今回の「手術が受けられない」というニュースは私をゾッとさせました。これこそ病院を一発で医療崩壊させる方法ではないでしょうか。
日本外科学会は、新型コロナウイルスの対応で医療体制がひっ迫した状況では、数か月以内に手術をしないと命に関わる患者以外は、手術を延期するべき
感染拡大で「手術が受けられない」 がん患者から不安の声 2020年4月20日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200420/k10012397481000.html
現在の感染症が蔓延して恐ろしいのは、感染症患者そのものはもちろんですが、それ以上に
医療品・輸血不足で他の患者が手術や治療ができなくなることです。
手術でトリアージ(治療患者の優先順番付け)のようなことが起こるのは本当に限界状態です。
「数か月以内に手術をしないと命に関わる患者」なんて個人の症状の進行度によって正確に選べないので、相当に悩ませられることになります。
病院を一発で医療崩壊させる方法
逆に病院を一発で医療崩壊させようとするならどうすればいいでしょうか?
それは「病院の急所」はどこかを知る必要があります。
果実を剥いていくと真ん中に種があるように、病院を限りなくスリムにすると残るのはなにか?
・・ということを考えたことがありますか?
将来的に日本の病院は一箇所集中型だとお金がとてもかかるので、国は地方に分散しようとしています。
ベッドの病床数を削減して、地元の診療所や医院と訪問看護ステーションを中心に在宅医療を中心にしていきます。
なので総合病院で外部に委託できるものはどんどん外部に任せようとしています。
病院の核とはどこか?
病院機能を限りなくスリム化すると残るのは「手術室」と「集中治療室ICU」と「放射線検査治療室」だけです。
手術室は、清潔環境が法的にも決められているので動かせません。
集中治療室は、救急車を受け入れて、状態が重ければその後に治療しなくてはいけません。
放射線検査・治療室は、CTやMRIなどの機器は環境整備しなくては被爆リスクがあり、巨大なコイルを窒素ガス等で冷却するので地盤の強い場所に大きな設備が必要です。
逆にこれらのどこかがやられると、病院全体が止まります。
今回の件で日本の医療体制も一気に20年くらい時計を早回しされて、都市大病院に過剰集中、地方の大病院以下の患者激減、過疎化が起こりました。
在宅医療中心に自粛という状態が実現してしまいました。
地方の大病院以下だとこんなに人が来なくなるのかと驚くほどです。