「コロナ対策は意味がない」という結論のためにトンデモな論を立てる人がいます。
例えば、
ウイルスの核を勝手に細かく定義して「マイクロ飛沫がダメだけど、それ以上の飛沫感染は大丈夫。」とか、
マスクをすることを「自分が息を吐く場合の予防であって、吸う場合はマスクは意味ない」
「マスクは出口は防ぐが入り口は防がない一方通行のマジックミラー」
と言った主張です。
デタラメすぎて見ていて見苦しいです。
ふぐの内臓が毒なのであって、ふぐを丸ごと食べれば問題ない。
そんな意味不明さがあります。
「マイクロ飛沫がダメで飛沫感染はOK」という謎の定義の世界
コロナウイルスは飛沫感染が主です。
そして短中距離での空気感染もします。
しかし私も「マイクロ飛沫」という謎の言葉を聞くようになりました。
そして「マイクロ飛沫がダメ。飛沫感染はOK。」という謎の定義の世界を展開する人たちをみました。
このマイクロ飛沫とは「顕微鏡観察レベルの飛沫」という意味での造語ですが、なぜか「マイクロ飛沫が危険で、飛沫感染の方が安全」という謎の勘違いの区別をしている人が現れ始めました。
改めて飛沫感染・空気感染について知っておく必要があります。
5μmを境界とした落下するdropletとそれ以外のdroplet nucleiとに分け、後者のみが空気感染を担うという考え方は、もう現実に合わない
「マイクロ飛沫感染」とかいう言葉が作り出されたようです。学問の場でのコンセンサスなしに突然主要メディアを通して出てきて、なし崩し的に使われようとしています。しかし、従来の空気感染あるいはエアロゾル感染のかわりに、「マイクロ飛沫による感染」と言いかえているだけで、概念的に新しくも何ともない。これを言い出した人たちにお聞きしたい。「マイクロ飛沫感染」とはどのように定義されるものなのでしょうか。
私もそう思います。
飛沫感染とは、感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)から感染することです。
飛沫なのでウイルスが水分を帯びた直径が5μm以下で、空気中に長い間、浮遊せずに落下します。
もう一つ「飛沫核感染」があります。
飛沫核とは水分を覚えていないウイルス直径が1μmのものです。
軽いのでそのまま空気中を漂います。
これが空気感染の原因になります。
「空気感染」とは、 感染者が飛ばした飛沫核(エアロゾル)を吸い込むことで感染する感染のことです。
飛沫感染<飛沫核感染<空気感染
という危険度になります。
上記の記事では、コロナは「空気感染」がある以上、「飛沫感染」と「飛沫核感染」と分けても意味がないと言っています。
「だから飛沫感染の防御が意味がない」という意味ではありません。
「空気感染」なのでもっと危険という意味です。
吸気に対してマスクは意味ない?
たまに
「マスクは自分が飛沫(呼気)して外に感染させるのを防ぐ目的であって、他人の飛沫を吸う(吸気)分には意味がない。だからマスクは意味がない。」
ということを言う人がいます。
マスクは一方通行しかない。マスクは片側だけのマジックミラー。マスクは出口は防ぐが入り口は防がない。
という謎の勘違いから、マスクの無意味さを主張している人がいます。
確かにマスクをしていても感染した事例があります。
これらの事例は「感染者に近づきすぎていた」「マスクをしっかり装着していなかった(左右上下のスキマから感染した)」ことに起因しています。
逆に「マスクが無意味」という人がいたら、
「ではなぜマスクをしていると息苦しくなるのですか?」
と聞いてみると良いです。
息を出すのを抑えられるのに、吸うことに意味がないのであれば、マスクで呼吸で吸う時は楽。
つまり息苦しくなることもないはずだからです。
当たり前ですが、吸気へのマスクも感染予防効果はあります。
おさらいですが、
ウイルス核が0.1マイクロメートル(μm)以下。
通常の飛沫感染のウイルスであれば5マイクロメートル(μm)です。
0.1マイクロメートル以下の吸気を防ぐには医療用のN95マスクや防じんマスクと呼ばれるものが効果があります。
例えば、防じんマスクとサージカルマスクの比較論文を見てみましょう。
防じんマスクは市販のサージカルマスク(不織布マスク)よりも、更に小さい粒子を防ぐ目的のマスクです。
なので自分が外に出す呼気ではなく、外に存在する防塵を防ぐ。つまり吸い込む吸気を防ぐ目的です。
2003 年の SARS 流行時に香港で医療関係者の感染に関する調査12) において,非感染者 241 名でマスクないし N95 マスクを着用していた者は 143 名と 60 % であったが,感染者 13 名中にマスクまたは N95 マスクを着用していた例はなかった
粒子状物質の曝露防止のための呼吸用保護具 nvironment and Building Services 2019.6.1
防じんマスク等のフィルターとサージカルマスクとの比較。
両方とも飛沫核の0.1マイクロメートル(μm)以下の粒子を10%以下の濾過率で防いでいます。
水分を帯びたウイルス飛沫感染である5マイクロメートル(μm)を想定しても1%以下の濾過率で防いでいます。
加えて、コロナと比較される同じサイズのインフルエンザウイルスにおいて、
感染した人はマスクをしていなかった。感染しなかった人はマスクをしていた。
と分かりやすく出ています。
マスクは出す呼気の感染を防ぐだけではなく、吸気の感染も防いでいるのです。
しっかりした不織布マスク・サージカルマスクを使いましょう
知恵のある人はしっかりとしたフィルターの入ったマスクを使用しましょう。