代表されるように文科省管轄で分かりやすいですが、
医師は病院に代表されるように厚労省管轄になっています。
厚労省と文科省のナワバリが違うので対応できない
厚労省と文科省。厚労省の方が強いけど、学部は文科省のナワバリ。
なので厚労省は資格取得者までへの要望しか出せない。具体的に〇〇大学医学部の者集まれ、と学徒動員はできない。
雑に言うと
文科省 vs 厚労省
国公立病院(大学病院含) vs 民間病院(私立病院)
で、
前者の方が最先端の研究や施設があって、お金はないけど「権威」はある、
後者の方が医師会の多数派で、お金と「権力」がある
という妙なねじれの一端を担っています。
コロナがあっても文科省は関係ないのです。
労働の人手不足や感染症の保健医療など社会の出来事は「厚労省」の管轄だと思ってるから。
まるで別の世界線に生きていて、協力する気がないのです。
だから大学入試も対面授業も強行なのです。
コロナで病院で医療従事者が不足しても文科省は関係ないのです。
だから医学部定員増やす気もないのです。
医師・看護師不足はなぜ起こるのか?~厚労省と文科省の二重構造~
学徒動員か?
これは学徒動員とは異なります。
厚労省の要望する適応範囲が、医師看護師の資格取得者と、かろうじて私立医学部系の大学院教員までになるからです。
「免許取得者」が対象あって、学生は動員されていません。
文科省が言わない限りは学部までの学徒動員はないのです。