米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の主軸を物価の金利から雇用に移しました。

これはどういう意味なのか?

結構インパクトのあるニュースです。

米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の枠組みを見直し、微妙ながらも明確に政策の主軸を物価から雇用に移した。

FRB「最大雇用」重視へ転換、変わる世界に対応
https://jp.wsj.com/articles/SB11633149986620753759604586596370891249818

FRBは雇用を主軸に置きました。

この結果、起こり得るのは
・長期金利の上昇


FRBの二重義務

まず米連邦準備制度理事会(FRB)を書きます。

FRBは
・金利
・雇用

の両側の天秤で動いています。二重義務と言います。

今までは金利を優先して調節してきました。

しかしコロナで雇用率が下がったので、今後は雇用を優先するということです。

簡単に説明するとこうです。

簡単なチャート

【過去のFRB】
雇用率↓(失業率↑)になったら金利を下げる

【2015年〜2019年までのFRB】
金利←約2%前後に向けて上げる。
雇用率↑(失業率↓)

コロナで雇用率↓(失業率↑)

【2020年9月以降のFRB】
雇用率↓(失業率↑)←雇用率を61%に向けて上げる金利←すでに2%前後(現在)。
しかし雇用が回復するまで長期的に上げることを維持。(雇用率が回復したら金利は上げない。)

とてもリフレ的な転換です。


FRBの理想を知ろう

今のFRBの理想としている状態が
米雇用統計の失業率 4%前後
金利は2%前後です。

金利と雇用の2つをバランスしようとします。

今(2020年9月現在)は
金利は2%(おおむね理想通り)ですが、
失業率が10%まで上がってしまっています。

セオリー通りなら、利下げで金利を下げれば、雇用は上がります。

しかしすでに安定した金利にターゲットして下げてしまうと、投資が滞って更に経済が回らなくなります。

長期的に金利が上がる期待と雇用も回復させる両立を考えると、
財政出動もしながら、雇用を安定させて、金利との両翼のバランスを取ろうとしているのです。