前回:
イタリア旅行3【ピサ編】~ピサの斜塔の堕天使~

ピサからフィレンツェまで来ました。

この旅の最大の目的であったアカデミア美術館に入りました。

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入り方と奮闘記については以下の記事でまとめました。

アカデミア美術館とウフィツィ美術館を前日予約なしで入る方法
https://libpsy.com/galleria-accademia-galleria-uffizi/5497/

アカデミア美術館

すべてアカデミア美術館の外の行列です。
あまりに多すぎてもう見ただけで帰りたくなります。

1時間近く待っただけあってダビデ像みたときの感動がハンパなかったです。

台座1m、本体4mの巨大ダビデ像の本物!

ミケランジェロが生きたルネサンス期は自由な芸術が花開いていました。

人々は好きなように好きなものを描いていました。裸体などもです。

元々ルネサンス(仏: Renaissance)は「再生」「復活」を意味するフランス語です。
一義的には、古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする文化運動のことを指します。

逆に、創作に自由であるべき現代において美術絵画を見るポイントは「局部さがし」にあります。

下品なことをかくようですが、丸出ししてるのが素晴らしい作品なのです。

ダビデ像のように、宗教の抑圧に屈せず、いかに人間のありのままの姿を描いているか。

イエス以降の「聖人の聖なんとかさん」や「天使」とかなんて心底どうでもいいのです。

それらはキリスト教を権威付けして、たくさんの貧しい人を奴隷にして、中世で腐っていくまで教会がしていた悪行です。

イエス・キリストは立派な人物でした。

しかしそれ以降の弟子のペテロとパウロ、精霊や奇蹟を風調して(今で言う)二次創作されていったのです。
イエス原作から遠ざかったのです。
二次創作なのに勝手に「原作者は私だ!」と主張したり、税(お金)を取り出したのです。

腐るまで腐っていった。それがキリスト教なのです。

キリスト教の建物はデカさと荘厳さを見て「ヴォー!すげー!キリスト教くさってんなー!」と思えばそれでいいのです。

キリスト教の理不尽さにいち早く気付いていたのが、ダ・ヴィンチ(ダヴィンチ・コードでも有名な)や、ルネサンス運動、ミケランジェロたちだったのです。

この「力」が後に、ルターのプロテスタンティズムの宗教改革、資本主義の精神の原動力にもなります。

こちらはダビデ像のすぐ右手前にあるミケランジェロ「パレストリーナのピエタ」です。未完の彫像です。

上記のような理由からミケランジェロは「キリスト教でイエスという人間の男を神聖化するんじゃない。イエスにはちゃんと家族がいたんだ!人間なのだ!」という思いで、「家族」をテーマにした作品にこだわります。

その作品群を「ピエタ」(Pietà、慈悲という意味)と言います。
磔(はりつけ)にされたイエスを”家族”で抱きかかえている構図になります。

動画1

動画2

他にもピエタを描いた作家は多々います。

しかしイエスを抱きかかえているのがペテロだったりパウロだったり聖人(後輪が描かれている)だったり天使だったりとバラバラです。

正直、まるでピエタ(慈悲)というのを分かってません。

「私がイエスを助けました。どうだすごいだろう。みんな俺様にひれ伏せ。」というゲスい意図しかありません。

だからミケランジェロのピエタこそが素晴らしいのです。

(サン・ピエトロのピエタ[完成品]、フィレンツェのピエタ[未完成]、パレストリーナのピエタ[未完成]、ロンダニーニのピエタ[未完成]の4作品がそれと言われる)

パチーノ・ディ・ボナグイダ(パチーノ・ディ・ブオナグイダ)「生命の木」(イタリア14世紀初頭)

「生命の樹」(Tree of Life)はダビデ像から左奥に行くとある有名な作品です。
左右の枝の「果実」の中に「イエスの物語」が描かれています。左から右、下から上に読みます。

旧約聖書の創世記(2章9節以降)にエデンの園の中央に植えられた木。
人がこの実を食べたので神様が追放したという聖書のお話です。
カバラの「セフィロトの木」(Sephirothic tree)を思い浮かべる人も多いと思います。

木に磔られているイエスはまさに自己犠牲の象徴として考えられています。

その他の彫刻群

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の付属博物館(ドゥオモ付属博物館)

アカデミア美術館を見回ったので再びサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のドゥオモ広場に戻ってきました。

建物も素晴らしいのですが、本当に素晴らしいのは、
このサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の付属博物館(ドゥオモ付属博物館)にある
ミケランジェロの「フィレンツェのピエタ」です。

ここは並んでもいなかったので待たずに入れました。

フィレンツェの『ピエタ』ミケランジェロ・ブオナローティ(1547年から1548年着手、1552年から1553年完成)


後ろにいるのは新約聖書のニコデモという説が多数派です。
一方でイエスの父・ヨゼフ(ヨセフ)、ナザレのヨセフ、アリマタヤのヨセフとも諸説あります。

あくまで人間としてイエスの家族の形にこだわり続けたミケランジェロです。
左にマグダラのマリア、右に聖母マリアが支えています。
マグダラのマリアは完成されていますが、聖母マリアは未完成です。

「悔悟するマグダラのマリア」(1453年 – 1455年頃)ドナッテロ。

後ろ

マグダラのマリアは娼婦からイエスを知り改心し聖女へと変わった女と言われています。
貧しくても信仰を捨てないという意味も込めて、とても汚らしく創作されています。

しかしこれがイエスの本当の奥さん(妻)です。

キリスト教にとっては特に受け入れがたい事実ですが、

2014年「The Lost Gospel: Decoding the Ancient Text that Reveals Jesus’ Marriage to Mary the Magdalene」で、
二人の婚礼や交わり、子供を二人もうけたことを書いた古代シリア語文書が解読されました。

失われた福音-「ダ・ヴィンチ・コード」を裏付ける衝撃の暗号解読

映画のダ・ヴィンチ・コードを見た人なら「あぁその話か」と分かるはずです。

まだ見ていない方は必見です。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

時間が余ったので駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会(Basilica di Santa Maria Novella)に来ました。

9世紀頃に元々あったサンタ・マリア・ヴィーニェ礼拝堂が起源とし、1211年にドミニコ会の修道士がこの地に新たな教会を建てました。カトリック教会にとってバシリカ(上位の教会)です。

当時のイタリアの大スポンサーであったメディチ家が医師薬剤師の家系であったこともあり、修道僧たちが薬草栽培・薬剤調合していました。サンタ・マリア・ノヴェッラという世界最古の薬局があるのもここフィレンツェです。

ここも美術品を数多く所蔵しています。

入口がとても分かりにくく、上の画像は裏側になります。

入口は広場のある

こちら側です。

レオン・バッティスタ・アルベルティ(Leon Battista Alberti、1404年2月14日 – 1472年4月25日)という初期ルネサンスの人文主義者がデザインしたものです。

受付に通じる入口は広場からしかないのにいろんな場所から入れる(しかし柵がしてある)ので迷いました。

教会内のチャペル

Tornabuoni Chapel(トルナオブーニ礼拝堂)
https://en.wikipedia.org/wiki/Tornabuoni_Chapel

この礼拝堂は左右のチャペルが4コマ漫画のようにフラスコ画の壁画で物語が読めるようになっています。

フィリッピーノ・リッピ「ヒエラポリスの寺院の外に投げられたドラゴン」

右の壁には聖フィリップ物語の絵があります。

中庭が木漏れ日が差し込んで静かでとても綺麗です。

中庭は緑の回廊と呼ばれています。

その周辺には14世紀のフラスコ画が描かれた死者の回廊があります。

生命の樹

このサンタ・マリア・ノヴェッラ教会には、
マサッチオのフレスコ画「三位一体」(1427)、フィリッポ・リッピによる祭壇(1502)、ドメニコ・ギルランダイオによる「聖母マリアの生涯」が描かれた主祭壇などが有名な作品ですが、どこにあるのか分からなかったのと、時間が差し迫っていたために見るのは断念しました。

特にドメニコ・ギルランダイオ画(Domenico Ghirlandaio)の「聖ゼカリヤへの天使の告知(Annunciation of the Angel to Zechariah)」(1490年)もじっくり見たかったのですが。

チャペルの右側にあります。

ゼカリヤへの天使の出現の聖書のエピソード。
ゼカリヤは中央の祭壇に描かれ、天使ガブリエルが突然彼の左に現れ、彼に息子がいると言いました。

こんな感じのルネサンス知識人が話し合っている絵です。

マルシリオ・フィチーノMarsilio Ficino (左)、
クリストフォロ・ランディーノ Cristoforo Landino (中央)、
アンジェロ・ポリツィアーノ Angelo Poliziano(3人目)、
デミテリウス・チョーココンデニウス Demetrius Chalcondyles (右端)

いずれもイタリアを代表する人文主義者(ウマニスタ、ヒューマニスト)・古典学者が話し合っている様子です。

彼らはメディチ家の庇護を受けてネオプラトニズム(新プラトン主義)からルネサンスでローマ教会と戦っていました。

ミケランジェロが影響を受けたのが彼らです。

ちなみに左側は

上から(読む順は下から)
6,キリストの生れ The Nativity of Christ (Adoration of the Magi)
3,マリアの寺院でのプレゼンテーション Presentation of Mary at the Temple
1,ヨアキムの神殿からの追放 The Expulsion of Joachim from the Temple

左真上の
ヴァージンの死と仮定 The Death and Assumption of the Virgin (lunette)

中央真上の
聖母の大戴冠 The Coronation of the Virgin (lunette on central wall)

となっています。

LA DIVINA OSTERIA「TRATTORIA con GIARDINO」というところで昼食を食べました。

ハムとトマトの乗ったパン

カレイのオリーブオイル焼きと野菜

デザート

いずれも美味しいと言えば美味しかったです。

ただこのお店は日本でも食べられる味という感じでした。

うどんみたいなトマトパスタの大盛りを食べている人が隣の席にいました。