2005年、高校生の頃から私は和歌山の熊野三山へ参拝するのが夢でした。

最近、やっとその夢を叶えました。

熊野那智大社、熊野速玉大社、熊野本宮大社を熊野三山と言います。

それぞれ表向きは大社(神社)と銘打っていますが、古来よりの御神体は自然信仰(アニミズム)です。

熊野那智大社=那智の滝
熊野速玉大社=神倉神社ゴトビキ岩

熊野本宮大社=大峰山奥駈道(修験道の根本道場である金峯山寺などがある奈良吉野山と熊野三山を結ぶ、もとは修験道の修行場として開かれた道)

がそれぞれの御神体です。

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日本人なら大和神話の最高神「伊勢神宮」と並んで、一度くらいは日本最古の自然神「那智の滝」を参拝しておくと良いです。


ルート

日帰りで行きました。

熊野古道→熊野那智大社→熊野大宮大社→熊野速玉大社→神倉神社ゴトビキ岩の順で周りました。

正直、先に書くと日帰りで熊野三山をすべて周るのはかなりキツイです。

紀伊勝浦駅前の「桂城」

まずは遅れて朝食。

和歌山県の紀伊勝浦駅前の桂城。
マグロ定食(1600円)とクジラの刺身(1200円)とランチがお得。
刺身、カツ、そぼろ、つみれ汁、かじき鉄板と一気に堪能できる。しかもホテル並に美味い。これはコスパ高い。

雨の日だったので誰もお客さんいなくてラッキーだった。いつもは行列もするらしい。

和歌山まぐろはここで食べたらもう満足できる。クジラは見た目が肉っぽいが別に味は薄いので生姜やネギでごまかして食べるものと学んだ。


熊野那智大社・那智の滝へ

和歌山県の熊野古道を抜けて那智の滝へ。

日本古来の真の修験道の総本山。

女神として女性の陰部を象徴とする滝を御神体としている。とても神気がある。

那智の滝はすごいわ。

例えるなら伊勢神宮の外宮の霊気を細切れにしてミストにしましたという感じ。

圧倒的な清涼感に浄化される。

那智の滝の直前の参道あたりの神気がすごいことになっている件

近場で見るとすごい。

これは拝まれるわ。

というか熊野古道から那智の滝から那智大社までの階段、ありえへん…。

殺しにくるくらい長くててつらい。汗だくで息が上がってぶっ倒れた。

さすが修験道…。

熊野古道と階段のあまりの披露に意識もうろうで何拝んだかあんま覚えてへんけどな…。
この疲れまで計算に入れた変性意識状態を作り出す装置やろこれ…。

じゃばら&くろ飴アイスクリーム

那智大社の那智山観光センターでバス待ち中に買ったじゃばら&くろ飴アイスクリーム。

熊野古道から那智の滝まで歩いて那智大社まで汗だくでぐったりだったのでとても美味しく感じた。酸っぱさと甘さが絶妙。

冷やし飴汁とかもあって飲みたかったがバスが来た。

3000円の熊野交通バス三日間フリーチケットを紀伊勝浦や那智駅で買っておくと、ここで記念品の八咫烏キーホルダーがもらえた。


熊野本宮大社

熊野本宮大社。最寄りの新宮駅から90分と秘境。日本の真の修験道である「大峰山奥駆け道」の起点がここ。歴史的によく水害に合ってる。周囲で無駄に川や山の補強工事をしてる。 京都奈良から下って本宮を通って速玉大社と那智滝に抜けるか、伊勢神宮からついでに来るにも遠すぎる。1時間くらいで見て回れるがバスは2時間に一本くらいしかないので時間を持て余す。飲食店も少ない。温泉街に降りてもバスが少ない。熊野交通のフリーキップを買ったがここに来るぶんには明光バスと併用して片道料金で使い分ければいいと思った。

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熊野本宮大社。

最寄りの新宮駅から90分と秘境。

日本の真の修験道である「大峰山奥駆け道」の起点がここ。
歴史的によく水害に合ってる。周囲で無駄に川や山の補強工事をしてる。

京都奈良から下って本宮を通って速玉大社と那智滝に抜けるか、伊勢神宮からついでに来るにも遠すぎる。

1時間くらいで見て回れるがバスは2時間に一本くらいしかないので時間を持て余す。飲食店も少ない。温泉街に降りてもバスが少ない。

熊野本宮大社に続く熊野古道。

熊野交通のフリーキップを買ったがここに来るぶんには明光バスと併用して片道料金で使い分ければいいと思った。

熊野速玉大社

熊野速玉大社。神倉神社と少し離れているが、奥社は神倉神社のゴトビキ岩(天磐盾)。
お燈祭りでは、精子を模した白装束の男たちが山頂のゴトビキ岩(睾丸)から速くかけ下がる(だから速玉)。
射精の暗喩。自然の産物である那智の滝(女神)に対している。


神倉神社ゴトビキ岩

熊野の那智、本宮、速玉と来てやっと神倉神社に来た。ラストダンジョンがんばる。凄まじい階段や…。

ゴトビキ岩のある神倉神社の階段とか70°くらいの崖に近い急勾配で落ちたら死ぬ系だった。

しかも石段の石も配置も大きさもランダムで狂気に満ちていた。殺しに来てると思う。

諏訪大社のオンバシラ祭みたいにお燈祭りでも今まで何人も死んだろう。

ミシャグジ信仰系は「生け贄で誰か死んどけ」みたいな行場の行事が多い。

神倉神社の頂上到着。超急な石段を登って10〜15分くらい。

男神で速玉=睾丸(精子)の大岩を象徴とする。
那智の滝=女神=女性の陰部と対を成している。

この神倉の岩と那智の滝の2つで日本古来の修験道の根源的な聖地。

日本の原点。来れてよかった。

神倉神社の神倉山の頂上。とても景色が綺麗。

日本の最古来は土着の自然信仰。世界も共通。

霊感の強い人は気付いたかもしれんけど、那智の滝の奥の参道の小さな穴付近と、神倉神社のゴトビキ岩の横の小さな穴付近。

なんか同じように「次元の狭間」みたいな此の世らしからぬ霊気を放ってたけど、あれなんなん…?

今日は作務衣の格好やし、まるでガチの人みたいにみられとるわ…。

いい感じの穴を見つけて座って瞑想した。

スマホを神倉神社の心臓破りの坂で落として何度も探す

帰り際にスマホ落として、登る参拝者に拾われて、スマホだけまた山頂へ。

スマホを神倉神社の石段で落として1時間くらい探す。

他の参拝者の方も手伝ってくださった。

1時間ほど下で探したら拾った参拝者が届けてくれた。

ある方が途中で拾ってくれて頂上で持ち主を探していたらしく、下まで持って来てくれた。

神社では悪いことできんね。めっちゃ安心した。大喜びした。神社内だと悪い人がいないから助かる。

ゴトビキ岩(ヒキガエル岩)と御縁に感謝した。

私はスマホやパソコンがないと水に濡れたアンパンマンみたいになるので、落としたスマホ見つかった反動でめっちゃテンション上がった。

神倉神社のゴトビキ岩(方言でヒキガエルのこと)ってことは諏訪大社と同じく熊野大社(速玉)もミシャグジ信仰してたってバレバレすぎる…。

神倉神社で会った地元の熊野信者のおじさんが、「本宮大社行ったなら玉置も行かな!」って言うので、大峰山奥駆け道の話かなっと思ったら「中学生の剣道強いで!」と。そう……。

今日は神倉神社の地獄の石段でスマホなくして本当に焦って神隠しかと思った。スマホ隠す神とか嫌すぎる…。

神倉神社ゴトビキ岩のお燈祭りってずいぶんファンキーな祭りだよな…

crazyな祭にはcrazyな強者多数!ハンパねぇわ🔥 #お燈祭 #クセになりそう

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熊野三山参りを通して、昨日今日だけで何十キロ歩いたってくらいは歩いた。

すさまじくカロリー消費した(そして食った)。

理性があれば歩行禅ができるが疲れてくると没入してしまってそれどころではない。自分の限界がよくわかった。


焼肉ひげにて体力回復

神倉神社の下あたりにある焼肉ひげ。熊野肉をお安く提供している。
ランチでスペシャル焼肉セット(1500円)。これでも一番高いセット。
ランチセットは1000円以下のが多くて良心的。しかもかなり上等に美味しい。
神倉神社の心臓破りの坂で疲れ、スマホ落として探して疲れたので、生ビールと焼肉で一人で打ち上げた。スマホ見つかって超嬉しかった。

ホテル浦島と歴史

南紀勝浦温泉・ホテル浦島。総合大学の全キャンパス合わせたくらいで大きなホテル。勝浦駅から徒歩で桟橋まで歩いて送迎船(無料)で行く。泊まらなくても1000円で入浴だけも可能。ホテル内に4ヶ所くらい温泉がある。 忘帰洞と玄武洞があるが、特に玄武洞の温泉がオススメ。 泊まっても1万円台なのでリーズナブル。 あまりに大きすぎて、どうやって維持してるのか不思議だったので経営の浦島チェーングループの歴史を調べた。 明治時代から浦木清十郎という三重県の起業家が銀行業と林業(北山銀行と芳南木材)を設立経営して財を成した。 おそらく浦木家は以前から地主か何かだろう。 元々渋沢栄一が東海地方の紡績や鉄道に支援していたのでその景気に乗ったとも考えられる。 大正時代には紀州徳川家・徳川頼倫の言葉にちなんでここの洞窟を忘帰洞と命名。 昭和25年には吉野熊野国立公園指定、昭和53年に電化で新宮駅まで電車アクセス向上。それに合わせてホテル開発も進んだ。 今は中国・韓国・台湾人の宿泊客が多い。外国メインなのだろう。 しかしそれでも今は経営は大変なはずだ。

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南紀勝浦温泉・ホテル浦島。総合大学の全キャンパス合わせたくらいで大きなホテル。

勝浦駅から徒歩で桟橋まで歩いて送迎船(無料)で行く。

ホテルとして泊まるならこのホテル浦島が断然おすすめだ。

 

泊まらなくても1000円で入浴だけも可能。ホテル内に4ヶ所くらい温泉がある。

忘帰洞と玄武洞があるが、特に玄武洞の温泉がオススメ。 泊まっても1万円台なのでリーズナブル。

あまりに大きすぎて、どうやって維持してるのか不思議だったので経営の浦島チェーングループの歴史を調べた。

明治時代から浦木清十郎という三重県の起業家が銀行業と林業(北山銀行と芳南木材)を設立経営して財を成した。

おそらく浦木家は以前から地主か何かだろう。
元々渋沢栄一が東海地方の紡績や鉄道に支援していたのでその景気に乗ったとも考えられる。

大正時代には紀州徳川家・徳川頼倫の言葉にちなんでここの洞窟を忘帰洞と命名。

昭和25年には吉野熊野国立公園指定、昭和53年に電化で新宮駅まで電車アクセス向上。それに合わせてホテル開発も進んだ。

今は中国・韓国・台湾人の宿泊客が多い。外国メインなのだろう。

しかしそれでも今は経営は大変なはずだ。

和歌山県のホテル浦島の海つばめ。
海鮮丼(1600円)、利酒三種(1000円)、クモエビの唐揚げ(1000円)。

その他、うつぼの唐揚げ、コウナゴに、クジラやらいろいろ通しで付く。

クモエビはトゲトゲしいので美味く食べないと口に刺さる。

変わったのがいろいろ食べれてよかった。

バブル期を彷彿するほど超巨大なリゾート施設であるホテル浦島は泊まらなくても日帰り温泉(1000円)で温泉だけも入れる。

特に玄武洞の温泉は洞窟と岸壁の海沿いで豪快に入浴できてクオリティ高かった。


お土産にさんま寿司

夕食を電車内で取る。
電車で食事するのは生まれて初めて。新宮駅前店の徐福寿司で買った「さんま寿司」と「めはり寿司」。

さんま寿司は噂通り美味しい。見た目以上に生々しくない。くさくもない。すごく新鮮で酢飯が絶妙に合ってる。

めはり寿司は240日漬けた高菜を酢飯に巻いた郷土料理。不味くはないが上手くもない、昭和初期の素朴な味という感じ。

しかし個人的には京都の禅寺で修行してた時に食事で頻回に出てきた高菜漬けを思い出してフラッシュバックした。

まとめ

思いつきで来たけど良かった熊野。

熊野三山周るのに2日は確実にかかるけど。
今回、三山を日帰りで周れたのは奇跡だった。

秘境の「本宮」を観光予定に含めた瞬間にスケジュール上手く組まないと周れない。

逆を言えば、熊野本宮大社へ行かなければ、
那智の滝→那智大社→速玉大社→神倉神社ゴトビキ岩で余裕をもって周れるだろう。

名古屋からだと那智の滝見に行くだけで一日終わる。

那智で滝だけ見るなら2日目に伊勢神宮へも行ける気がした。

電車が急停車したから人身事故かと思ったらシカ轢いたらしい。死んだか逃げたか知らんがどっか行った。ただシカは意外と跳ね飛ばされたくらいでは死ななかったりする。

過去に電車の最前車両に乗っていて人身事故で人間が目の前で粉々になったのを見たのは3回ある。今回もまたか…と思った。鹿だった。

熊野本宮、熊野速玉、那智大社でおみくじ引いたら、それぞれ大吉、大吉、中吉だった。

確変前のリーチみたいやな。