なぜ京アニへの地方自治体の寄付金は逆効果になるか?

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・クラウドファンディングは2割も手数料で取られてしまう
・クラウドファンディングは「建設的な企画」であれば良いですが、今回の京アニのように追悼も含めた支援金、香典のように「追悼のお金を集めると下世話なことになる」のです。
・「京アニの存続」と考えるとダイレクトに社長(=京アニ)当座預金のほうがシンプルになるのです。

過去記事
なぜ京都アニメーションへの支援金は社長の当座預金なのか
で書きました。

さて、今度は国まで支援金の税軽減を言い出しました。

アニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)の放火殺人事件をめぐり、政府が被害者らへの寄付金を「地方公共団体に対する寄付金」と位置付け、税額控除制度を活用して寄付者の税負担を軽減する方向で調整していることが21日、分かった。犯罪被害に関する寄付金を災害義援金と同じように扱うことは異例。特に企業が寄付しやすい環境をつくる狙いがあり、支出金の全額を決算時に損金として算入できる制度を活用する。
(中略)
京アニが開設した専用口座には、業界団体などの見舞金や募金を含めるとすでに20億円以上が集まり、今後さらに増える見通しだ。

ただ、企業の寄付は法人税法上、原則として資本金などに応じて算出する一定の限度額しか所得から差し引くことができない。
企業による寄付が無制限に行われ、所得額を低く抑えられれば法人税収の減少につながるためだ。寄付を検討する企業は少なくないが、税制上の優遇措置がないため、これまで判断が慎重になるケースがあった。
さらに、京アニの口座にある支援金は収益とみなされ、京アニ側の課税対象となる。

基本的には税軽減をするのは素晴らしいことです。

しかしこれは支援者の思いを裏切って、裏目に出ます。

なぜ京アニだけ?

まず最初に言えるのが、なぜ京アニだけ?ということです。

世の中の犯罪被害者は京都アニメーションだけではありません。
また同じようにアニメーション会社で事件があるかもしれません。

私はもちろん京都アニメーションを愛していますし、寄付もしました。

しかし他の民間の犯罪被害者支援、被災者支援事業の寄附制度も同じように取り扱わないと公平ではありません。

京アニふるさと納税になる

京アニの支援金を「地方自治体の寄付金」の枠組でやるとは、要するに「ふるさと納税」の枠でワンストップ特例制度や寄付金控除を利用できるようにするということです。

ふるさと納税は納めた人の税金が控除され、サラリーマンにも個人事業主にもありがたい税制として機能しています。

私も利用しています。

ただ個人ではありがたい反面、行政においては本来の目的とは違う問題が起こってしまいました。

ふるさと納税で一番得をしたのは


ふるさと納税(地方自治体への寄付金)において最も得をしたのは、運営サイト管理人とAmazonです。

ふるさと納税で全国の地方自治体を集まるウェブサイトが作られました。
またそこでAmazonを通じて配送を行ったので、Amazonへも数十億の寄付金が行きました。

Amazonは租税回避地(タックスヘイブン)で税金を本土アメリカにさえ納めていないので、

日本人の納税は日本の公共サービスにも利用されることなく外国人のボーナス給料に消えたことになります。

京アニふるさと納税の負の側面が出る

さて、では実際に納められた国や地方自治体はどうなったかというと、返礼品や諸費用の経費で業務コストが増しました。
公務員の仕事が増えたわけです。

公務員は税金で仕事をしているので、その業務をする公務員が増えました。
なのでその分の公共サービスの財源が減ったのです。

免税するために始めたことが、結果的に税金(公務員)が必要になって、増税の理由付けにされているのです。

国がやると必ず寄付の遅れと横領が起こる

あなたが会社勤めの経験のある人で、役場とのやり取りをしたことがあるなら「仕事の遅さ」を身を持って実感していると思います。

公務員の仕事には納期がないので、承認のハンコを押すだけに通常の3倍以上の遅さがかかります。

なので「寄付」となると、寄付金が京アニに届くまで3年以上かかるでしょう。

一番必要としている時にお金が回りません。

しかもその寄付の仕事を公務員がやっているので、必ず途中でカネの「中抜き」が起こります。

寄付者の思い「京アニさん、お疲れさまです。」に反して、

公務員は「京アニ支援金の仕事をしている公務員様、お疲れさまです。」と、善意のお金を「中抜き」するので、京アニに届くのは寄付されたお金の半額も満たないでしょう。

2011年の東日本大震災で税金で復興庁という機関を官僚公務員は作ったのに、それで莫大なお金を集めた挙げ句、そのお金を使わなかったり、東北ですらないゼネコンの工場の資金に当てたりと、めちゃくちゃに寄付者の心を踏みにじりました。

被災者への支援金を被災地へ回らず、私利私欲に投じた。

これと同じことが京アニで起こります。

京アニのため被害者のために寄付したのに、なぜか建設会社に道路を作られたり、工場を作られたり、自民党の族議員や公務員の接待豪遊で消えたり、アメリカに米国債を買うことで貢いで戦争支援資金にします。

国にお金をあずけると必ず本来の意図とは違うひどい使われ方をします。

法人税を納めない抜け道は多い

「企業による寄付が無制限に行われ、所得額を低く抑えられれば法人税収の減少につながる」と言われても、法人税を納めない方法はいくらでもあります。

例えば、企業は租税特別措置法の「試験研究費特例」で法人税を実質20%減税させて計上しています。

しかし実際には研究費にも回されずに、社員の給与を下げたまま投資せずに売上を上げようとします。

それなら最初からすべてふるさと納税のように寄付に対して免税すれば良いのです。

資金が流動的になるので経済が活性化します。

しかしわざわざふるさと納税にこだわるのはなぜでしょうか?

それは「途中に公務員の仕事を挟めるから」=「途中でカネを抜けるから」です。

結論

やはりダイレクトに京アニへの銀行振込(銀振)のみが確実です。

過去記事
なぜ京都アニメーションへの支援金は社長の当座預金なのか

もし免税を言うならふるさと納税なんて回りくどいことすることなく、企業への支援金(銀振含む)に対してそのまま免税すれば良いのです。

なぜわざわざ、ふるさと納税(地方自治体寄付金)をはさむかと言うと、公務員がカネを中抜したい目的が見えます。

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