「早く親元から自立して一人暮らしで都会に出て」という言葉が、「早くちょんまげにして刀持って、移動は自動車は使わず馬で」みたいな「いつの時代の話だよ」と感じると聞きました。
本当にそうだなと私も感じます。
今の高齢者はベビーブームのせいで競争が激しく親元からの自立一人暮らしが神話化されてるからです。
リバタリアンとして、自立は勧めますが、それは精神的な自立であって、物理的な自立ではありません。
別に家出をすることがリバータリアンの本意ではありません。
ここを勘違いしてはいけません。
例えば、リバータリアンで象徴的なドラマに「大草原の小さな家」があります。あれも個人ではなく家族で移住していきます。
なぜアメリカのリバータリアンがグローバリズムを憎むかと言うと、マクドナルドのドライブスルーみたいなジャンクフードが、古き良きアメリカ家族の料理を囲む家族団らん風景をぶち壊したからです。家族分裂させたからです。
日本だと不動産屋と家電屋が高度経済成長時代からバブルにかけて、サザエさん的な家庭を崩壊させていきました。
家族全員が独立一人暮らしすれば不動産屋の売上は二倍、家電も買い揃えれば二倍になるので。
マーケティングの中で存在しない風習を根付かせた。ハロウィンやバレンタインと同じレベルなのです。
日本人の「勤勉さや時間を守る姿勢」「親の実家からの自立」の習慣の歴史が浅すぎる件
親元から離れることが「親不孝」で面倒見ることが「親孝行」だったのに。なぜか逆になっている件。
親元から離れることが「親不孝」で面倒見ることが「親孝行」だったのに、家族全員が会社に雇用されて丁稚奉公することが神話化されました。
家族機能をイエに求めず、分裂させて社会に求めた結果です。
リーマンショック以降は会社が終身雇用年功序列という家族的に養ってくれる雇用の神話も崩れたので、現在はむしろサザエさん型の家族に戻ろうとしている最中です。
サザエさん型家族を否定して自立一人暮らしを史上とした高齢者世代には認めがたい現実でしょう。
ただ昔と違うのはITによる情報の普及です。
昔のように物理的で近接的なコネクションがなくてもいいです。ネット送金できるからです。
昔は同じ場所で固まっていないと、お金ももらえないし、食べ物も共有できませんでした。
しかし今はネットでどこでも送金できてしまいます。
なので家族のカタチが血縁でなくてもいいのです。
シェアハウスでも、ネット家族になって困っている人がいたら助け合う形になります。なので物理的な場所はどこでもいいのです。
よく「東南アジアの奥さんをめとると大変」と言われるのは、奥さんの後ろに現地の家族と親戚がどわっとセットでやってくるからです。
何十人もの東南アジアの家族を1人で養うことになります。
今は日本人も海外での一獲千金玉の輿専業主婦を目指して、東南アジア型になろうとしています。
そこまで若い世代の収入は落ち込んでいるのです。