新型コ口ナウィルス(C0VID-19)について治るのではないかと言われる効果のある改善薬についてまとめました。

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【まとめ】新型コ口ナウィルス(C0VID-19)改善薬

代表的なものは以下です。

◎アビガン・・日本の富士フイルムHDと富山化学の開発した抗インフルエンザ薬。

◎レムデシビル・・アメリカのギリアド社のエボラ出血熱の治療薬。

◎カレトラ(ロピナビル・リトナビル)・・アメリカのアッヴィ社の抗エイズウイルス(HIV)薬。

◎シクレソニド(オルベスコ)・・日本の帝人の吸入ステロイド薬。気管支喘息やアレルギー性鼻炎の薬。

この記事は、前記事をご覧になってから、読まれることを前提に書いております。

【まとめ】新型コ口ナウィルス(C0VID-19)改善薬


アビガンの裏事情

最初に注目されたのは富士フイルムHDと富山化学の開発した抗インフルエンザ薬の「アビガン」でした。

アビガンは元々はインフルエンザの薬です。

またアビガンは日本の富士フィルムHDが開発しましたが、ライセンスは中国の浙江海正薬業股份有限公司です。
中国の海正薬業が51%とアメリカのファイザー製薬(PFE:アメリカ製薬会社1位)が49%の株を保有している合同会社です。

アメリカの製薬会社が許すかどうか

順当に考えればダイヤモンド・プリンセス号の患者を受け入れた藤田医科病院でも先日試薬されたアビガンです。

しかし新型コ口ナウィルス(C0VID-19)は世界事情のため「大手製薬会社であるアメリカが世界市場を独占したい」と考えます。

薬が効くかどうかとは別に政治と経済的に「アメリカ様が許すかどうか」「アメリカ様の製薬会社が儲かるかどうか」によって、どのその国で薬が使用されるかどうかが決まると言っても過言ではないです。

アビガンの株主は中国の海正薬業

アビガンは富士フィルムHDの開発と言えど株主の過半数が中国の海正薬業です。

アメリカがそれを日本で許すかどうか。

株の4割はアメリカの大手製薬会社1位のファイザー製薬なので旨味はあるけどライセンスは中国なので利益が間接的すぎるのです。

富士フィルムHDの親会社でもある中国の浙江海正薬業股份有限公司。

元々株主はアメリカのファイザー製薬(PFE)が49%保有。
米中合併企業で海正ファイザーと呼ばれています。

これは本来、アビガンを新型コ口ナウィルスの特効薬として宣伝するには盤石の布陣のはずです。

しかし日本では親会社がアメリカなら「日本はアメリカの利益になるので宣伝」しますが、今回のようにすぐに勧められないのは親会社が中国だからでしょう。

本当は日本的には富士フイルムHD(海正ファイザー)のアビガンを推したいのでしょう。
しかし半数以上の海正製薬という中国企業と、半数以下のアメリカのファイザーの株主だとアメリカの旨味が少ないので推しにくいのです。
果たして純粋にアメリカ企業のレムデシビルかカレトラを選ぶか。どこまで忖度するか見ものです。

独自に薬品を開発し始めたアメリカのファイザー製薬

しかし一方で、その情報だけ手に入れて、アメリカのファイザー製薬は独自に薬を開発しているようです。

トランプ大統領と製薬大手幹部が2日に開いた会合に出席した際、ファイザーは新型ウイルスの治療薬開発に取り組んでいると発言していた。

米ファイザー、新型コ口ナウィルスのワクチンで独バイオ製薬企業と協業検討
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2020/03/post-92634.php

もしこれが完成すれば世界的に宣伝されるでしょう。

しかし2020年3月時点で「開発検討します」と言っているので現状では後手です。

ゾフルーザも効果が確かめられる可能性

ちなみにアビガンとは別に同じ抗インフルエンザ特効薬のゾフルーザも臨床段階に入っています。

新型コ口ナウィルスに対する臨床試験を全調査

「ゾフルーザ」(塩野義製薬の抗インフルエンザ薬)や「アビガン」(富士フイルム富山化学の抗インフルエンザ薬)と同成分の薬剤も 新型コ口ナウィルスに対する臨床試験を全調査、ゾフルーザやアビガンの成分活用
2月4日にアップデート、既存のHIV薬やインフル薬を相次ぎ転用
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/04/06513/

ここでホフマンラロッシュと連携している塩野義製薬のゾフルーザ(インフル特効薬)と、富士フィルムのアビガンが出ています。
双方とも日経平均に組み込まれている銘柄なのでステルスマーケティングの条件としては十分です。

今後「ゾフルーザやアビガンが新型コ口ナウィルスの特効薬」と広告して、下がった株価を回復させる可能性もあるでしょう。

レムデシビルの裏事情

レムデシビルは元々はエボラ出血熱の治療薬です。

世界保健機関(WHO)がレムデシビルを治療効果が期待されると発言したので注目されました。

アメリカのギリアド・サイエンシズ社(GILD:アメリカの大手製薬会社2位)が出している薬です。

WHOの新型インフルエンザの誇張パンデミックとギリアド社のタミフルで儲けた前例

ギリアド社はインフルエンザ薬「タミフル」で有名です。
スイスのホフマンラ・ロッシュ社のライセンスを持っています。
かつてアメリカ合衆国の政治家ドナルド・ラムズフェルドが株主で、2009年の新型インフルエンザ流行の時にタミフルを世界中に流通させました。

その11年前の新型インフルエンザの時、WHOは大げさに「パンデミック、パンデミック」と騒いで、世界中で抗インフルエンザ薬のタミフルを売ることに加担したのではないかと言われました。

元々ホフマンドラロシュ社(=日本の中外製薬)のタミフル大株主のラムズフェルドで、グラクソ・スミスクライン社のリレンザ開発社トップのデヴィッド・ブレナンがビジネス仕込んで荒稼ぎしていたと後に糾弾されたことがありました。

2009年当時、タミフルに精神・神経症状の副作用が確認され自殺する症例が多くあり、おかしくなる=タミフると揶揄されたこともありました。

副作用検証が不十分なまま、新薬を流通させるという怪しげな商売を日本でした前科があります。

今回も同じことをする可能性は否定できません。

2009年の失態の反省をしているWHO

WHOは、11年前の新型インフルエンザで大げさに騒ぎすぎた失態があります。

パンデミックとは「指数関数的な上昇」のことです。もし新型コ口ナウィルスがパンデミックならば、2020年の夏のあたりには人類の1割くらいが死んでいてもおかしくないはずなのです。

なのでWHOは2009年の新型インフルエンザの時のようにパンデミックの世界的大流行とは言わず「リスクを最大引き上げる」という間接的な御達示をしているのです。

また一方で今回は世界銀行が2017年に発行したパンデミック債券(WHOがパンデミックと宣言すると感染者にお金が支払われる債券)をアメリカのや中国の大口投資家が多数保有しているので、安易にパンデミックと言えない裏事情もあります。

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お金の動きで分かる!新型コ口ナウィルスはいつ終わるのか?

WHOから必須薬から除外対象となったギリアド社のタミフル

結局、WHOのインフルエンザ治療薬タミフルは今のところWHO必須医薬ですが、今後は懐疑的に除外対象になっています。

タミフルは10年以上のデータはあります。

しかし効果が怪しいため、今後WHOからも必須薬から除外対象予定です。

なぜ必須薬から除外されたかと言うと効果が認められなかったためと、新薬の特効薬のゾフルーザが出てきたからです。

インフルエンザにはタミフルの代わりにゾフルーザ

今、インフルエンザで病院に行くと、
抗インフルエンザ薬では1回で済む新薬ゾフルーザか、5日間かかるタミフルかの二択かで選べます。

小児は別にして、ゾフルーザの耐性データはまだ少なすぎます。

ゾフルーザは塩野義製薬がタミフルのロッシュ社との連携開発で作られたものです。

WHOからタミフルが除外されたらゾフルーザ一本でやっていくつもりです。
12歳以下の小児にはタミフルの粉薬か、リレンザかイナビルの吸入。(まだ小児へゾフルーザは非推奨)

早い話、タミフルのバーゲンセールして儲け終わり、10年も経って研究データも出尽くしたので、儲かる見込みが少なく「もうお役御免でさようなら」という話でしょう。

10年前の新型インフルエンザのパンデミック騒ぎは何だったのかという話です。単にタミフル売りたかっただけです。(しかも10年経って効果は認められなかった)

今回もギリアド社か

そのタミフルの在庫処分の時も、スイスのホフマン・ラ・ロッシュ社にライセンス供与してたのがアメリカのギリアド・サイエンシズ社でした。

今回もギリアドのレムデシビル日本で売れ売れキャンペーンするようアメリカ様から御達示が来て日本人がモルモットにされることを勘繰っています。


カレトラ(ロピナビル・リトナビル)の裏事情

元々カトレラはヒト免疫不全ウイルス(最終的に後天性免疫不全症候群 (AIDS:エイズ)を発症させるウイルス)の薬です。

HIVにおいてプロテアーゼという酵素がウイルスを組み立てます。そのプロテアーゼ阻害薬がカトレラです。

カトレラはアメリカの製薬会社のアッビィ社が出している薬です。

アメリカ大手製薬会社1位のファイザーや、2位のギリアドには及びませんが、

他にアッビィ社は吸入麻酔のセボフレンや、抗うつ薬のルボックス(フルボキサミンマレイン酸塩:選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を出しています。

アッビィ社の競争力が弱い件

アッビィ社は他の大手アメリカ製薬会社と比較するとメジャーな薬を出していません。

競争力は弱いのです。ここで仮に効果があったとしても、対新型コ口ナウィルスの製薬レースからは外されていくでしょう。

シクレソニド(オルベスコ)の裏事情

シクレソニド(オルベスコ)は吸入ステロイド薬です。元々は気管支喘息やアレルギー性鼻炎の薬です。

日本の帝人が出しています。

2020年3月3日に、日本で新型コ口ナウィルス(C0VID-19)の患者に吸入させたところ改善されました。

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新型コ口ナウィルス改善例の吸入シクレソニドについて

最もコスパが良くて優れているが、併用薬として利用されるだろう

日本は本当に素晴らしい発見をしたと感じます。
まだ改善例3例というのは少ないですが、今後の可能性を感じます。

シクレソニドですが、愛知医科大学での研究データが出ているということは、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客を搬送した藤田医科大学病院でも使用されるはずです。

しかしシクレソニド(オルベスコ)は吸入ステロイド薬なので、常備薬とは少し事情として異なります。

日本の大手企業の帝人の利益になることから効果が認められれば国も政府も推奨して、併用薬として利用されることでしょう。


今後の予想

私の予想ですが、

1、日本は初手としてアビガンを利用していく。
2、ギリアド社のレムデシビルが世界的に推奨される。
3、日本ではアビガン非推奨になり、レムデシビル常備薬とシクレソニド吸入の併用が推奨される。
4、アメリカのファイザー社から新たな新薬が出てきたら日本でも加えて推奨される。

という流れになると思います。

おそらく本来であれば、アビガンだけで完結する話を、アメリカの製薬会社の利権を考慮するとこのように落ち着くでしょう。

効果的な薬が出てきても薬価を高くして使わなくさせる厚生労働省

日本ではどうやって非推奨の薬に追い込むかと言うと、厚生労働省がアメリカの命令を受けて薬価を高くします。

日本はアメリカの属国なので、中国の海正のアビガンや日本の帝人のシクレソニドに儲けられては困るのが本音です。国も官僚もあくまでアメリカの利益になることが第一と行動します。

最終的にギリアド社のレムデシビルや、アッヴィ社のカレトラ、ファイザーの新薬のアメリカの製薬会社が儲けたいので、海正ファイザーのアビガンや帝人のシクレソニドで効果が出ようとも、薬価を高くして推奨薬から外していくでしょう。

かつて笑気の亜酸化窒素麻酔やプレセデックスという麻酔薬でも同じことが起こりました。
本来は効果的な薬でも、御上の意向で追いやられることがあります。

直接「使うな」とは言えないので、薬品の価格を高く設定し、間接的に医師に選ばせないようにして、選ぶと高いので病院経営にも悪影響になるように仕向けていくのです。


効果が実証されるまで最低5年はかかる

どんな薬や対処法が出てこようとも、EBM(医療の科学的根拠)によるコホート研究やランダム化比較試験という厳密なテストで効果が実証されるまで最低でも5年はかかります。
それからメタアナリシスというメタ分析になります。

アビガンか、シクレソニドか、レムデシビルか、カレトラか。どの薬が本当に効果あるかは最低5年先までは分からない、ということです。

今が最初の新規参入期になります。

一時的に改善しただけで、まだ再発の可能性もありますし、副作用も未知数です。

逆を言えば、このような薬でさえ「治った」というのが難しいのに、2020年から5年以内に「治った」と銘打つ薬や対処法が出てきたら「100%デマのウソである」と断言できます。

科学的な手法を理解しておきましょう

科学的手法(自然科学・社会科学)は、宗教(数学)のように「絶対にこうなる世界」とは真逆です。

仮説と考察の「可能性の世界」。

なので本当は珍説、異説、自論はどれだけ出てきても良いです。

固定されず、仮説から上書き更新され、それがイノベーションになるのが利点だからです。

同じくEBM(医療根拠)のピラミッドの下位でも有象無象で玉石混交の説が出てきても良いです。

未開拓の研究なら必然的なことです。珍説が特称命題になる可能性もあるからです。

ただコホートやランダム比較やメタアナリシスの上位レベルに引き上がった段階で、十分に普遍的な再現性が担保されていることと、それを科学手法に反して普遍的な宗教にしないことを同時に意識する必要があります。

例えば、今回の新型コ口ナウィルスでいうと「お湯で治る」というトンデモ珍説はあっても良いがEBMにおいては自論の下位レベルです。
なぜ新型コ口ナウィルス「お湯で予防できる説」は流行ったのか?

とはいえ今後、特効薬として宣伝される海正ファイザー(富士フィルムHD)のアビガン(ファビピラビル)が上位レベルかというと違います。

コ口ナウィルスに対してコホートやランダム比較の5年以上の研究もありません(2020年現在)。

理論上の症例回復レベル。副作用も考慮なし。比較的マシというだけです。

だから5年以上先までのコロナ完治系の話は全てウソと断言できるのです。

「科学的思考」のレッスン 学校では教えてくれないサイエンス (NHK出版新書) https://amzn.to/2I2McB7

(参考)
新型コロナの有望薬「アビガン」「レムデシビル」ってどんな薬?
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/022601110/

米国で新型コ口ナウィルスに対する世界初のワクチンの臨床試験を実施へ
米Moderna社のmRNAベースのワクチン、治験薬を初めて出荷
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/26/06610/?n_cid=nbpbto_fbbn

新型コ口ナウィルス改善例の吸入シクレソニドについて