東京一人旅2① ~築地本願寺・聖路加国際病院~

日々の研究日記

築地本願寺本堂

また東京へ行ってきました。

今回は六本木ヒルズで集まりがあったので、前日にかねてより見て回りたかった築地周辺を探索しました。

始発で名古屋から新幹線で品川まで行き、そこから築地まで行って、ちょうど朝10時くらいです。

築地は漁師の方々で慌ただしく殺気立っている「築地場内」と、捕れた魚を観光客向けに提供する「築地場外」の区域の2つに分かれています。
なので基本的には築地場外を観光します。

築地本願寺

築地駅を出るとすぐ築地本願寺があります。浄土真宗のお寺です。

築地本願寺
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お寺らしからぬ建築様式なのは、インドの建築様式をイメージして建てられたからです。

当時の浄土真宗本願寺派法主・大谷光瑞と親交のあった東京帝国大学工学部名誉教授・伊東忠太による設計です。

私はこのお寺は浄土真宗を象徴するようなお寺だと思っています。

浄土宗・浄土真宗は、日本の伝統宗教の中でも特殊です。
日本の多くの学者に指摘されながらも、浄土宗の僧侶は認めたがりませんが、本当のことを言うと浄土宗は元は仏教ではなくキリスト教から変化した宗教だと思います。

それにヒンドゥー教のような来世信仰、輪廻転生の思想が入り込んでいます。
シルクロード→中国浄土教(曇鸞)→浄土宗(法然)→浄土真宗(親鸞)の流れの中で変わっていきました。
浄土宗寺院の本堂では阿弥陀如来、 観音菩薩、勢至菩薩、と菩薩を重視します。

これもマリア信仰を取り入れ、中国大陸を経由する中で、観音像と同一化していった背景があります。
観音像の明らかに女体的なデザインから「マリア観世音菩薩」とも言う人もいます。

悪人正機説にしてもやはりキリスト教の救済思想であり、後にルターが唱えたような、救済するかは「神によって予め決められている」という予定説と同じ内容です。

臨済宗・曹洞宗・黄檗宗などの禅宗、その禅僧と比較しても浄土系は修行期間が数日程度と極めて短いです。
剃髪もなく、出家するのが簡単です。

なので禅僧を「和尚(おしょう)」と呼び、それ以外の僧侶は「住職(じゅうしょく)」と呼び分けています。

本堂正面
築地本願寺本堂

日本では1600年以降に徳川家康が天下を取ってから出資や保護されてきました。それ以前は禅宗が中心でした。

200年以上の徳川幕府の時代に浄土系は大きくなり、浄土宗・浄土真宗が権威を持ちました。

日本で戦争に関わりながら、戦後には「戦争を起こしたのは日本神道(日本の神社)であって、仏教は関係ない。」と、今まで神仏習合で一緒だった神社とお寺を「神道」と「仏教」と区別しだしたのも浄土宗・浄土真宗です。

それでも戦後、首都の東京を中心に信者が多く、今でも日本で一番信者が多い宗教です。

いろいろな宗教がサラダのように混ぜられて時代によって変質していったのが、日本の浄土宗・浄土真宗です。

浄土宗・浄土真宗は、どんな宗教でも、論理的に矛盾していようとも、独自の解釈で吸収していく性質をもったスポンジのような思想です。

天井
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聖路加国際病院

次にすぐ隣りにある聖路加国際病院を見に行きました。

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私の祖母は戦時中を生きた日本赤十字社の正看護師です。

赤十字病院には縁があるので、今度は聖路加病院の方を見たかったのです。

国際聖路加病院ロビー
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看護師には大きな2つの流れがあります。

●イギリス=キリスト教カトリック=ナイチンゲール(カトリックに憧れるキリスト教プロテスタント・ユニテリアン派)=聖路加(病院・大学)=渋沢栄一(日本銀行)と

●スイス=キリスト教プロテスタント・カルヴァン派=アンリ・デュナン(スイスの実業家)=赤十字社(病院・大学)=皇室=BIS(国際決済銀行)

の2つです。

日本は敗戦後、連合軍総司令部(GHQ)の指導で、戦後日本の看護教育制度の改善を図るためのモデル校として、昭和21(1946)年、
日本赤十字社中央病院救護員養成部(のちの日本赤十字女子専門学校→現在の日本赤十字看護大学の前身)と、
聖路加女子専門学校(聖路加看護大学の前身)の共同運営による「看護教育模範学院」が開校し、
日米講和条約発効の翌年の昭和28(1953)年まで続きました。

ここから現在の看護師教育の基礎が体系化されていきます。

なので日本では、
イギリスvsスイス、カトリックvsプロテスタントという医療分野での宗教対立は起こっていないのです。

神仏習合・本地垂迹のような形で今に至ります。前述した浄土真宗のようにスポンジのように統合されてしましました。

国際聖路加病院の最上階である10階からの景色
国際聖路加病院

「聖路加(せいろか)」という病院名は、使徒パウロの協力者の一人、新約聖書の福音書の一つである『ルカによる福音書』の著者とされる聖人ルカの漢字表記に由来します。

聖ルカは『コロサイ人への手紙』で「親愛なる医者のルカ」(4章14節)と呼ばれていることから、キリスト教圏ではしばしば病院の名前に使われています。

「St. Luke’s International Hospital」。「聖・ルカ」=「聖路加(せい・ろか)」です。

国際聖路加病院は高級なホテルのような内観でした。薄暗い暖色系のライトで照らされて、大理石で張り巡らされています。

そしてすさまじいセキュリティです。

精神科の隔離病棟などでカードキーがないと入れないのはよく分かりますが、一般病棟のすべてにカードキーがあります。
一般病棟とはいえ部屋それぞれにロックがあるのではなく、病棟そのものにカードロックがかかっています。

つまり病棟へエレベーターで上がったら即セキュリティロックされています。
ナースステーションへもカードキー(受付で面談者と申し出ないといけない)があるのです。

スタンダードプリコーション(標準予防策)から考えれば、感染源を入れないという意味で優れているとは思いますが、今までの体系に慣れているとどうも堅苦しい印象を受けました。

入院するのもすごく高いそうです。要人が入院したりするのには適しているのかもしれません。

続き
東京一人旅2① ~築地本願寺・聖路加国際病院~
東京一人旅2②~築地場外市場グルメ旅~
東京一人旅2③~六本木ヒルズクラブに入りました~

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