神経症→人格障害→精神病の認知の変化まとめ

神経症・人格障害・精神病 DSM

交流分析のミュリエル・ジェームスは精神の病気の分類に「自我境界への不鮮明」という言葉を使い、
このような例えをしている。


「私はリンカーンだ」は精神病。
「私はリンカーンだったらなぁ」は神経症。
「私は私、リンカーンはリンカーン」は正常。


これは実に良い例え方だ。

正常→神経症→精神病への考え方の変化が分かる。

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現代版を考えてみた。

「私はトマトを買う」
というシチュエーションを正常としよう。


設定は、個人1人。誰にも頼まれたわけでもない。単に「買う」という目的の動作である。


━━━━━━━━ 神経症圏(不安障害)↓ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「私はトマトを買うべき」は強迫性障害(神経症)。


「あなたはトマトを買ってくるべき」は強迫性障害による強迫的操作。


「みんなトマトを買うべき」
「それが常識。買わないのは怠け・甘え・努力不足。」

は強迫性障害による過度の一般化。


━━━━━━━━ 人格障害圏↓ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「トマトを買うべきなのに、お前はそんなことも分からないのか。」
は自己愛性人格障害。


「トマトを買ってこないやつは私を愛していない。敵だ。」
は境界性人格障害。


━━━━━━━━ 精神病圏↓ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「みんなトマトを買いに行くべきと怒っている。ごめんなさい。」はうつ病。


「みんなトマト?」は統合失調症。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

補足:発達障害

「赤くて丸い握りこぶし大上のトマトが目の前にないのはおかしい」
は自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


おさらいすると
設定は個人1人だったはずだ。
誰にも頼まれたわけでもない。単に「買う」という目的の動作だけ。


どうしてここまで認知が歪んでしまうのか。


1つずつ解説していく。

神経症・人格障害・精神病 DSM

大雑把に分けるとこうなる。

  • 心理的に健康な人・・「私はトマトを買いに行く」

    神経症・・「私はトマトを買いに行かなければならない」

    人格障害・・「みんなはトマトを買いに行かなければならない」

    精神病・・「みんなトマト?」


  • 神経症→
    すべての語尾に「~すべき」「~しなければならない」を付ける。

    人格障害→
    主語を「複数形」にして、語尾に「~すべき」「~しなければならない」を付ける。

    精神病→
    主語を「複数形」や「物」にして語尾に「?」を付ける。


    これを実際にやってみるだけで体感的に認知のおかしさが分かる。

    神経症の「自分の現実こそ唯一の現実」と他人に強迫してしまう特徴から、
    人格障害の自他共に求めることが非現実的すぎていよいよ会話が難しくなる。
    精神病になると「人」か「物」かすらも区別できないほどになる。

    まとまりを統合できなくなるので「統合失調症」という。

    「べきの暴君」の神経症(不安障害)


    自分らしさを失っていくのが精神の病。

    自分らしさを失う原因とは、他人の期待によって決まってくるのではなく、
    それをプラスと解釈したかマイナスと解釈したかということによって変わってくる。

    期待に対して不安な人は自分らしさを失う。

    つまり、どういう問題があるか?

    理想(自分はこうあるべきだという自分)の自画像に支配されている。
    なので先行された自分に支配されてしまう。慣れてないことに力を使ってしまう。

    精神科医のカレン・ホルナイは、

    すべての語尾に「~すべきだ」と付けてしまう「べきの暴君」と呼んだ。


    「そうしなければいけない、~そうすべき」という支配。
    期待されたらその通りにしなければならないと思い込む。
    実際の自分を無視して、そう言ってしまう。



    見下し他者軽視や攻撃性が出る人格障害


    神経症から人格障害になっていく過程で、

    一人称が「I」(私)から「We」(我々)になる。



    一人しかいないのに主語が「複数形」なって、
    次に「社会は」「常識は」「世間は」と肥大化する。


    「過度の一般化」と心理学で言う。


    「過去で時間停止」して、自分を保守しようとして自己が肥大化していくため。


    心理学では、この「虚勢・虚栄心」を根拠に基づかない「誇大自己」「仮想的有能感」と呼ぶ。

    その誇大自己で自分を見たり、他人に欲求するので、
    あまりに現実離れした「非現実的欲求」が起こる。


    過去記事で詳しく書きました↓
    自己愛性人格障害とは「過去で時間停止」した人
    http://libpsy.com/narcissus-jikoai/4721/
    誹謗中傷嘲笑にかけては超一流の自己愛性人格障害
    http://libpsy.com/narcissus-hibou-chuusyou-tyousyou/4520/


    「人」か「物」か、「現実」か「妄想」かすらも統合できなくなる精神病



    精神病になると、範囲が広がりすぎて自他の区別がつかない。


    「人」か「物」か、「現実」か「妄想」かすらも統合できなくなる。


    統合失調症は「みんなトマト?」と、トマトと人間の区別が分からなくなり、買うという動作も忘れている。(健忘という)

    うつ病は「みんな怒っている」という被害妄想に囚われてしまう。


    このように区別してみると、自分がどのあたりなのか、他人がどのあたりなのかよく分かる。

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    記事を書いた人



    時田憲一(ときたけんいち)こと時ニール(tokeyneale)です(・ω・)ノ
    とある国立大学の教育学部/心理発達科学。心理学者・認定カウンセラー。動機付け理論・自己愛・対人関係が主な研究領域。数理統計データサイエンティスト。
    ねこ好き・本好き・禅好き・PC好き。

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