ネットリテラシーと情報モラルという言葉を聞いたことがありますか?

「ネットリテラシー」とは、情報を正しく使いこなすための知識や能力のこと。

「情報モラル」とは、情報に対する考え方や態度のことです。モラルとは倫理のこと。

この2つを区別して使わなければ、情報に騙されたり、洗脳されて損することがあります。


ネットリテラシーはあるが、情報モラルはない例

例えば、殺人事件のニュースという情報があったとします。
その悲痛なニュースを「とんでもないことだ!」「二度と起こらないようにしよう!」と書き込むことはネットリテラシーがあります。
しかしその後に「加害者の家族・親戚みんなの家に爆弾を仕掛けてやる!」とか「この事件は男が起こしたから男は死すべき!」とか書き込めば、それは情報モラルがありません。

ネットリテラシーで情報を正しく得ていますが、それに対する態度が悪意があるからです。

ネットリテラシーはないが、情報モラルはある例

例えば、ふと風景の写真を撮ってインターネットにアップしました。
そこに偶然にも芸能人の姿が写っていました。
芸能事務所から「肖像権の侵害だ」とあとで注意を受けて写真を削除しました。

この場合、故意に芸能人を撮影したわけではなかったので、情報モラルには問題はありません。
被害者・加害者関係が成り立たない以前に、まず相手を知る由もないからです。

その使い方を無自覚に分からなかったネットリテラシーに問題があります。

例えば、職場の上司がセクハラをしている事実をSNSに書き込みました。
翌日、職場の上司に特定されて叱られました。

これも特定できる形で書き込んでいるのでネットリテラシーはありませんが、「セクハラはいけない」というモラルとしてはしっかりしています。
発信した側に悪意はありません。
むしろ正義としてやっています。


ネットリテラシーもなく、情報モラルもない例

例えば、SNSやメールで自分の知人のウソの悪口を名指しで書いて拡散したとします。
故意に悪口を書き、故意にウソの情報を拡散して漏らしているので、ネットリテラシーにも問題があり、モラルリテラシーにも問題があります。

例えば、「犬が通行人を噛んで死亡」というデマの記事を拡散させて、それで怒り狂い、「犬をこの世から駆逐してやる」と動物虐待を宣言する書き込みをしたとします。
これもネットリテラシーもなく、情報モラルもありません。

「特定できるか?」と「故意か?」が大切

情報モラルがない人は、必ず情報リテラシーもありません。

「ネットリテラシー」と「情報モラル」の両方を守ろうとした場合、

「特定できるか?」と「故意かどうか?(わざとやったか?)」

の2点が大切です。

特定できない形であれば加害者と被害者関係がそもそも成立しないので問題はありませんが、
名指しで特定できる形であれば、不適切なプライバシー公開、個人情報の流出、著作権や肖像権の侵害にあたります。

次にそれを「故意かどうか?(わざとやったか?)」という点です。
悪意をもってわざとやっていれば、上記の罪に加えて脅迫罪や不法行為が加えられます。

なので情報を得て発信するときには「特定できないように」「故意にやらないように」することが大切なことになります。